2007年 05月 15日
◆ インド・イスラーム建築のモスクのところに遠足できていたとっても元気な子どもたちに出会った。 ![]() 頭にターバンを巻いている。のみならず、お団子のように飛び出したところがある。これはシク教徒の子どもたちだ。なぜなら、シク教では一生涯にわたって髪の毛を切らない。だから男の子たちもある程度まげの出来るほど髪がのびている。そのお団子がこれなのだ。大人になると長い髪を巻きつけターバンを巻くからターバンも大きく立派になってくるのだ。女子ももちろん髪は長いまま伸ばしている。 ◆ インドの宗教 インドにおける各宗教の割合は、 ヒンドゥー教徒80.5%、イスラム教徒13.4%、キリスト教徒2.33%、シク教徒1.84%、仏教徒0.76%、ジャイナ教徒0.40%、などである。 これをみて誰もが納得するのはヒンドゥー教が多いという点だ。インド=ヒンドゥー教徒という概念が出来上がっている。 しかしよく考えてみると、今のインドは人口がすでに11億人を超えている。その中でイスラームの13.4パーセントは決して少なくない。 ☆世界でイスラム教徒が多い国はどこなのか。 実は、1位 インドネシア 2位 パキスタン 3位 インド・・・・・・・・・・・・・・・1億4000万人超 こうして、割合の世界では少なく見える数字も実数でみると決して影響は少ないなどとはいっていられない数値であることに気付く。はじめの写真で説明したシク教徒にしても、たった1.84%とはいえ、ゆうに2000万人を超えているのだ。 ◆イスラームとインド それまでもアフガニスタン方面を本拠地としたイスラム国家は出現していたが、インドにイスラームが根付くのはムガル帝国からである。 しかし懸命なアクバル大帝は、イスラームの強制はしなかった。そして、宗教家を招いて各宗教の要諦を自ら聞いていった。抵抗の強いラージプート族の娘と結婚したためにムガルの支配者にはラージプートの血統も混ざることになる。微妙に格宗教の固さをほぐしていく。ペルシア文化を受け入れ、民衆のヒンドゥー信仰も尊重する。 文化もインドではペルシア風の文化が華やかになると同時にそれはヒンドゥーのマハラジャたちのほうにも影響を与え、ヒンドゥーの建築もまたムガルのイスラーム建築に影響を与えもした。 こうして、インドでは他の宗教・国を包括した文化が栄え、、それでいてそれぞれの固有性も失われないというほかの地域ではあまり見られない多様性のある発展の仕方をしたのだ。 ☆ インドは広く、宗教の幅も広く混沌としている。仏教も生まれ、その聖地を擁しながら、ここでは仏教はあまり栄えていない。そのインドの実像はなかなかせまれるものではないが、多様な宗教の断片・歴史・マハラジャの世界・インドの学問などわずかながら自ら学びつつインド理解の一歩としていきたいと思っている。。 興味を持たれたらポチッと1クリックお願いします。 ![]()
by miriyun
| 2007-05-15 22:37
| インド
|
Comments(4)
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髪の毛を切らないとは知りませんでした。ナジル人みたいですね。
日本で約1パーセントのクリスチャンとは比にならない数でさすがインドです。 文明を生み出し尚且つまた数々の文化を取り入れて成長していく、インドは本当に力強い国ですね。 行ってみたいな!
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イスラム教というと、どうしてもアラブのイメージが強いんですけど、いやいやどうして南アジアに多数のイスラム教徒がいるんですよね。
ほんとにインドって一言では言い表せない多様性を持っていますよね。歴史の深さもさることながら、文化面も奥深いです。 インド人って、周りの文化を上手く取り入れながら独自性を創っていくというのが上手な人達なんでしょうね。懐の深さを感じます。 子供達のお団子、それぞれに大きさが違うってのが可愛い!皆、いい笑顔ですよねぇ。 そして、普段お目にかかることの殆どないベルベル人のこと、とってもよくわかりました。過酷な環境の中でも独自の生活を保ってきた人達、すごすぎます。↓の写真、背景の真っ青な空と茶色い岩山に、白いモスク、美しい!
ぺいとんさん、カールサー派のシク教徒は髭も髪も切らないそうです。ターバンだけなら他の宗教でもているが、髭もずっと切らずに伸ばしていたらシクの主流派ということになるようです。
インドは本当に広大で、たくましい国だと思います。ましてや近年のインドの発展振りをみてもその印象は強まるばかりです。
yokocanさん、イスラームのもつ広範なる地域で受け入れられる寛容さ、どんな思想も哲学・宗教もともども飲み込んでいってしまうインドの深さ、いずれも興味が尽きません。シクの人たち大人も子どもも表情が豊かでした。
ベルベルのくらしの雰囲気お伝えできたようで良かったです。 |
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