写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2007年 06月 23日

湖の枯渇に泣いた宮殿…レイクパレス(14)

 ピチョーラ湖はこの地に都を移したマハラーナ、ウダイ・スィン2世がつくった数多くの人造湖の一つである。もともとラジャスタンはインドの中でもパキスタンに近い西の地域であり、降水量が少ないことを為政者はどうするのかという対応をせまられる。
 その中で山に囲まれたウダイプールでは、山に降った雨も行って気も無駄にせず、湖へ呼び込み、湖は隣の湖とつながり水量を調節するようになっている。16世紀、水利の模範ともなるこの湖灌漑により、長く繁栄してきたのがウダイプールなのだ。
 
ピチョーラ湖が近年乾季に干上がるということがおきている。
その理由は、降水量が年間600~700mmであったのが、200~250mmに減ったことや、道路建設や森林伐採で山の保水力が低下したことによる。これによって、2005年にはもっとも深刻な水不足となり、さしものピチョーラ湖も完全に干上がった。 この渇水対策で州政府が新たに二つのダムを建築した。しかし、皮肉なことに2005年9~10月には大雨が降った。喜ばしいことであったはずが、下水道の汚水が住宅の排水溝に逆流するなどの被害が出た。2006.07.25の朝日新聞より一部抜粋して引用)
  
 慢性的な水量不足から地下水脈の枯渇や汚濁にもなった。だから、この時期にウダイプールを訪れた人は湖の中の白鳥のような宮殿ではなく、青い草の生えた中をてくてくと歩いてわたるしかないレイクパレスを見ることになった。 
 
湖の枯渇に泣いた宮殿…レイクパレス(14)_c0067690_1024247.jpg

上は、レイクパレスのある島とその上に建つ宮殿の様子(2002年度の部屋割り)だがである。島いっぱいに宮殿がきっちり建っていることがわかる。

 この時期、渇水と汚水・悪臭によって、湖の宮殿は悪評惨憺たる状態だったようで、ホテルとして立ち直れるのだろうか、あたらラージプートの名宮殿もこれまでかと内心、とても心配していた。(2007年6月現在、水はある)

  興味を持たれたらポチッとワンクリックお願いします。  

by miriyun | 2007-06-23 11:20 | インド | Comments(0)


<< 軽やかに華麗に復活…レイクパレ...      兄と妹 >>