写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2006年 09月 29日

◆ミニアチュールで見る薬作り

  ヌーリー病院(アラブ医学・科学博物館)のミニアチュールを見てみよう。
◆ミニアチュールで見る薬作り_c0067690_18215316.jpg

 異なる2種類の木の間で、何かを抽出している。あるいは濾過といったほうがいいのか。
残念ながら、シリアは英語のパネルは完備していないのが実情である。
 宗主国がフランスであったのでその頃整備されたものはフランス語の場合もあるが、多くはアラビア語のままとなっている。

 上の赤字のところがポイントのようで、シャラーブ、飲み物を造っているということだ。ジュースかシロップかと思ったのだがそうではなかった。薬(ダワー)をつくっている。その薬は咳に利く薬だというのだ。
 だから、この絵は、『咳どめ薬の製造準備』 という絵なのだ。

◆ミニアチュールで見る薬作り_c0067690_1822161.jpg

 さらに絵を見ていくと、
① 男性の足下にあるのは、前出のミキサーではないか。これで材料をつぶしては混ぜて、その後麻布か何かで濾過しているようだ。
② 濾過するしくみは単純だが三脚のようにして重さがかかるので安定して作業ができるようになっている。
③ すわっているイスは珍しい形をしているが、折りたためるように見える。
④ この男性、右手をなめて味見している。のどにいい薬は飲みやすさも大事なのだ。

 絵はほんとうに多くのことを語ってくれる。
                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
                                               一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります   
   


by miriyun | 2006-09-29 18:12 | シリア | Comments(6)
Commented by horaice at 2006-10-08 12:40
はじめまして☆イスラム文化に興味あって迷い込んできました。絵をよくみると、細部から色んな発見があり、語りに気付いていくんですね。
Commented by miriyun at 2006-10-08 20:06
ようこそ、horaiceさん。イスラム諸国の一般の人々と文化・・・日干しレンガにタイル・建徳・アラビア書道・細密画などを通して、イスラムに親しんでいただければ嬉しいです。
Commented by horaice at 2006-10-08 23:39
miriyunさん、書き込みありがとうございました☆ 植物の絵が施されたタイルとアラビア書道など魅せられます。遠い日本からだと、何層ものフィルターを通した中東の姿しか見れないので、いつか行ってみたいものです:-) よろしければ、リンクさせて下さい☆
Commented by miriyun at 2006-10-09 08:00
horaiceさん、植物文様は確かにイスラームからインドにかけて華麗な世界が広がります。興味を持ってくださること自体が嬉しいです。
 一応日付はついていますが日記ではないので、風のふくまま、テーマを決めて書いています。こんなブログでよろしかったらリンク歓迎です。
Commented by horaice at 2006-10-09 20:18
ありがとうございます:-)) 私のほうも、時間列関係なくアップしているのですが、よろしくお願いします☆またお邪魔します~
Commented by miriyun at 2006-10-11 12:51
horaiceさん、また、こちらからもおじゃまさせてもらいます。


<< ◆イブン・アル・ビータールの功績      ◆東西の生薬とやげん >>