2007年 06月 23日
レイクパレスの危機 ところが、 ここがTAJグループの経営であるということを忘れていた。タタの精神、このブログでテーマとして取り上げていながら、忘れていた。 なんと、この客も減り、苦しい状態の中で、レイクパレスはかってない大改装をしていた。外観を帰る塔やテラスなどは変えないが、歩く床の大理石模様をもっと大胆にし、ともすれば伝統はあるが暗い感じがした部屋をぐっと明度が高い部屋にしていた。 ↑左は、自分が撮ってきた写真。透かし彫りを通して庭からの光が入ってきて美しいので、このReading roomが好きだった。ただ、イスが古めかしくて座り心地がしっくり来ないと思っていた。そこの本来のアーチは変えず、床デザイン・テーブル・イスをすべて変えて明るくなっている。ただ、大理石の透かし彫りがなくなっているような・・・。それは残念! ↑以前に紹介した一般の部屋。やたらと広くてゆとりがあるがインテリアは地味だった。 ↑現在の部屋。やわらかなピンクで女性が喜びそうな内装。せっかく素晴らしい景色が消える窓辺もこのように外を見ることを意識した配置になっている。以前のエコノミーな部屋と現在のこのDeluxe roomと呼ばれる部屋が料金が一緒かどうかはわからないが、何しろ内装は大がかりに変えたことが明らかだ。 ↑クーシュマハルという部屋の入口。泊まってはいないが、こういう有名な部屋は、空いている時は見せてくれることが多い。 ↑上の写真が以前に見た配置。下は改装された現在の様子(改装後の様子はレイクパレスのHPより引用 ) 変わらないのは部屋に入ると中央にデーンと吊り下げられたブランコ。真鍮製のゾウの飾りがたくさんついた王侯貴族用ブランコ。インド人はブランコが好きなようで、ミニアチュールなどでもブランコが書かれているのを見たことがある。また、ガラスパネルが太陽光線を色の万華鏡に変えて、部屋全体を華やかに彩る。このブランコと光の色で有名な部屋であるので、それだけは変えず、そのほかのベッドやソファーなどを変えた。また、床の大きすぎる黒大理石の模様もうすい茶色で小さいパネルにしたために以前より広く見える効果もある。 この変化を見て改装のコンセプトは、もとからのよさは生かしながら、できる限り大胆に明るくつくるということなのだろうか。 ◆~・~・~・~・2階も見てみよう~・~・~・~・ 中央部Open to the Skyは、百合の池と庭園の上で吹き抜けになっているということだ。だからどちらを向いても風のそよぎを感じることができる。部屋の大きさ向きは様々ながらそれぞれに眺めはよい。とくにそれぞれの角にはスイートがあり、すべて異なるつくりである。 ↑たくさんあるスイートの中でSajjanと呼ばれる部屋の改装を見てみよう。上は改装前。1874-1884の間でマハラーナ Sajjanシンによって建設されたSajjan Niwasスイートはガラスモザイクの象眼・鏡張りのドアが伝統的重厚だが、重苦しい。 しかし、基調色をピンクとして変えたために明るい。 かたや、 ヒンズー教徒神クリシュナについて飾り付けをされたスイートの寝室はフレスコ画法を用いている。フレスコ画で部屋中囲まれている緑の寝室はイスラームではありえない。 なお、この部屋はジャグマンディル島をはるかに見下ろす位置にある。 ◆湖が枯れ、お客の来ない間に大改装。改装したからといって、乾季の水不足がどうなるかはまだわからない。しかし、だからといってこれほどの宮殿を、古めかしいままに朽ちさせていくことはない。 タタ(TAJグループの創業者)は逆境にあおうとも、タダではおきあがらない。そんな精神をかいま見るようだ。 ポチッとワンクリックお願いします。
by miriyun
| 2007-06-23 11:55
| インド
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Comments(8)
すっごい変わりようですね。前もいいけど、今もほんとかわいい。女性が喜びますね(^^)ドアの形も素敵♪大理石の透かし彫りは残したほうがよかった・・・・ほんと残念。
ブランコでぶ~らぶらしたいです♪
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miriyun at 2007-06-24 09:04
ブランコ・・・庭の隅にとかはよくあるけれど、部屋の真ん中で見たのは初めてのことでした。あんまりホテルにこだわるほうではなくて、親切でロケーションがよければいいというほうなんですが、ここだけは格別。もう一回いってみたいと思うようなホテルです。
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orientlibrary at 2007-06-24 10:11
レイクパレスで15回め、、深く掘っていくことで、発見があるんですね。要は切り口、視点、好奇心なんだなあと感心しています。スタンスが、勉強になります。
タタは、現代のインドの美のパトロンなのかもしれませんね。こういう人たちがいないと、つながっていきませんよね。日本でも高級旅館などでは、日本建築や美的センスの粋が見られるようなところもあるようです。写真でしか見たことないのですが。。
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ぺいとん
at 2007-06-24 11:49
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驚くほど明るくかわっていますね。
欧米の素敵なインテリア雑誌の中みたいです! 個人的には影のあるほうがアジアらしくて好みなのですが。影があってこそ光が輝きを増すというか・・・泊まれない身のヒガミです~! タタはタダのタタじゃない。見習うべき哲学ですね♪
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miriyun at 2007-06-24 14:05
Orientさん、インドとイスラームの影響しあった点、吸収したことなどたくさんあると思うのですが、ほんの一部しか手がかりがつかめません。レイクパレスもヒンディー建築とはいえ、影響もあったのだからと続けていたら長くなってしましました。
そろそろ別の地域に飛んでいこうかと準備します。
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miriyun at 2007-06-24 14:12
ぺいとんさん、確かにヨーロッパ化されたインテリアになってしまいました。心配しているのがどの部屋にもあったミニアチュールや透かし彫りは・それにミラーワークはちゃんとあるのかというところがしんぱいです。
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petapeta_adeliae at 2010-07-20 00:13
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miriyun at 2010-07-22 01:35
adeliaeさん、確かにかなりヨーロッパ風であるし、また女性向の改装ですね。でも、ここの窓から見える光景こそがこのパレス・ホテルの最高のもの。きっとこんなインテリアの中でもインド・マハラジャの暮らしぶりが想像できそうな感じです。
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