写真でイスラーム  

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2006年 11月 01日

ヒジャーズ鉄道(2)…機関車

 ヒジャーズ鉄道(Hejaz Railway)は、巡礼の人々を乗せるようにダマスカスからメディナまでつくられた。現在は廃線になっているところがほとんどで、一部に旅客列車、一部の貨物が通れるようになったいるのみである。

 このヒジャーズ鉄道はドイツ製の機関車を使っていた。当時の国際情勢からすると3C政策を推し進めるイギリスに対して、ドイツは3B政策(ベルリン~ビザンチン~バグダッド)を進めており、トルコは対ロシアからドイツと手を組むほうを選んでいった時代である。鉄道を作るにあたって、トルコがドイツ製機関車を注文することは必然であった。

 ヒジャーズ駅には、今は動く姿をみせることができなくなった機関車がある。、
ヒジャーズ鉄道(2)…機関車_c0067690_5165373.jpg

 ↑ ダマスカスのヒジャーズ駅前に展示されている。駅の前に置かれ、市民生活の中で手に触れることのできる身近な位置を占める。歴史ある駅舎の前なのでさすがに磨きこまれていてほこりも被っていいない。かなり手入れをしているようだ。

 さて、ヒジャーズ鉄道の終点に近いサウジアラビアの中でも機関車は残っている。アラブ・イスラーム学院のフリー写真の中でそれを見つけた。
ヒジャーズ鉄道(2)…機関車_c0067690_5171533.jpg

  ↑ サウジアラビア アル・ウラに保管されている機関車(AI学院のフリー写真から引用)

 2つを比べると、一見違う機関車のようにも見える。しかし、それはダマスカスのものが塗装も美しく整備されているのに対して、アル・ウラの機関車は、まず前輪が外れている状態である。また、煙突の装飾や、各部品など外せるものは、かなりの部材まで外してある。
 製作年や型式は異なるだろうが、基本的に同じ形状をしている。ともにヒジャーズ鉄道を力強く走っていた機関車である。

 ヒジャーズ鉄道に、ポチッと応援をよろしく♪

by miriyun | 2006-11-01 05:45 | シリア | Comments(6)
Commented by orientlibrary at 2006-11-02 11:01
鉄道とか汽車はあまり興味がないので、現地でも多分サッと見ておしまいだと思いますが、こうして用途や歴史的なことなどを読むと、グッと興味がわいてきます。もしかして現地などでも、ガイドさん等々、説明があったかも、、でも、ゆっくり見られるブログで、miriさんの記事で読む方が素直に入っていけるんですよね。ふしぎです。
Commented by maririn at 2006-11-03 08:48 x
うお~コレはコレは凄い昔のもの貴重ですね、、でも綺麗にお手入れが
されている様子、、そんなんだ、、力強さかんじますよね、、まだ動くの?ラブポチッ2
Commented by 神戸のヒロシ at 2006-11-03 17:04 x
はじめまして。
エキゾチックな気分に酔いました。ホロホロ鳥を聞いたことはありましたが、写真でも見るのは始めてです。なんともいえない文様で、
異文化を感じました。
イイですねえ。ランキングも
応援クリックしておきました。
Commented by miriyun at 2006-11-04 22:50
Orientさん、私も汽車関係は興味外なのですが、このヒジャーズはとても気になって仕方がないのです。
 やはり」ロレンスの時代の歴史がしみこんでいるせいでしょうか?
Commented by miriyun at 2006-11-04 23:04
マリリンさん、今の時代のものと違って機関車も駅舎も重厚です。これだけ手入れしていれば動くのではないかと思います。ただし、希望的観測ですが・・。
Commented by miriyun at 2006-11-04 23:15
神戸のヒロシさん、ようこそ。
いろいろ見ていただいたようでありがとうございます。ホロホロ鳥もそうですが聞いたことはあるけれど、見たことがないものって案外多いものです。自分でも勉強しながらやっています。どうぞよろしく。


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