写真でイスラーム  

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2024年 11月 01日

高原に草をはむ牛たち

牧場沿いに歩いて    





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空と丘が広い高原の牧場
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ひたすら草をはむ。
だからどんな写真も、ほとんど下向きで表情が見えない。

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ここは塩くれ場
ケースの中には岩塩があり、牛は塩が必要になるとなめにやってくる。

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雲の向こうに太陽はまだ高めに存在するのだが、あたりはどんどん暗くなる。


どんよりして牧場は灰色の世界。 早く宿にたどりつかないとまずいかなと考え始める。
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そこへ僅かに光が見えてきた。






                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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# by miriyun | 2024-11-01 23:21 | 日本 | Comments(0)
2024年 10月 30日

メトロポリタン美術館に収蔵、本田作品

1.メトロポリタン美術館    

Metropolitan Museum of Artは、メット(Met)という愛称で呼びならわされている。

ニューヨークの言わずと知れたアメリカ大陸最大の美術館で、世界各国の美術作品を幅広く収蔵・展示する。
そのMETに、本田孝一氏のアラビア書道作品が収蔵された。


収蔵されたばかりでHPに正式な画像はまだ掲載されていないが、作品と作者については的確な表現がなされている。


  
2.光の章 Surah Al-Nur
メトロポリタン美術館に収蔵、本田作品_c0067690_03130052.jpg
 (撮影:K.Yamaoka)

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題名: Surah Al-Nur (24), Verse 41
    スーラ・アル・ヌール (24)、第 41 節
作家:  Fuad Kouichi Honda (Japanese, born Tokyo, 1946)
     本田孝一(日本人、1946年東京生まれ)
制作年: 2023年
媒体: アクリル絵の具、紙にインクマーカー、コラージュ
寸法: 高さ252 cm×幅 117.5 cm
                                                                                                                                                                                                           

イスラム書道の日本人マスターによるこの異文化作品は、コーランの光の章(スーラ・アル・ヌール)を題材にしています。
この言葉は、スルス文字のムサンナまたはミラーイメージ、つまり鏡像で書かれており、壮大なスケールの大胆な構成となっています。
このアーティストはオスマントルコの学派の書道のマスターです。
彼はトルコのスルス書体の伝統的な書体をマスターしている。
このことは、正確なスルス書体と構成の対称性(左右対称のコンポジション)にはっきり表れています。
この作品で本田は、色を使った境界線は絵の具とエアブラシにより表現し、
コラージュのような独特の混合メディア技法を使用しています。
                     以上、MetのHPより訳
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◎このMetの学芸員による短い解説の中に、3つの要素があらわされている。

◆壮大なスケール
◆大胆なコンポジション
◆正確な伝統的書体

 本田作品を語るにこれほど的確な表現はないだろう。

 Metすごい!


 かっては本田氏も、周りをテズヒーブで囲うような典型的な書道装飾を試みたことがあった。
しかしながら、これは自分を表せているとは思えなかったという。
そして自分だけの表現がどこかにあるのかと追及していた。

 その後書く言葉の意味を自分の中で深化させ、大自然の中に身を置いたサウジアラビアでの体験などからのイメージを合わせて、
今のスタイル、まさしく壮大なスケールと大胆なコンポジションに至ったのだ。
それとともに、正式な伝統文字を大切にしてチェレビーさんというトルコの師からおしえをうけ、イジャーザ(書道の免許皆伝)を受けた。

 こうして、本田作品は書の世界で例を見ない壮大な作品となり、新たな書のスタイルとして世界の中で認められていった。
そして、そのうちの一作がとうとうMetに収蔵されることになったのである。
                        
  


                                       
                                                    
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# by miriyun | 2024-10-30 23:25 | Comments(0)
2024年 10月 27日

高原の朝

高原の朝は色を楽しむ  

旅先では早起きだ。

夜明け前に外に出る、なぜならその日だけの一期一会の色に出会えるから・・・
日の出だけが目的ではない。
日の出前後の色の変化が素晴らしいから。
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南を望めば山々の向こうに富士山を望む。
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誰でも見逃せない高原の朝。



