写真でイスラーム  

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2007年 09月 16日

比べてみよう地図の文字

 昨日のNHKの番組の中で本田氏が書家の書くアラビア手書き文字に感じ入ってこの道に入ったという話が出た。
 それにちょっと関連して、地図の話。

1.オヤッ!?比べてみよう地図の文字_c0067690_16292821.jpg
 先日サウジアラビア大使館からいただいた地図は英語表記だった。アラビア文字表記を期待していたのでちょっと残念だったが、よくみたらオヤオヤッと思った。
 それは≪文字と文字の間≫であった。
楕円で囲んだ文字が右上から,
Kingdom of Saudi Arabia(サウジアラビア王国)
及び  
red sea(紅海)
なのだが、その文字間隔が妙にあきすぎているのだ。今、楕円で囲んでいるためにつなげて読みやすいが、それがなければ離れた文字同士をつないでいくのはたいへん見にくい。 

*もちろん、調べてみたらサウジでもラテン文字をもっと密に書いたものもある。横書きにして普通の文字間隔のものもあった。どこの国でも用途に応じていろいろな表記の地図があるものだ。何が正しいとかいう話ではなく、単なる「オヤッ!?」からはじまった話として読んでいただきたい。

2.アラビア文字表記の地図
 アラビア文字の手書きの地図をぜひ見てみたかったが手に入らない。そこでシリアの本屋で見つけたかなり色が派手な地図で確認してみよう。
比べてみよう地図の文字_c0067690_16291796.jpg

 確かに、左にある紅海は 長~くのびた線によってまとまりのある言葉となっている。また、中央部に南北に大きく現されたのは
サウジアラビア王国(右からアル・マムラカ・ル・アラビーヤ・アッサウーディーヤ).

 (これを手書きで墨と筆の切れ味の良い手書きの文字を入れたなら本当にきれいだろう。)

 ところで、この長~くのびた文字の長さをみてもらおう。その表す領域にあわせて思いっきり伸ばした線が心地よい。また、それが目印ともなり見やすい。

 ☆実はこの向きと長さ、最初のサウジの英文字地図と同じだ。
なじみあるアラビア語地図で長く延ばした地名を見てきた習慣から、英文字地図でも同じように地名を入れさせたのでは?その結果があの妙にすきまを空けた文字間隔だったではないか。地図を並べてみながらそう思えてならなかった。
 アラビア文字の地図用文字の習慣が残ったものと思うと、この単語と単語の間隔もほほえましくみえてくる。
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by miriyun | 2007-09-16 17:12 | 数字・文字 | Comments(2)
Commented by orientlibrary at 2007-09-16 23:11
以前書いたかも知れませんが、(挫折して久しい)アラビア語に惹かれたのは、パレスチナの地図を見たとき。アラビア語で書かれた村々の名前から村の匂いが立ち上がってくるような気がしました。
こちらのカリグラフィーにも影響を受けました。読めないとあきらめていたのですが、メジャーなものは何となく判別できるときもあります。
書いてある文字で、地図が違うものに見えてくる、、個別の文字、、言語と同じくらいに大事なものかもしれませんね。
Commented by miriyun at 2007-09-17 20:33
固有の文字があること、それを使って表現できること、当たり前だと思ってしまうけれど大事なことなんですよね。
 たくさんのパレスチナの村々は家に鍵を閉めて一時退去したに過ぎないというのに、その存在を認められなくなってしまいました。そのことがあるためか、パレスチナの村の名前は60年にわたる人々の思いが文字の底流にあるように思えてならないのです。


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