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2005年 10月 28日
ジュダイダ・アルハース村の民家を訪問させてもらった。 この村は水利権を持っているので前出の村より緑があるが、雨が少ない年は農村が困ることに変わりはないようだ。ある民家に着くと、隣人たちが出てきて挨拶を交わす。まわりの家同士のつながりが強い。イスラームではコミュニティーのつながりが強いのだ。 家はイスラーム特有の壁で囲まれた家である。壁の一部に狭いドアがあり、ドアを開けて一歩入るとそこは緑のブドウ棚が涼しげな中庭で、その奥にアル・マジュリスと呼ばれるリビング・ルームがある。![]() ![]() なかなか良くできている歩行器↑その家のA君は4歳であるが、言語および歩行に若干の発達の遅れが見られる。母親も姉もやさしく、いかにもイスラム圏の家族愛というものが感じられる。しかし、その発達遅滞にたいしてどうしたらいいのかという助言は公的機関から得られないので、家族でひたすら養育するばかりである。そこで、ボランティアの人とCBRにかかわる日本側スタッフが時々訪問し、しばらくA君と遊んで動きを見て、その時々に最も適した訓練方法についてアドバイスしているという。 ************************ 話は変わるが、この家のお母さんが中庭で採ったブドウでもてなしてくれた。これが実に甘くておいしく、渇いたのどにまさしく『甘露』であった ブドウはやはり西からシルクロードを経て日本へきたのだと、本からの知識ではなく、味でもって納得してしまった。 #
by miriyun
| 2005-10-28 17:21
| シリア
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2005年 10月 27日
アルヒジャーネ村の学校の一室でサマースクールが行われていた。先生はCBRプロジェクトに賛同したボランティアである。 ![]() 黒板には次のようなことが書かれ、それぞれの力の応じて学習する。 ・3 = 2 + 1(本当はアラビア数字だが、PCでその文字がまだ見つけることができない) ・アラビア語のアルファベット ・単語練習 ・クルアーンの暗唱 ![]() 左上から・・・ バカラ(牛)・ ヒサーン(馬) 左下から・・・ ハルーフ(羊)・ジャマル(ラクダ) ↑手書きの絵とアラビア語ににていねいに色鉛筆で色を塗った教材で、ずっと使えるようビニールでカバーがしてあった。 年少の子はアルファベットを書いている段階なので、ほとんど絵を見て答えているのだろうがその中で徐々に文字に親しませようとしている。また、ノートにアラビア語でクルアーンの句を書いてきたものを先生が熱心にみていた。私のもとにも頑張っているでしょうと見せにくる。ボランティア要請で最初に障害者への教え方などを教えたそうであるが、この村のボランティアはとくに熱心である。 目に意志の強さが表れている先生は全体のリーダーとして働いていた。黒いヒジャーブをかぶっている人は目がやさしくおとなしい感じ。写真撮影をしていいかと聞くと快く応じてくれた。 同じイスラム圏でも女性の服装も考え方も様々である。 ![]() 子どもたちはどんな様子か。背の高い24歳の女性はまっすぐな気持ちで精一杯練習している。書くのはゆっくだが、難しいクルアーンの章をみごとに暗記している人もいる。 ![]() ![]() 二人の女の子は愛嬌があってかわいい。Uという男の子は人懐っこく、人と触れ合うことを喜んでいて別れを残念がっていた。 大柄でニコニコ笑っていた男の子などいろいろな子がいたが、共通していたのは、障害によって学校にこれなかったこの子たちが、はじめてのサマースクールを楽しみ目がきらきらと輝いていたことである。 #
by miriyun
| 2005-10-27 11:35
| シリア
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2005年 10月 26日
農村の暮らしとJICAの活動についてフィールドワークを行うため、ダマスカスのシリアJICA オフィスを訪問し、広報担当のT氏から、専門家のT氏を紹介してもらった。(もちろん、事前に日本からコンタクトして許可を得た上である)また、このプロジェクトに参加している青年海外協力隊員Y氏、現地との詳細なやり取りをするための現地職員であるヨルダン人秘書Nさんの紹介を受ける。 ダマスカス近郊3つの村で進行中のCBR事業について見させていただいた。 アル・ヒージャーネ村はダマスカスの郊外50kmにある。ダマスカス国際空港の滑走路の延長線上にあるため、ジェット機を下から見上げる事の多い村である。この空港ができる時に村の半分の土地を没収されたため、ほかの村より貧しい。水利権を持たないこともそれに輪をかけているという。 ![]() ↑アルヒジャーネ村の小学校 就学率の高いシリアであるが、障害者教育はダマスカスのような大都市であるなら整備されていても、この村には無縁であった。小さい集落になればなるほど血族結婚も多いといわれる。障害児は家の中で大事に養育されているが、学校に行く機会はない。また、大人になっても家の中でのみ置かれ、学ぶ権利などは保障されていない。 CBRプロジェクトではこの障害のある人に学ぶ経験をさせていた。村のボランティアの女性たちが、これまで全く学校教育を受けていなかった子どもたち(24歳の女性もいるが)を教えていた。学校を夏休み中に借りるにも難しいところもある。この学校は校長の理解があったのですぐに借りることができた。しかし、最初は長老格が見に来て、学校設備を壊したりしないか心配そうであったという.教える内容は、いわゆる識字教育が中心である。 *用語解説* CBR (Community Based Rehabilitation) とは―― 1981年のWHOリハビリテーション専門会議で最初 に定義され、その後WHO、UNESCO、ILO合同で、 「CBRとは地域開発におけるすべての障害者のため のリハビリテーション、機会の均等、社会への統合の ための戦略である。CBRは障害者自身、家族、地域 社会の共同運動、そして適切な保健、教育、職業、社 会サービスによって実施される」と定義した。 (引用:クロスロード2002年12月号) #
