写真でイスラーム  

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2008年 01月 15日

ブドウ文様1…エジプトとシドンのテーマ

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葡萄は日本の山葡萄のような野生種も
含めればさまざまあるが、人が意図的に
栽培した葡萄はいつごろからあるのだろうか。



 ★葡萄文様から探る。






1.エジプト

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                              (現地購入の絵葉書より引用)
 まずは、文様ではないが、エジプトらしい写実的な絵から。これは紀元前1500年前後のエジプト第18王朝時代のナクトの墳墓内の壁画である。
 エジプトらしいのはブドウの本来の向きなど関係なく何しろ横からの描写を行い、収穫というこの目的に関係しない葉やツルはできうる限り省略し、目的に合わせて必要なところだけを明確に表現している。ここでは収穫とぶどう酒作りがテーマであるからブドウの実だけが強調されていることになる。
 エジプト人がワラカイナブやヤプラック・ドルマスを中心に食する人たちであったなら彼らはきっと葉をもっとくっきりと描写したに違いない。

 さて、これにより葡萄がぶどう棚状に意図的に栽培されていたこと、それを足で踏んでぶどう酒を造っていることまで明らかになる。新王国時代の農民と農作物の扱いがよくわかるありがたい絵がこの墳墓にはたくさんある。
 
 エジプトの絵は必要なこと以外はそぎとって、きっちり表現したいことだけを誰にもわかるように表現する。情報伝達の『 技あり!』の絵だといつも感嘆している。

2.シドン
ブドウ文様1…エジプトとシドンのテーマ_c0067690_2345560.jpg

 次に、こちらはブドウの葉だけを連続文様としてレリーフしている。これはアレクサンダーの石棺と呼ばれるシドンの王家の棺の周辺装飾の一部である。
 このように装飾としてのブドウはその特徴的な葉を飾りとして見立て連続模様として棺を一周する装飾としている。同時代の他の棺には、ブドウの実が入っているものもあるが、ブドウの実に注目しているわけでなく、あくまでも連続する文様としてのブドウつる草が表現されているのだ。

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by miriyun | 2008-01-15 23:58 | 文様の伝播 | Comments(0)


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