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2008年 04月 27日

『青の波動』 Blue Translucent Waves…アラビア書道作品

A Gallery of Arabic Calligraphic Works of Fuad Kouichi Honda
   ≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集
『青の波動』 Blue Translucent Waves…アラビア書道作品_c0067690_7494487.jpg


Web作品No.16 
 『青の波動』  Blue Translucent Waves 
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・内容:『コーラン』 「蜘蛛の章」41節ー69節
 Holy Qur'an, Surah al-Ankabut(The Spider)41-69
 
『コーラン』の章句は右上部からはじまり、下に降り、次に波形にしたがい上へと進む。

・書体:ジャリー・ディーワーニー体
・大きさ:縦163cm×横110cm 
・制作年:2012年
・材質/技法:(文字)レタリングゾル、(彩色)アクリル絵具
・所蔵:イスラムアート美術館蔵 /マレーシア
・撮影:M. Kobayashi
* (転載等は固くお断りします)   
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 『青の波動』について・・・・・・≪私的鑑賞ノート≫
この作品の魅力は、波動をあらわすラインにある。
           それに加えて、うねる波のごときエネルギーにある。

 「アッラーをさしおいて他の主人をこしらえたりする者は、譬えば自分の家を作り出す蜘蛛のようなもの。世に蜘蛛の家ほど危ういものはない。」(『コーラン』井筒俊彦 岩波文庫より引用)
 ここから始まり、、あやうい者たちへの警告だろうか、天と地をつくりたもうたことをくりかえし思い出させ、啓典を読み礼拝をすること、論争するときは立派な態度でのぞめ、と・・・。そして迷うものに対してゆるやかながらぐいぐい引っ張っていく言葉が続く。そして最後は、
「彼らのために奮闘する人々は、我ら自らその手を引いて正しい道を歩ませようぞ。アッラーは常に善良な人々とともにいます。」(同上記より引用) 
 
 これらの言葉が、うねり、次々と重なり、最後は穏やかに終結する、そんな雰囲気をそのまま持っているように感じられる。(注:なお、個人としての作品の味わい方の一端を紹介したものでコーランの解釈に言及するものではありません。) 

 また、このジャリーディーワーニーは密に文字と装飾点を置く書体であるだけにこれだけの長い内容を書くと調和と繊細さを失ってしまいかねない。それを調和させているのが、行間の優美で力のあるラインであろう。

 なお、この作品は波動の中にいくつものヌーンやシィーンなどふっくらと広がったつぼ型の文字が幾重にも連なるようにデザインされており、
 それがまた心地よい波動となって心の内におしよせてくるのだ。
 
 そして、右上の何もない空間があることこそが日本の感覚であり、ここでも薄紫の何もない空間が濃密な文字群をいっそう引き立てている。
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by miriyun | 2008-04-27 18:21 | Fuad Kouichi Honda | Comments(4)
Commented by Azuki at 2008-04-27 21:45
見た瞬間に波が押し寄せてくるような、でもそれは激しいようであり滑らかであるようで素敵です!
ゆらゆら揺らめいているようなそんな気分にさせられますね。すごいと思います。赤の砂漠、楽しみにしています^^
Commented by ぺいとん at 2008-04-27 23:20
この波の一つに、いえいえ文字の一つ、いやいやシャクルの端にしがみ付いてでも乗せて行っていただきたいです。  
一番好きな章で一番好きな節のある箇所です。どの辺りに描いてあるのかいつか読めたらいいな、そう思っています。 

『青の波動』と『赤の砂漠』、先に出るのはどちらかなと思っていました。楽しみにしています。 

Commented by miriyun at 2008-04-29 07:43
Azukiさん、波動を感じてくださってありがとうございます。テーマに合わせての表現が生きていますよね。
 アラビア書道に興味を持っていただけて嬉しいです。
Commented by miriyun at 2008-04-29 07:55
Web作品展も作品集のほうもご覧いただいて鑑賞してくださっているぺいとんさん、すっかりアラビア書道鑑賞の通(つう)ですね♪
 波間にたゆとうお姿が見えるようです。これからもたぐいまれな感性で感じとっていってください。
 


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