写真でイスラーム  

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2005年 10月 12日

ダマスカスの街並とアザーンの響き

 はじめてシリアを訪れたのは11年前。忙しいツアーであったけれど、ダマスカスで聞いたアザーンは忘れることができない。
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 ファジュル(夜明け前)のアザーンは町中に響き渡り、まるでカシオン山にあたって反響しているのかと思わせるようであった。その後その音を求めてイスラム諸国を旅したが、あれ以上のアザーンには出会っていない。

ダマスカスの街並とアザーンの響き_c0067690_13384781.jpg
 
 アザーンにはムアッジンの声の質・鍛錬のちがい・伸びやかさのちがいが当然ある。、そして国によるちがいもあるのではないかと思う。アラブ・イスラーム学院のサイトにアザーンがあるが、さすがにマッカのアザーンは超がつくムアッジンが吹き込んでいるようで美しいが、普通に都市部や村落で聞くアザーンは様々である。
 そういった、街中や雑踏の中でごく普通に流れるアザーンを聞いていると、ムスリムならずともイスラムの世界に引き込まれる。ことにダマスカスのアザーンは美しい。

# by miriyun | 2005-10-12 13:42 | シリア | Comments(2)
2005年 10月 11日

東京ジャーミー(3) 女性の祈りの場

東京ジャーミー(3) 女性の祈りの場_c0067690_2326563.jpg
 モスクでは女性の祈りの場を分けていることがある。東京ジャーミーも女性専用のらせん階段を上るとモスクの2階(建物全体としては3階にあたる)に礼拝場所がある。
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 下と同じに絨毯を敷き詰めてある。透かし彫りのアラベスクのバルコニー状のせり出しがあり、ミフラーブもよく見えるし、祈るすべての人を見渡せる。それでいて少し後ろに座れば下から全く見られることはない。まあ、真摯に祈る男性たちも後ろを振り向いて見上げようなんてことはしない。なにしろ祈りにきたのだから・・・。
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 ここは確かに安心できる空間に違いない。日本人ムスリマ(女性のイスラム教徒)は一言も話さず、一身に祈り、黙したまま帰っていた。イラン人の母娘はビデオやカメラ持参で集団礼拝のときはもちろん熱心に祈っていたが、終われば階下の人々と同じに他の人の平安を祈り、挨拶を交わし、美しいモスクをビデオに撮る。見学に来ていた私にも気さくに話しかけてくる。イランのシラーズの人ということで、壁のカリグラフィーを見ながらしばし話しこんでしまった。
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 女性の席を意識しているのだろうか。カリグラフィーの色合いやトルコらしいチューリップ風の植物文様がかわいらしい。ポストカードを差し上げるとメッカの図柄の壁掛けをいただいた。イランの女性たちはいつも人なつっこく親切だ。
 

# by miriyun | 2005-10-11 23:57 | 東京ジャーミー(工芸) | Comments(4)
2005年 10月 10日

東京ジャーミー(2) 精緻なるもの・・その名はアラベスク

東京ジャーミー(2) 精緻なるもの・・その名はアラベスク_c0067690_8471344.jpg 東京ジャーミーが繊細でいて華麗なのはなぜか?イスラム建築の細かなところをみてきた。

←2階
ジャーミー入口の扉のアラベスク
 











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    ↑
扉の彫刻のうち、10個のパーツを組んだ白の象牙及び木の彫刻拡大
↑ダマスカスの寄木細工を髣髴とさせる木の色合いだ ↓


東京ジャーミー(2) 精緻なるもの・・その名はアラベスク_c0067690_2493834.jpg

 東京ジャーミー(2) 精緻なるもの・・その名はアラベスク_c0067690_2455573.jpg
⇒1階外扉のアラベスク

ほんのわずかな扉だけ見てもこのような繊細な美を発見できる。しかもこのようなアラベスクはイスラム芸術の序の口なのだ。

# by miriyun | 2005-10-10 02:49 | 東京ジャーミー(工芸) | Comments(0)
2005年 10月 09日

東京ジャーミー (1)   

