写真でイスラーム  

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2008年 03月 07日

アラビア書道「星」…ベドウィンとの星月夜の話(2)

 ベドウィン・ムハンマドは笑わない。
朴訥としていて、するべき仕事はきっちりやるが客にたいして愛想笑いすることもない。
それでもフランス語ばかりのベルベル・ムハンマドよりはベドウィン・ムハンマドのほうがアラビア語で最小限度の受け答えはするのでわかりやすい。(なお、どちらのムハンマドも英語は数字もわからない)

☆☆砂丘の上で星を見る。

 月が出ていたので星空に期待していなかったが、その月がだんだんと下って見えなくなってくるとまたまた星の世界が頭上に広がる。風がほんの少し出てきたからであろう、クサールギレンのような地平線までぎっしり星が見えるまでは至らない。しかし頭上は天の川であり、無数の星が砂漠の中で瞬く。

満天の星がすごいので、ベドウィン・ムハンマドに話しかけた。

「日本では、
星はイシュリーン(20)かサラーシィーン(30)しか見えない

といったら、

 「星はミリオーン(100万)もあるというのに・・・・」 

といって彼は珍しく声を出して笑った。

 このときのベドウィンの不思議そうな顔と静かな笑い、そして100万と言った声がいつまでも心に残った。ムハンマドは英語は知らないので、これがアラビア語のマルユーンだったのかもしれないしフランス語のミリオンだったのかもしれない。
    ☆~~~☆~~~☆
 私はこのことばが旅先で最も残ったことばとして自分のWeb上の名前にしていったのである。すなわち、miriyun(アラビックとの混成語にした)である。この名を打ち込むたびに、心には100万の星がまたたくのだ。



☆ そして、これまたレンズにはおさめきれない星空を見ながら、この空を砂漠をいつか作品ににあらわそうと心に決めた。

 そして、帰国後・・・、 
アラビア書道「星」…ベドウィンとの星月夜の話(2)_c0067690_513890.jpg
『 星 』(2008年作品)

   

カメラに収められなかった心のイメージを自分らしく投影してみたのだった。

                                       
                                                    
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by miriyun | 2008-03-07 05:02 | 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) | Comments(14)
Commented at 2008-03-07 08:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by orientlibrary at 2008-03-07 12:50
わああ、、お名前の由来、そうだったんですか、、

この絵、、ささやかで仄かに明るいテントと静かにたたずむラクダ、パウダーのような星空、大いなる大いなる天空、、、

何度も見たくなる予感がします。
Commented by けんた at 2008-03-07 15:24
星はミリユーンもあるというのに・・・、人生の応援歌にもなりそうな言葉ですね。
こういう情景に触れたくてまたどこかへ旅に行きたくなるのかもしれません。
井筒俊彦氏の本に、よくベドウィンという単語が出てきて、彼らが
どんな生活をしているか、どんな精神世界を持っているかがわかったら、
もっとよくイスラム教の事がわかるような気がしています。
僕も満天の星空を見てみたくなりました。
Commented by horaice at 2008-03-07 20:17
そうだったんですね、お名前の由来。
名前とは、そのものを1つの枠に納めてしまうもののように思っていたのですが、
その名に込められた意味やストーリーを知ると、
そこ広がる世界があるものなのですね。
今日のお話、こころに響き、こちらにも夜空が見えてきました☆
Commented by Azuki at 2008-03-07 21:47
素敵な思い出ですね´ー`。)いつかお名前の由来を聞こうと思ってましたが、こんなに早くわかってしかもこんな素敵なお話でそして写真かと思ったら絵で、もうダブルで100万の星の中で揺らめいている気分です。
私もいつの日かこういう出会いをしたいです。
Commented by Anny at 2008-03-08 01:42
なんだかとってもロマンティックなお話ですね。そして素敵な作品、満天の星が降ってきそうです。
Commented by yokocan21 at 2008-03-08 04:23
わぁ~、そういういわれがあったんですね!砂漠の天に広がる無限の星、まさしくmiriyunさんのイメージです。以前、お嬢さんの絵と共に紹介してくださった満天の星空と、このカリグラフィーの天の川の絵、見たことのない砂漠の星空の想像力をかき立てられます。バックの茶色がかったチャコールグレーが何とも上品で素敵です☆
Commented by miriyun at 2008-03-08 16:50
鍵コメ様、心のこもったステキな言葉でのコメントをありがとうございます。繊細な心のドレープの中に人のことまで喜んで受け入れ包み込んでくださる・・そう感じています。
 特別なお話というほどではないんですがこんなに喜んでいただいて、こちらこそ感激です。
Commented by miriyun at 2008-03-08 17:04
Orientさん大いなる天空・・・そう感じていただいたとのこと、とてもうれしいです。そして、さすがにテントにラクダ、細かくよく見てくださいました。二つの砂漠のイメージを重ねたものですが、カメラでとらえられなかったものを必ず表現しようという強い思いがあったからこんなに星が描けたのだと思います’(笑)。
Commented by miriyun at 2008-03-08 17:45
けんたさん、コメントありがとうございます。
 このような空のもとに存在する――そう考えただけで、これまでとは異なったものの見方ができるようになったりします。こういうところで暮らしていたベドウィンが国の定住促進政策で町に住まわされ、病気になると砂漠に行くそうです。その気持ちがとてもわかるんです。
Commented by miriyun at 2008-03-08 17:54
horaiceさん、じっくり読んでいただいて名前からストーリーまで感じとってくださってありがとうございます。
 「夜空が見えてきました」とのこと、とてもうれしいです。こうして拙い文であっても、書くことでその情景が人に伝わるって何てステキなことだろうってつくづく感じています。
Commented by miriyun at 2008-03-08 18:19
Azukiさん、すてきなコメントをありがとうございます。 「もうダブルで100万の星の中で揺らめいている気分です」・・・こんなふうに感じていただいて、すごくうれしいです。こういう励ましがあるからこそ、続けていかれると感じています。写真と書道と言葉で足りないところを補い合いながら続けていこうと思います。
Commented by miriyun at 2008-03-08 18:23
Annyさん、作品についてコメントいただきありがとうございます。写真でいつも何かを表現したいと思っていても限界があります。それをこの作品で表現でき、また、こうして降るような星と、情景を共有していただくことができてとてもうれしいです。
Commented by miriyun at 2008-03-08 18:41
yokocanさん、名前のいわれとカリグラフィーも見ていただきありがとうございます。輝く天の川は本当に光の帯のようでここに文字を載せたいと、砂漠の中で思っていました。
 表現するものって、人に感じとっていただいて初めて作品といえます。そういう意味で初めて作品にしていただいたという気がします。ありがとうございます


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