2006年 12月 07日
エル・ハズネは光のあたりぐあいで50回も色を変えるという。全体に日が当たる時間は限られているし、確かに沈んだ色合いから光り輝くばら色まで変化していくことは確かだと思う。残念ながら夕焼けの時間にいたことはないが、直接の日は当たらなくても、こういう岩は夕日の反射や全体の夕方の色調の変化を受けて微妙な色の変化をみせる。そういう意味では50というのもあながち大げさとはいえないかもしれない。 ではこのように全体に日が当たり、岩の色が明るく輝くエル・ハズネを見るにはどの時間がいいのだろうか。 2つの地図を見てみよう。 ↑「地球の歩き方」2004年度版の地図より この地図中の方位磁針の北が上になるよう回転させて引用 ↑ 現地 Jordan Tourism Board 発行の 地図より引用 この二つを見ると歩き方の地図でピンクの四角であらわしたエル・ハズネは南東に向いており、午後遅くまで充分日があたっていそうに見える。 ところが、現地発行の地図では東よりやや北に少しふれている。2時半くらいの方向である。 すると午後は直接日が当たらなくなるはずだ。 地図の方位が異なると、単独の場合、道に迷うということもあり注意を要するのだが、こういうときにも確かめるのにはGoogle Earth が使える。 ↑ Google Earthからの引用 中央の黒くうねっているのがシーク。 方位は左下に現されているように、上が北になっている。これで確認すると、現地の地図のほうが方位が正しいことが一目瞭然だ。 もちろん、Googleにはエル・ハズネがあらわされていないし、これだけを見たのではわかりにくい。しかし地図と見比べながら楽しむと。シークの上を遊覧飛行したかのように山と裂け目が確認できる。エル・ハズネはピンクの四角として加えた。 一方、歩き方は日本語で詳しく名所や山の小道を載せているのでやはりわかりやすさでいったらこれがいい。2006年度版はまだ書店に並んでいるのを見ていないが、この方位だけは直しておいてくれたらと願っている。 ☆さて、方位とエル・ハズネをまとめてみよう。 エル・ハズネはほぼ東向きでやや北にふれている。しかも目の前に大きな山がありそこに亀裂(シーク)が通っている。 ◆ 早朝・・・まだ、日が当たらない ◆ 8~9時ごろ 上のほうから日があたり始める。つまり下は斜めに日陰で、上のほうは明るすぎて、露出をどちらにあわせたらいいのか自動のカメラも迷いそうな場面になる。 ◆ 11時ごろ・・・一番上のエル・ハズネはこの時刻に撮影。全面に光があたって、赤い岩肌が明るく輝く時である。 ◆ 昼~午後真上からの光になり輝く感じはなくなる。もちろん、中東の強い日ざしは岩にあたり乱反射して決して暗いわけではないので、様々に変化していく様子は見られるが・・・。 ◆ 夕刻、微妙な変化を見せながら真っ暗になっていく。 ★ ペトラ・ナイト・・・ろうそく2000本で幻想的なエル・ハズネが撮れるはず。ただし高感度にしないとろうそくだけが写ることになってしまう。 ☆もう一つ、ローマン劇場と方位について ↑午前10時の劇場 現地地図の番号7のところに岩山を削りだしてつくった劇場がある。この劇場は北東を向いている。岩の座席は直射日光に曝されるとかなり蓄熱する。この劇場夏は日中暑くて使えないだろう。しかし、背後の山で西日がさえぎられる夕刻はすっかり日が当たらなくなり、使い勝手がよくなるだろう。これを反対側の岩山につくって南西向きにしたら夜になってもムッとたまりこんだ熱気が発せられてたまらないだろう。 今も昔も方位は重要であることに変わりはない・・・。
by miriyun
| 2006-12-07 11:32
| ヨルダン
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Comments(6)
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orientlibrary at 2006-12-09 13:31
miriさん、ペトラシリーズ、すごいですね〜!! グーグルアースも登場しましたね! ほんとに旅行気分になれますよね。
タイル好きの私、ペトラってなんとなく大自然だなあという感じで、あっさり通り過ぎてしまったんですが、、こんなに深いんですね。 私がいつも驚くのは、miriさんの写真の撮り方です。つまり問題意識をその時点で持っていないと、この視点では撮れないという写真ばかりだからです。なんとなくダラダラ歩いてシャッターを押しておしまいということの多い私には、本当に驚きです。またその写真がブログというメディアで存分に活かされて、単なる観光案内ではない愛情のある視点で紹介されるのは、この地域のファンとしてとても嬉しいです。
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miriyun at 2006-12-09 14:11
Orientさん、写真の撮り方まで見てくださってありがとうございます。やはり、カメラが好きで手に持っていることがなじんでいるのと、自分自身が知らないことがいっぱい過ぎてあれも知りたいこれも知りたいと思っているためでしょう。
一年中なぜ?と思って見ていることが多いかもしれません。思っているだけでは解決しないんですが・・・。 そして人間は素晴らしいと思うのと同じくらい自然に感じ入っています。とくに空の色、山の色、水の力ですね。
はじめまして!私は、遺跡が大好きなのですが、エル・ハズネすごいですね!!ブログ見ていてとっても旅してみたくなりました。なによりも写真が旅人心を誘ってます。これからも、更新たのしみにしています。一票いれてきます!
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miriyun at 2006-12-11 00:03
woodyさん、ようこそおいでくださいました。
これからもっと発掘されてくると、ますます楽しみになってきそうです。でも 実はシークだけでもなかなかのものなんですよ。
いや~凄いわ~50モノ色を変えるしかも自然で、、迫力ですね、、
遺跡ただただ、、感動致します。ラブポ2
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miriyun at 2006-12-14 22:55
自然の力と人間の力両方を見ていくことができる点が好きですね~。でもマリリンさんが撮ったらもっと魅力的ですよ
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