 
東京ジャーミー (1)   _c0067690_1061826.jpg

 代々木上原の東京ジャーミー(モスク)を見学させてもらった。トルコの工芸技術を結集させたドームタイルカリグラフィー絨毯まで実に美しいモスクだった。
東京ジャーミー (1)   _c0067690_108489.jpg

 躯体は日本の建設業者鹿島建設。大理石造りで、しかも大空間、併設のトルコ文化センターのほうは窓に多くすだれを利用して、暑い日本でありながらなかなか居心地がいい。そのうえ、床暖房は古河電工の施工による床冷暖房を採用している。メーカーHPの解説によると、「温水式ユカダン」というこの設備の特徴は夏は冷水をポリエチレン管に流して床を冷やし、冬は温水を流して床を暖めるしくみだという。
  ↓メッカの方向をあらわすくぼみ ミフラーブمحراب  
東京ジャーミー (1)   _c0067690_1092913.jpg

肝心の内装については、100名近くの技術者がトルコから来日して内装を行ったということで、一目でわかるトルコ風尖塔(ミナレット)・壮麗なドーム、ちりばめられたアラビア語カリグラフィーなどが調和していてなるほどと思わされた。

 トルコ人のジャーミーの担当の方たちは親切で、いろいろな質問にお答えいただいたり、
東京ジャーミー (1)   _c0067690_224595.jpg
トルコ
のお茶までいただきゆったりとした気分でイスラム文化に浸ることができた。 
 日本とトルコの技術を合わせて建設され、日本に住むムスリム・ムスリマの拠り所として、また日本人のイスラム理解や交流の場として重要な役割を担っていることを実感してきた。

# by miriyun | 2005-10-09 10:09 | 東京ジャーミー(工芸) | Comments(6)
2005年 10月 08日

ラクダは本当に反芻する ・・・たまげたー  

ラクダは本当に反芻する ・・・たまげたー  _c0067690_1058650.jpg
 
 ラクダで砂漠へ行った時のこと、場所はチュニジア
 まだ草のあるところで待機中のラクダは砂漠の「らくだ草」(名は知らないが、これがぴったりに思えるのでここではこの名で記す)をバリバリと食いちぎっていく。いくら砂漠の干からびた草木で噛み切りやすいとはいえ、枝はとても口には入る大きさではない。
 出発させようとするラクダ使い。それを察してらくだはピッチを上げた。どんどん口の中に入れていき、みるみる大きな枝が飲み込まれていく。数度はもぐもぐするのだが、押し入れるための運動のようで決してしっかりつぶしているわけではない。
 
 いよいよラクダで小キャラバンの開始。1時間ほど変わらぬペースで歩くとラクダ使いは休憩を取らせる。ラクダ使いはムハンマドといい、2頭のラクダは彼が自分で飼っている大事な家畜である。必ずラクダを座らせ、人間も砂地に座って休憩する。ムハンマドも私も水を摂る。しかし、ムハンマドはラクダには水をやらない。
 
 ラクダは水も飲まずに涼しい顔で休んでいるらくだ。・・・私も360度砂漠の風景を楽しんでいると突然にゴボッという音・・・・そしてそれに続く光景に目を疑った。1時間前に無理やり飲み込んだあの大きな枝が口からニョキーと飛び出してきた。そしてラクダはグチャッグチャッと大きく歯を使ってゆっくり堅い枝をすりつぶしつつ胃に再度送り込んでいったのである。先ほどの食事の続きをゆっくり楽しむかのようであった。

 このとき、ようやく反芻するとはこういうことかと思い当たったのである。
 もちろん、このらくだが座っていた場所にはらくだ草はなく、砂丘のみであったことを言い添えておこう。
ラクダは本当に反芻する ・・・たまげたー  _c0067690_1057252.jpg
                                       
                                                    
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# by miriyun | 2005-10-08 11:09 | 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) | Comments(0)