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2008年 06月 29日
ファーティフ・メフメット2世が、イスタンブル攻略の最初の拠点としてまず作ったのがルメリ・ヒサールであった。 ◆ファーティフ・メフメット大橋 1988年、そこにアジア側とヨーロッパ側を結ぶ2番目の橋が通った。名前はもちろん、トルコ人が敬愛する名をとり、ファーティフ・メフメット大橋となっている。前長1510mの巨大なつり橋には日本の橋作りの技術が惜しみなく使われた。 ![]() ◆ボスポラス大橋 さらに旧市街に近いボスポラス大橋から2つの大陸を眺めてみよう。 ![]() ・正面――ヨーロッパ側の旧市街だが、最もオスマンの偉業が残り、伝統と歴史が色濃く残るところである。 ・右――ヨーロッパ側の新市街、スルタンの近世に於ける近代的宮殿と新しい街があるところで、旧市街とは金角湾で隔てられている。 ・左――アジア側で、トルコ半島そのものである。 なお、この橋も耐震工事などで1999年に日本が補強をおこなっている。 2本の橋によって現在二つの地域はつながってはいる。しかし、発展するイスタンブルの拡大にこの橋だけで十分な物流は不可能であり、押し合いへしあいの大型船から小船までがいきかい、事故が起きて当然という混みようである。 EUへの参加と全面的な貿易の拡大をめざすトルコ、まだ難問は山済みとはいえ、いつかEUへという息ごみはますます盛んになりつつある。 ◆ボスポラス海峡トンネル そこで、日本の企業,大成建設が請け負って進めているのがボスポラス海峡トンネルである。トンネルが完成すればアジアとヨーロッパをつなぐ大動脈となる。 ・・・と、ここまでは原稿を用意していたが、その後の進捗状況がわからない。すると今夜のNHKでちょうどその場面が出てきたので、具体的な数字を聞き取り、それを参考にまとめる。 ① 日本の建設会社の技術をしても難しい海 深さ60m、60気圧の海水、さらに、ボスポラス海峡は潮流が激しい。 *コンスタンティノープルの陥落で書いたように、1453年の攻防においても、この海峡からの潮流が激しいため、この潮流がまっすぐに当ってくるマルマラ海側の城壁はほとんど攻められる心配をしていなかった。だからわずかな兵で見張るだけですんでいた。 その潮流の速さは時速10kmと川に匹敵する速さで、船や重機から作業をしようとしてもみな流されてしまう世界有数の難所なのであった。 ② それでもつくる 「技術者冥利に尽きる」とインタビューを受けていたエンジニアが答えていたが、これは日本人として本当に頼もしい。考え、生み出し、不可能を可能にする力。これこそが日本が持つ最大の資源かもしれない。 ③ 135mの管をつなぐ 関門海峡やドーバー海峡では、巨大モグラのような穴掘り機が活躍したが、ここではできない。なんと、巨大な管を沈めてそれをつなぐという構想だ。 それも一本の長さは135mの管・・・そんな化け物のような管を作る、それを11本つなげて1つのトンネルを作るという。 *これには人がやらないことこそを考えたメフメット2世も天国でたまげているかもしれない。 激しい潮流のなか、じわじわと管を下ろしていく。18000tの管が海峡に届く ダイバーがもぐって前の管と接合できたかを確かめる。ずれが1cm以上あればやり直しというが、計ったらわずか数mmだった。たいした技術だ。 ④ ヨーロッパとイスラームがつながる 完成は2009年5月の予定であるという。しかもあと残すところ500m、残す3本の管をおろしつないでいくのだ。 もう、完成は見えてきた。このトンネルには鉄道が通る。物流は一躍改善される予定だ。 とうとうアジアとヨーロッパはここイスタンブルで確実につながろうとしている。 (数字についてはNHK「沸騰都市」より主に引用した。)
by miriyun
| 2008-06-29 23:06
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Comments(4)
昨日のNHK特集見ましたよ。
行ったことないのになんか見覚えのある風景がところどころにでてきのは、 miriyun さんのこのブログで見た風景だったのですね。 政治的には難しい国のようですが、人々の笑顔が印象的でした。
0
asiaxさん、ボスポラスで見る日本の技術、たいしたものですよね。こんなに潮流の激しいところでのお大規模工事の作業を始めて見ました。それと、これによる今後の展望が一気に身近なところまで来ている物流の波として感じられます。
見覚えのある風景・・・感じてくださってありがとうございます。
私も昨日の番組見ました、miriyunさんの記事を思い出しながら。アジアとヨーロッパ、イスラム圏とキリスト教圏との接点と言う位置は今も昔と変わらないのだと言うのがよくわかって実に興味深かったです。
それにしても日本の技術者の方たち、かっこよかったですね。地図に残る仕事って昔コマーシャルがありましたけど、本当にやりがいがあるだろうなあとうらやましく感じました。
luntaさん、アジアとヨーロッパの接点で工事が進められ、あと少しでこの世紀の大工事が終わります」。
その技術と壮大な計画に目を見張るととのも意そのとき、どんな変化が生まれるのか大変興味深いものですね。 |
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