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2008年 02月 03日
スレイマン1世は10代目スルタンにして、前スルタンのセリム1世が平らげた領土を相次ぐ遠征でさらに拡大していた。1550年、ハンガリーでの遠征から帰るとすぐにスィナンに建造を命じた。壮麗王といわれるスルタンはこのジャーミィ建築にひとかたならぬ意欲と望みを持ち、これまでにないものをと求め、建築現場にもたびたびやってきたという。 ![]() この当時、最高のジャーミィはビザンチンの教会をジャーミィに転用したアヤ・ソフィアであり、当時の建築家もスルタンもその1000年も昔の奇跡の建築を見ながら育っている。 とくにオスマンを世界1の帝国とし、ヨーロッパ各国からおそれられながら、いまだアヤ・ソフィアを越える建築物をつくることができず、スルタン自身アヤ・ソフィアで礼拝をしていることに違和感を感じていたに違いない。ましてや、カーヌーニと称され、法の整備においても文化的にも、さらに富において負けることのない国を作りながら、歯がゆい思いであっただろう。 スィナンはこのときまだアヤソフィアを超えるドームをのせるのは不可能としそのほかの部分で優れた建築とする。ここではそのミマール・スィナンならではのところに注目してスレイマニエ・ジャーミィを見ていこう。 ◎外観・・・塔とバルコニー スィナンは、建築家であるので数字を大切にする。実はイスラームの建築はそのほかの建築以上に数学・図形学と関係する。建築の計算だけでなく装飾アラベスクが装飾そのものであるのだ。 スレイマンのジャーミィをつくるにあたり、4本の塔を考えた。スレイマンはファーティフ・メフメットがコンスタンティノープルを陥落させてからイスタンブールを都とし、そこから4代目にあたる。最初にこの意味があって4本にしたのか、形状的に4本が美しいと決めてからそうする理由を決めたかはわからない。しかし、そうだといわれればなるほどと納得してしまう。 ![]() しかし、このように数字にこだわるなら、スレイマニエの第10代スルタンという点を忘れてはならない。これをスィナンは4本のミナーレ(塔)のバルコニーに現した。2本のミナーレに各2のバルコニーをつけ、他の2本には各3のバルコニーをつけた。合計10のバルコニーをつけたのだ。これでしっかりとスレイマン大帝の10代であることを意義付けている。ただし、これは4本のミナーレのデザインの統一感・美しさを損なうことになる。 しかし、スィナンは4本の塔を一般のジャーミィーのように同じ高さにしなかった。丘の上に立つスレイマニエジャーミィはドームに近いほうが高くバルコニーが多い。 そしてドームから遠いほうのミナーレは低くしてある。まるで丘の稜線に平行になるように低くしているかのようだ。 丘の上のジャーミィがたぐいまれな美しさをめでられているのはこの4本の塔の高さと抜群の配置がとても優美だからだと思う。 自分もイェニジャーミー前の雨にぬれる広場で、 あるいはガラタ橋の上から夕焼けと共に、 時に連絡船の上から ため息をつきながらその姿を見つめたのだった。 ポチッと応援よろしくお願いします
by miriyun
| 2008-02-03 19:11
| トルコ
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Comments(6)
はじめまして。
ブログ応援サイトのファイブスタイルです。 ブログの記事、拝見させていただきました。 当ファイブスタイルでは、5つのスタイルの カテゴリからブログをご紹介出来ればと考え、 担当者の私が1つずつ訪問しご紹介させて いただいております。 今回、会員様が自由にお知らせや告知 などを掲載できる5infoというページを開始 しました!会員様専用メールやbbsをご用意して いますので是非ご利用してみてくださいね。 是非、訪問していただければと思います。 詳しい説明はこちら⇒ http://www.fivestyle.biz/info/guidance 最後になりましたが、不快に思われた方、および 既にご案内を受けた方にはお詫び申し上げます。 ファイブスタイル http://www.fivestyle.biz
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ジャーミーだけ空間が違うように感じます。その存在感がもう、ドーンって感じで。素敵ですねぇ。塔の微妙な位置関係、高さも惹かれる要素ですよねぇ。
kitajimaさん、お誘いいただいてありがとうございます。見てみましたが、内容的に5つのスタイルのどこにもあてはまらないようなので、今回は遠慮させていただきます。あしからず・・・。
Azukiさん、高台のあちこちを見渡せるところにある素晴らしいモスクです。また、夕景・夜景の姿もとてもきれいです。
この塔の並びは本当に大事です。これのおかげで誘拐も優美なのだと思います。
イスタンブールのオスマン朝時代のジャーミで一番好きです。なるほど~、あのミナレットの配置って計算し尽くされたものだったんですね。道理でどこから見ても美しいわけです!
スィナン設計のジャーミの中では、エディルネのセリミイェ・ジャーミィが最高傑作だとか言われていますけど、私はあれはダメなんですよね。どうもコガネムシにしか見えなくて、威圧感ばかりが全面に出ていて。 でも、スレイマニエ・ジャーミィには威圧感はなくって、周りの街の喧騒に自然と溶け込んでいる感じがして、いつ訪れても心地よい空間です。
yokocanさん、丘の上のスレイマニエ、スィナンは明らかに陸の形を意識していますね。さすがに建築家、どう見えるかを計算しつくしています。遠景の美しいNo,1ジャーミィだと思います。
エディルネはまだ見ていないので、次回こそと思っています。 |
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