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すでに朝焼け色に色づいている。 

                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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# by miriyun | 2024-10-27 00:51 | Comments(0)
2024年 10月 23日

クラドニア・フィンブリアータ

夜明けの散策   

 高原に行くと夜明け前に起きて、朝日が昇る前後で写真を撮り、
そのあと植物を見ながらの散策・・・こういう朝の過ごし方をすると、
必ず太陽や雲・空の色・雲海・霧・植物など、これまでに見たことのないものに出会う。

今回は花はほぼなかったが斜面にある岩に面白いものを見つけた。


岩は草と苔に覆われていた。




緑の苔はタマゴケのように見える。

見えるのは枯れてきた草の茶色と苔の緑だけのはずなのに、その中に違和感のある色があった。

あまりにも小さいので、グゥーッとカメラで迫ってみた。

クラドニア・フィンブリアータ_c0067690_21571732.jpg

Cladonia Fimbriata(クラドニア フィンブリアータ)
 ラッパのように突き出しているが、それが透明感のある宝石のような水色をしていて美しい。
 地衣類の一種だが、思わず声をあげたくなる色をしていた。 

                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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# by miriyun | 2024-10-23 02:38 | 動植物 | Comments(0)
2024年 10月 22日

笹の生命力と高原植物の危機

1.鹿    

昨今の植物事情を聴いてきた。

美ヶ原は高原植物が豊富なところであったが、近年は高原植物が減ってきている。

最初の高山植物の敵は鹿だった。
夜になるとピーッと甲高い声でなく鹿。そのこえと夜に光る眼で鹿の多さがわかる。
鹿はニッコウキスゲの花などから食べ始め、まずはキスゲが極端に減少し、その後もいろいろな植物を食べていった。
そうして軟らかい花や植物たちが減った。 

2.笹   
 そうしているうちにこれまでさほど多くなかった笹が勢いづいて群生し始め、
今ではどうにもその勢いを止められないほどびっしり繁茂している。

鹿は笹を食べてくれないのか?
笹は強い茎と皮膚が切れそうな葉を持つ。だからごく若くて柔らかめなうちは鹿も食べてくれたらしいが、1mもの大きさになると鹿もお手上げらしい。
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笹は非常に生命力が強く、ひとたび定着すると数十年にわたって、その土地の栄養分を吸い尽くす長寿の植物だ。

◆笹の地下茎の伸びは?
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 菅平高原に自生しているチマキザサを対象として、ササの一個体はどのくらいの広さを持っているのかと調べた事例((陶山佳久(2001)遺伝子の指紋:AFLP分析を用いた森林構造の解明 2001年総合出版)によると、数mの小さな個体から数百mに及ぶ大きな個体まであったということです。
 (長野県林業総合センタ- ミニ技術情報№ 48( 平成22年9月 )より引用)
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 これまでマツムシソウやらヤナギランやら美しく繊細な花が咲いていた場所が笹(シナノザサ・クマザサなど)でびっしりと埋め尽くされている。
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 ↑2024.10月の美ヶ原

もうここまでになると、ほかの花の種があったとしても日が当たるところまで成長できない。


3.レンゲツツジと笹のせめぎあい   
例えば、6月末の美ヶ原に行った時の写真を見返してみる。
レンゲツツジの赤い色が高原を彩る。
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しかし、灌木と草しかなかったところに笹はじわじわと地下茎を広げる。

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ツツジの群生と笹の群生の攻めぎあいがあちらこちらで見られた。↑

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↑こちらはすっかり笹に囲まれて小さくしか咲けないレンゲツツジ

このままにしておくと高山植物は笹に負けてしまうのだ。これは大変なことで、美しい花々を見られなくなってしまうことだ。

 これにたいして、各高原の地元ではボランティアを募って、なんとボランティアによる大掛かりな笹刈りを花の咲く前の5月に行うことでかろうじて花を守っているということが分かった。
 
 攻めぎあいと書いたが、実はもう笹に負けていたということだ。
そこに行きさえすればあると思っていた花や自然も、人の手が加わらないと失われてしまうのだ。

                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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# by miriyun | 2024-10-22 11:35 | Comments(0)