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2008年 04月 21日

4000年の時を超えて

 これまで多くの工芸品・芸術品を見てきたが、ほんとうに良いものはこころをとらえてはなさない。

4000年の時を超えて_c0067690_78569.jpg

 この透かし細工の冠は、特に心を捉えた。

 紋様は格子のなかにX字型に点描で簡素である。
      しかし、美しい。
           金という素材を、過多な装飾でにごらせないデザインだ。

何とこれはB.C.2300年、すなわち。4300年目のアナトリアのものである。

 優れたものは、時を越えて、人の心をつかむ。

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by miriyun | 2008-04-21 07:18 | Comments(6)
Commented by ぺいとん at 2008-04-22 06:14 x
スッキリしていて品のあるすてきなデザインですね~。 緑の黒髪にさぞ映えたことでしょう。 
特に心を捉えた>miriyunさんが4300年前にご愛用だったのではないでしょうか。
 
Commented by miriyun at 2008-04-22 06:58
ぺいとんさん、これはそう、私が4300年前に・・・、
といってみたくなる美しさなんですよ。透かし彫りの中でもずっと残る作品です。古くても、デザインはふるくないですね~。
 似合わなくてもかぶってみたい!です。
Commented by kiwidinok at 2008-04-22 12:02
透かし模様の一つ一つを見ると均一ではなく、始めは完璧な模様だったのが、長い年月を経るうちに、柔らかな金に施された細かな細工ゆえに歪んでしまったのかなと思いましたが、それにしても、手で丁寧に丁寧に細工をしていったというのがわかる、見事な作品です。しかも、当時は照明も充分とは言えず、使える道具も限られていたでしょうに、一つ一つのドットもバランスが保たれており、素晴らしい技術だと感心しました。

非の打ち所もないほど完璧な形を求めるのなら、機械で大量生産されたもので充分ですが、このように温かさと同時に重厚さを伝えられるものとなると、やはり手作りに敵う物はないと思いますね。
また、背景の色が金によく合っていて、豪華でありながら嫌みのない組み合わせ。今回もいい勉強になりました。Gracias!
Commented by さらさ at 2008-04-23 15:41 x
本当に素敵!
4300年前の工芸品とは思えない洗練されたデザインの冠ですね。
以前の記事にあった香炉の時も思いましたが、モダンな感じさえします。
冠として王妃などがつけた時には高貴な雰囲気が漂いそうですね。
当時のアナトリアの暮らしや文化にも興味が湧いてきます。

Commented by miriyun at 2008-04-23 21:53
kiwidinokさん、4300年前に金を扱うことも、このように細工することも困難は多いでしょうが、その技術とこのデザイン性とを併せ持つ古代の職人すごいものですね。
 そして不思議です、なぜか機械生産より手作りのほうが味わいがある。何故なのでしょう。均一すぎるものよりびみょうな光具合になり、それを美しく感ずるのかもしれませんね。
Commented by miriyun at 2008-04-23 22:00
さらささん、アナトリアは金属加工が優れていますね。青銅器・金、そして鉄器でも有名なところです。
 この地で4300年前の冠にこれほど心がとらわれるとは自分でも思っていませんでした。工芸品には、時々そうやってドキドキッとすることがあります。


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