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2008年 05月 24日
1.古代文字と粘土 古代からの文字はいろいろあれど古代文字として最も多く残っているのはメソポタミア文明における楔形文字であろう。 なぜなら、筆写のための材料が頑丈であったからだ。 チグリスとユーフラテスの二大河にはさまれ湿潤な地域にあって最も豊富なのは建築材料でもある粘土である。 粘土はまずどこにでもある。そして費用はかからない。やわらかいうちに文字を刻み、乾燥させたり焼いたりしたならば、虫に食われることもかびることもまた、火事に合おうとも生き残る。したがって、粘土板に刻んだ文字は、積んでおいて地中に埋もれた宮殿跡などから数千枚単位で発見される。耐久性でいうならば抜群の筆写用品なのだ。 2.筆記用具 ではペンは何なのか?これはアラビア書道と同じ葦ペンである。葦は日本にもある。 ![]() ![]() 川には葦の原がどこにもあり、川に行ったら難なく見つかった。そして太そうなところを持ってきた。しかし日本の葦は太さは手ごろであっても手で折って持ち帰ることができるくらいだったのでアラビア書道に使うには明らかに弱すぎる。 この葦を加工しながら思った。 これでも粘土板ならいけるかもしれない・・・と。 忙しいのに何をやっているやら。しかし思い立つととまらない。粘土を用意してみた。 葦はミニのこぎりで切り口をキレイに揃えた。更に縦に半分に割る。これで出来上がり。 3.楔形文字を書こう! ![]() 用意した粘土板と自作葦ペン はじめて世界の歴史を学んだころ、こんな面倒な楔形を何故わざわざ使うのか疑問を持ったものだ。こんな三角形のクサビの大きいのや小さいのを縦・横・斜めに書くなんていうのは普通のペンで写してみた時は何て面倒な字だとあきれた。何もクサビ形になんかしないでヒエログリフのように絵にしたほうがいいのにと思っていた。 ![]() しかし、なかなかの書き心地だ。 葦ペンでは押し当てるだけなので書きやすいし、きりっとした文字跡を残すことができる。 *絵文字のほうはどうか実験してみた。 ![]() ヒエログリフで王の名を書いてみた。 粘土というものは棒で書くようにすると粘土の引きつれが盛り上がり汚いし読みにくい。つまり絵文字はぐちゃぐちゃになってしまうことになる。 ◎その土地の材料が文字の形もつくっていったのだろうということがよくわかった。 ↓これは完成版 ![]() 上の段は、ダレイウス(ダリウス、アケメネス朝のペルセポリスを作った大王の名) 楔形文字は最初はシュメール人によって発明された文字である。アッカド、バビロニア、エラム、ヒッタイト、アッシリアでもそれぞれの言葉を表すのに3000年以上にわたって使われ続けた。もじは民族によって時代によって変化している。これは紀元前6世紀の楔形文字で表音文字なので比較的書くのが簡単。 下の段は、紀元前14世紀のウガリットの文字で書いた自分のサイン。 メソポタミアな時間を過ごしてみた。 粘土のうえをわたる風は、日本の風だろうか、メソポタミアの風だろうか・・・。
by miriyun
| 2008-05-24 12:24
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Comments(6)
miriyunさんの研究熱心な眼差しに脱帽です><すごい!
文字が出来上がるのもその土地ならでわのものがあるのですね。
1
Azukiさん、筆記のための道具と文字の関係がとても気になっていたので、葦を取ってきたのをきっかけに一気にやってしまいました。
やはりその土地の道具に文字の形が影響されていることが、この手を通してわかりました。逆に楔形文字は粘土板以外では絶対に発達しない文字ともいえますね。
今回も感心しました。楔形文字ってこういうふうに書くんですね!
そして、「その土地の材料が文字の形もつくっていった」という点。なるほどお、、こういうことって、いろんな面でありますよね。陶器の色も、好みもあるんですが、焼成温度や釉薬によるものが大きかったり、、 美への感性を考えるとき、(これを忘れがちな私ですが)風土を原点とすることが必要だと思いました。
Orientさん、建築・絵画・工芸それにもちろん衣食もそれぞれ風土が関係して独自のものが出来上がってきていますね。
そんなことの一つ一つに気付くほどに、愛着も湧いてくるような気がします。 |
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