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2007年 06月 07日

写実性に優れたアッシリア・・・ライオン紀行(9)

 ライオンだけを取り上げて見てきたが、。メソポタミアでどうしても語らずにおくわけにはいかない芸術がある。
 それはアッシリアの残した芸術である。これを紹介せずして、どうしてライオンも西アジア芸術も語ったといえようか。

 何か機会があった人でなければ接することのないアッシリア帝国。B.C.1500頃から栄え、また滅んだこともあったが、B.C.10世紀からの新アッシリアは様子がかなりわかってきている。この帝国の黄金時代はアッシュールバニパル王(B.C.668~631頃)の治世である。この王が立てさせたニネヴェの宮殿には古代文明の中でも卓越したレリーフが美術史を彩る。

 
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  ↑王によるライオン狩り(以下、3点大英博物館「アッシリア大文明展」図録より引用)
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    ↑瀕死のライオン
                
 そのリアリティ、写実性、動物の躍動感、筋肉に力の入る様子に圧倒される。これはほんの一部であり、膨大な歴史・記録が発掘されている。いずれおとらぬ傑作と思っている。

 それらのレリーフのなかでも個人的にとくに素晴らしいと思うライオン像は下の庭園の雌ライオンである。
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 捕まったライオンがでしゃがんでいる。ここにいる間だけの王宮のブドウややしの実がたわわに実っている。その間でつかの間の安息の日を送っているメスライオン像なのだが、そのなだらかな体を現す柔らかなレリーフは現代でもなかなかできないのではないだろうか。

 これが日本で言うなら縄文時代のことであるのだから、そのレリーフの高度さに圧倒されてしまうばかりである。また、王が狩りをするだけでなく、ライオンを飼っていたために著しい写実性を持った絵が描けたのだろう。

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by miriyun | 2007-06-07 22:46 | 文様の伝播 | Comments(0)


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