2007年 03月 11日
☆ラクダはどうやって歩くのか。 そもそも四足の哺乳類はどうやって歩くものなのだろう。 斜対歩と側対歩 右前肢と左後肢、左前肢と右後肢がペアになって同時に着地・離地する「斜対歩」と、右前肢と右後肢、左前肢と左後肢がペアになる「側対歩」とがある。 1、では、実際にラクダの姿から確認してみよう。 左前肢と左後肢に重心がかかり、右はいずれも宙に浮いていることがわかる。 右と右、左と左きれいに揃って歩いている。二頭とも大きく足を伸ばして歩いているのでとてもわかりやすい。 このように、ラクダは完全なる『側対歩』なのだ。 自分にとってラクダはとても乗り心地がいいと思う、反面馬のゆれは少々苦手だなのだが、ラクダに乗るのが苦手な人もいる。 なぜだろうか。もしかするとこの歩き方のせいかもしれない。馬の揺れ方とは異なり上下動は少ないが前後にはよくゆれる。その波に乗れるかどうかというところなのだ。 では他にはこの歩き方の動物はというと、大型哺乳類は側対歩といわれているように、実際背丈の大型動物であるキリンはこの歩き方でラクダのように伸びやかな長い脚でサバンナを思ったより速いスピードで駆ける。また、重量の大型動物である象も『側対歩』である。 ただし、足が太いので少々わかりにくい。 他にはと目を凝らしてみたら、意外なことにロバが次のようであった。 小刻みながら、かわいらしい側対歩ということがわかる。ラクダのように悠然と歩くわけではないので乗り心地がいいわけではないが、がけ上りの名手なので岩山ではありがたい存在だ。 2、つぎに、馬はどう歩くのだろう。 現在の日本の馬を見てみよう。 斜めに向かい合った右前肢と左後肢・左前肢と右後肢が対になって前にすすむ。これを「斜対歩」という。通常のアラブ馬やヨーロッパ・中国などの馬は『斜対歩』である。 日本の馬も現在はほとんどアラブ馬であり、したがって普通の乗馬用の馬も先日の競馬で有名になった~でも、斜めに向かい合った右前と左後が共に動く『斜対歩』である。こういう馬は速く走るが、上下に揺れるのが特徴だ。 それでは困るのが武士である。 流鏑馬やほろ武者は安定して的を射たり、ほろを長くたなびかすには側退歩の馬であることが必要なのだ。大陸からの馬であればその馬を側対歩に訓練するのだ。実際、今使われているアラブ馬も流鏑馬などに使うに斜対歩を側対歩にするための同側の足同士皮ひもで一定の間隔でつなぎ、側対歩に慣らす訓練をするのだという。雄平さんの実りのときブログで ほろ武者の写真で、確かに馬は側対歩であった。 ◆日本の武士は流鏑馬・犬追物など馬からの弓矢の腕を訓練し、戦場では馬上で矢をつがえ、敵を倒す。その場合、上下動が少なくて命中率の高い側対歩の馬のほうが良かったのである。そして、日本の在来種は『側対歩』であるという。だから実際武士たちは映画やTVで見るとアラブ種の斜対歩の馬に乗っているが、実際はもう少し背の低い在来種で側対歩の馬に乗っていたわけなのだ。
by miriyun
| 2007-03-11 17:51
| 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼)
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Comments(12)
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orientlibrary at 2007-03-11 21:25
さすがmiriさん、動物の写真がたくさんあるんですね〜! ラクダの歩き方、注意して見たことありませんでした。
4足歩行ではないけれど、日本の昔も手と足が同じ方向のナンバ歩きだったというのを、武道家の方の本で読みました。その方が自然なのかもしれませんね。
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miriyun at 2007-03-13 21:30
Orientさん、実はそうなんです。実は藤沢周平原作の時代劇映画にそのナンバ歩きがでていたので、そろそろ側対歩などもかいてみようかとおもったんです。人も動物も歩き方一つでもいろいろありそうですね。
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ガンです。モンゴル国
at 2011-05-28 09:53
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元々日本の馬はモンゴルの原産馬だと思いますよ。
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ガンです。モンゴル国
at 2011-05-28 09:56
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miriyun at 2011-05-29 13:18
ガンさん、そうですね。
DNAからいってもはるかに昔モンゴルからの流れがあるということだそうです。 乗りやすそうですね。中央アジアのカザフの馬には側退歩のがいると聞いています。モンゴルの馬はどちらか見てみたいものです。
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AlphaDog
at 2011-10-03 19:59
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斜側歩の新動物?を、インターネットで見つけました
アメリカでは、軍備を輸送する4足歩行の自律型ロボットが、開発中ということです。 この4本足の機械は、「斜側歩」をしています。180kgくらいの荷物を運べるそうです。 http://wired.jp/ のサイトに、「進化し続ける、米軍のロボットろば(動画)」というタイトルで、公開されています。
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Banabom
at 2013-03-10 12:02
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京都新聞で琉球競馬ンマハラシー復活の記事を見ました。
文章では「側対歩が基本」と記述されており、馬なのに斜側歩じゃないの??と思い写真を見ると右前脚左後脚を同時に前に 出してる・・・??? 謎を深めてここにつきました。なる程、沖縄の在来種「ヨナグニウマ」なので、「基本側対歩」なのでしょうね。
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miriyun at 2013-03-11 01:43
Banabomさん、側対歩の馬は見た目だけでなくまた揺れ方も大きく異なります。前後に揺れる動きは結構好きです。
マイナーな言葉ですが、関心を持っていただきよかったです。
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snowdrop-uta at 2020-07-11 06:26
記事ランキングで目に留まった過去記事へお邪魔いたします。
歩く動物写真のアーカイブも豊富なんでしょうね。 どれも分かりやすいです。 日本人は馬より駱駝を楽だ(!)と感じる人が多いかもしれませんね。 日本舞踊のすり足と、バレエなどの西洋舞踏の上下の動きとの違いは 農耕生活と騎馬生活の違いに由来すると言われますが 日本の武士はどうなのかと思っていたんです。 なるほど、馬の足をくくって側対歩に…馬も大変ですねえ。 人間自体は左右の手と左右の足が逆に出るから、 四足歩行時代は斜対歩だったのでしょうか。 興味は尽きません。
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miriyun at 2020-07-14 00:01
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at 2020-07-23 06:54
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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miriyun at 2020-07-24 01:34
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