by miriyun
| 2005-10-26 07:56
| シリア
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2005年 10月 25日
宮殿とモスクの至宝は想像以上に盛況で、イスラームの工芸・建築・文字などに関する関心は確実にたかまってきていることを肌で感じた。 ムハンマドの墓の掛布というのが目を引いた。 トルコの17世紀のものという。下記の写真はV&A美術館カタログから引用させてもらう。 (引用についても、orientlibraryさんの『イスラームアート紀行』に於けるorientlibraryさんと憂無庵さんのやり取りの中で学ばさせてもらいました。お2人に感謝!です) その引用に自分なりに文字解説を入れた。アラビア文字を文様化することは、偶像禁止のイスラーム教関連においては必然性があったわけで、みごとに文様化している。 ![]() いくつか気付いたことを並べてみよう。(ただし、色については元の色がわからないので、今見える色で表示する。例えば地色はカタログによると緑地と表現されているが、実際には黒かグレーにしか見えない) 1、まず、○の中のアッラーであるが、赤系の色で織られているが、輪郭はさらに濃い赤で織っている。毛織の絨毯の手法でもくっきりさせたい草木文や文字の輪郭を白の絹糸でいれることがある。このひと手間を加えることで、古くなり色が枯れてきても輪郭はくっきりしていることになる。この絹布でも元の緑地がまったくわからないほどとなっても文字は浮かび上がってくる。 2、アッラーの上のシャッダ(wのようにみえる記号)とムハンマドのムに当たるところの丸の中、及びムハンマドの最後(左端)の草木文様が色の明るいピンクになっている。このように記号、あるいは文字そのものの一部をデザインとして色を変えたりすることがある。こうしたデザインを行うことでイスラームにとって最重要なアッラーとムハンマドの名をあらわしながら重くなりすぎず軽やかさを保っている。 3、ラーイラーハイッラーラー(アッラーの他に神はなし)はあえて階段状にまっすぐな縦の線を強調して並べている。 それに対してムハンマド・ラスール・アッラー(ムハンマドはアッラーの使いである)やわらかみのある線を対比させている。 4、ところどころにアクセントとしておかれた花の文様はトルコの得意とする文様だが、おそらく具象ではなく抽象の絵としてこういった極めて宗教的意味の強い布にも使えたのだろう。控えめに入れたこの花がやさしさを与えている。 5、ジグザグ文様の中にもこれでもかというくらいにアラビア文字で埋め尽くされている。字数が多いので輪郭のラインは入れず、色も薄くすることでバランスを取っている。意味はわからないが、文字文様の”ルール”は読み取れる。それは、ムハンマドラスールアッラーと、そのすぐ下のジグザグの中で、いずれもアッラーを上においている点である。アラビア語はデザインの中で上下に何を置くかを意識しながら配置する。そのルールがこの布でははっきりしている。 6、最後にこの布の美しさは、これだけ空間をびっしりと文字で埋めながら、リズミカルな連続性を演出していることである。同じだけの文字をただ並べたなら、じっと見たいという魅力も芸術性もないものになってしまうだろう。しかし、これは織物の特性を考えた文字のデザイン・文字の大きさや重要性に合わせた色使い・同系色を使うことによる調和・ところどころに植物を配したセンスによってリズムを感じさせる美しい布となっている。 *かれた色の実物にも心惹かれたが、緑の地がはっきりとしていたときはどんなだったのだろうかとつい想像してしまう 人気blogランキングへ #
by miriyun
| 2005-10-25 13:32
| イスラームの工芸
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2005年 10月 24日
サウジアラビアと日本の友好50周年の今年、サウジアラビア大使館はヴィクトリア・アンド・アルバート美術館による宮殿とモスクの至宝展(世田谷美術館)の紹介とちらし配布にも熱心だった。 なぜ?と疑問におもった。 ![]() アブドゥル・ラティフ・ジャミール氏と夫人の寄付によるということはわかった。ヴィクトリア&アルバート美術館に『イスラム美術ジャミール・ギャラリー』が2006年に開設となる。かれらへの感謝として名を掲げての巡回展だということだ。 では、その人はどういう人なのか。 サウジアラビアのジャミール・グループを率いていた。 アブドル・ラティフ・ジャミールグループとは・・・トヨタ自動車が2005年8月から国内で始めた高級車「レクサス」販売をのばすために、パートナーとした会社だ。中東の富裕層に多くの販売実績があり、サウジアラビアでトヨタ車とレクサス車の独占販売権を持つ同国有数の財閥企業だ。世界有数のトヨタ系ディーラーでもあり、豊富な資金を背景に2003年は11万台を販売し、1990年には英国の有力ディーラー、ハートウェルを傘下に収め、欧州にも販売拠点を築いている。 また、デンソーのサウジアラビアでの合弁生産会社であるデンソー・アブドゥル・ラティフ・ジャミール社を設立し、カーエアコンを生産する。 ここにサウジアラビア大使館 、ジャミール・グループ、トヨタ、デンソー、レクサス練馬という協賛企業のつながりが見えてきたのだ。 企業は突き詰めていくと国内外にいろいろなつながりがあり、政治面にも思わぬ影響力があったりする。面白いものだ。 ところで、イスラーム文化大好きな私であるが、タイルや陶器についてものすごく詳しく、そして何よりタイル芸術を愛しているorientlibrary さんの『イスラムアート紀行』が奥が深い。これらについては、是非そちらをご覧ください。 自分自身は、遠いけれど至宝展行ってよかったという思いが強く、イスラム科学と文字について語りたくなってきている。 #
by miriyun
| 2005-10-24 04:29
| 日本の中のイスラーム
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