写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 01月 04日

東京ジャーミイの雲文様

 日本の中で見られるイスラーム工芸はなんといっても東京ジャーミィ。何度訪れても新しい発見があるところがたまらない。
 PC不調につき、整理中の写真が多いので、しばらくぶりに東京ジャーミィ特集を再開。

東京ジャーミィの工芸
東京ジャーミイの雲文様_c0067690_14404459.jpg

 礼拝堂入口すぐの天井装飾がなんともまあ素晴らしい。どうしていままで気付かなかったのだろう。入って正面に見えるミフラーブやドームに圧倒されるので、すぐ上の天井に気付きにくいのかもしれない。
 そうなのだ。イスラームの建築というのは壁だけ見慣れている日本人にとってまず天井に圧倒される。それに梁、窓、床、照明すべてにわたって装飾対象になるのだから、同じ広さの部屋を見ても見るべき対象が多すぎて時間が足りないことが多いのだ。
  
 さて、この装飾天井、小さいがなかなか凝っている。
ぐうっとせまってみよう。
東京ジャーミイの雲文様_c0067690_1442098.jpg


 ここには、トルコに入ってきた多彩な文様の歴史が見える。雲文様は中国からの文様を自分の国のもののように完全に使いこなしている。そして、正面向きの得意の花模様の間に明らかにペルシアの香りのする花文様、これらの文様は東西に陶磁器やタイルなどにつかわれ、互いに影響しあってきた模様なのだ。これらをすべて組み入れ華麗に飾っていったのがトルコの特色だろう。

 雲文様
 これは確かに中国発祥の文様で、中国においても古代から、漢の時代、唐の時代、元の時代と様々な形の雲が描かれ続けてきた。
 雲にはどのようなものがあるか、ちょっとイメージしてみよう。

 *湧き出る雲、なびく雲、風雲急を告げるという語句を使いたくなる刻々と変化し天候を変化させていく雲、吉事をもたらす彩雲、空が遊んでいるかのようなウロコ雲など・・・、
 雲が発生しやすく雨風・台風・吉兆などすべてをもたらす雲を日本を含めて東アジアではいやでも意識してしまう。だから、模様に描く人のイメージでいろいろな雲型が考案されたし、また、変化していく雲は左右の一方に厚みのある動きのある姿として表されることが多い。

 ところが、同じ雲とはいえ、全体に降水量が少なめで大きな雲の形の変化を見せない中近東では、くもの形に変化も躍動感も必要なかったと見える。
 ただ模様の間の空間を許せないデザイナーにとって、空間を程よく埋めるのに都合のよいものとしてつかわれたようだ。したがって、変化する、走る雲といった片方に重心のある雲は使われなくなり、下の東京ジャーミィのドーム下部に見える雲文様のように、すっかり左右対称のリボン模様になってしまったのである。
東京ジャーミイの雲文様_c0067690_15224082.jpg

                ↑ドームの窓の上の雲文様
 しかも、ご丁寧にこの雲リボンにはところどころをさらにリボンで結わいている。とても動きのある雲のイメージではない。

 トルコでいろいろ見比べてきたら、これまで見れなかったものを新鮮な気持ちで眺められた。
                           ポチッと応援よろしくおねがいします

by miriyun | 2008-01-04 15:39 | 東京ジャーミー(工芸) | Comments(0)


<< メブラーナ・ジェラレッディン・...      視界の話 >>