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2007年 07月 29日

ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)

 そもそもライオンのたてがみってどうなっているのか・・・気になっていた。
ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)_c0067690_955331.jpg
ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)_c0067690_963569.jpg

                
 なぜならサマルカンドのシールダールのライオンが頭の後ろだけに巻き毛の鬣が描かれていたからだ。
ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)_c0067690_9553573.jpg


 しかし、ペルシアのミニアチュールで同じたてがみを見つけた。

ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)_c0067690_904237.jpg

                     ↑「The Shanameh of Ferdosi」 1991より引用
 ペルシアのシャーナーメ「王書」の中の一節。
 Yazdgerd王がなくなった後、ペルシアの王冠をかけて二人のペルシアの王子BahramとKhosroが二頭のライオンと戦うことで争った。Bahramが牛の頭の形の鉄槌でライオンを倒し、王冠を手に入れたというお話であった。
 中央の玉座の上にあるのが王冠。ライオンは一頭ずつロープでつながれているので、いっぺんに2頭が王子を襲うことはない。重臣たちはあれやこれやといいながら隣と話し、次の王について意見を交わしている。
ミニアチュールに見るライオン…ライオン紀行(20)_c0067690_905824.jpg

 そのうちの1頭をさらに拡大!
顔の特色、尾の細長く先端がやや丸みを帯びるところ、ネコ科の脚、ここまで自然体のライオン像なのだが、たてがみはサマルカンドでオヤッと思った後ろたてがみだけになっているのだ。

 なぜ、実際にライオンのいたペルシアでこのような図になるのか、資料が見つかったら尚更謎が深まった感がある。なお、他のページのライオン狩りも同じようなたてがみであった。

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by miriyun | 2007-07-29 09:33 | 文様の伝播 | Comments(4)
Commented by Azuki at 2007-07-30 00:08
ライオン紀行読みました~
なんだか私もライオン気になってきました。中国からと思ってしまうけど、そうではないですね~逆なのでしょうか?そしてペルシアに本当にライオンはいたのか?とか思っちゃいます。ミニアチュールの人物画は顔がうすくて、いつも中国っぽいなぁと思うのですが。それぞれの芸術を進化させているのか・・・気になります(>。<)
Commented by peque-es at 2007-07-30 11:42
下の写真、獅子舞の獅子に顔が似てるような気がします。昔の日本人にとっては想像上の動物だったライオンですが、こういう描かれた獅子が伝わって、イメージを作ったのかもしれないですよね?
それにしても現存の(?)ライオンのたてがみは直毛のように見えるのに、巻き毛で、しかも後だけっていうのは気になりますね。絶滅してしまった種類とか、あるんでしょうかね?
それから巻き毛のタテガミっていうのから、なんか神社の狛犬のようなものを連想しちゃったんですが、関係なかったかしらん? 或いは沖縄の瓦に乗ってる(?)、何と言うんでしたっけ? あの置物…
Commented by miriyun at 2007-07-31 06:37
Azukiさん、ライオンそのものは西からなのですが、シルクロードの東西の問題、伝わった時代がいつかということ、海のシルクロードを通しての伝わり方も含めると複雑に行き来した上の伝わり方があると思います。
 今後またお伝えしていきますが、ペルシアには古代におけるシルクロード交易の時にわずかに、またイル=ハン国の時代にモンゴル・中国のものが大量に伝わっていると考えられます。実際に中国の龍のタイルなども多いです。だから、この絵などもペルセポリスを始め各地に残るライオンを書かずに中国風獅子をまねて描いたという推量することもできるのです。
 残念ながら、肝心の中国資料がないものでそこを飛ばして日本を見ることになりそうです。
Commented by miriyun at 2007-07-31 06:43
pequeさん、ほんとにドコからくるくる巻き毛かということも興味深いものです。この巻き毛と狛犬は関係あります。シーサーとの関係はライオン紀行の過去ログにも載せましたが、このライオン像伝播の一形態だと思います。
 このライオン紀行やるほどに、分からない点が出てきます。


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