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2006年 09月 19日

レイクパレス専属ミラーワーク職人…レイクパレス(8)

 レイクパレスの屋上の庭を散歩していると、ミラーワークの職人さんがちょうど仕事をしていた。話を聞いてみるとこの離宮とシティパレスのミラーワーク職人として代々働いてきているそうだ。

レイクパレス専属ミラーワーク職人…レイクパレス(8)_c0067690_595928.jpg
 
 屋のほうに鏡が光っている。鏡をカットして、下書きの図案の上に一つ一つ置いていく。鏡であるだけにカットが大変そうで、いろいろな道具が手の届く範囲に置かれている。
レイクパレス専属ミラーワーク職人…レイクパレス(8)_c0067690_5385264.jpg

 ↑いつも一人で仕事をしているようで、質問歓迎といった感じで話していた職人さん。
 
レイクパレス専属ミラーワーク職人…レイクパレス(8)_c0067690_5102799.jpg

 カットした鏡は裏返しにして図案の上におく。いぶしたような色が表に出ているが、こちらは壁面になり、表にピカピカの鏡が出るように作成する。

 いずれにせよ、こういう工芸はきちんとしたデザインの下絵が不可欠であり、その上に、彼らの 伝統的技能が必要になるのだ。

 ☆このくらいの規模の宮殿群ともなると常に壮麗であるためにはたゆまぬ修理修復が必要になる。必然的にミニアチュール・ミラーワーク・透かし細工・マシュラビーヤなど技能ごとに職人さんがこの町で暮らし、この王宮専属で仕事をずっとしていくのだ。
 そして、子どもや孫もそれを受け継いでいくのだろう。職人にとって、王宮や博物館でずっと高度な技術を受け継いでいくのは大変目恵まれた職人環境である。

 ☆平和であればこういった技術の伝承がどの国でも行われていくにちがいない。
ただし、いったん、戦乱や経済的破壊などが起こると伝承が不可能となり途絶えてしまうことが多々ある。例えば、アフガニスタンやイラクはどうだろう。学問・芸術波は、国がてこ入れしていかないと残らなくなってしまう。


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by miriyun | 2006-09-19 05:46 | インド | Comments(4)
Commented by ぺいとん at 2006-09-19 06:29 x
何百年も変わらずに伝統が伝えられていくのは並大抵のことではありませんよね。わが国の現状を思うと、嫉妬さえ覚えるくらいです。  
職人さんのあの笑顔!いいお仕事が出来て満足そうです。
Commented by マリリン at 2006-09-19 11:43 x
うお~~またまた素晴らしいお船かと思いきや宮殿ですか、、驚きましたこの様な特殊な技術をもった職人さんは貴重でしょうね~
ココは今インドなんですね、、なるほど、、ラブポチッ2
Commented by miriyun at 2006-09-20 20:59
ペイトンさん、やはり日本のことをよくみたくなりますよね。伝統的な技能が伝えられていく過程に興味がありますが、日本では中名っこ人的に接するのは難しいです。絵巻物修復とかってやっている人がいるんでしょうが機会がないのが、残念です。
Commented by miriyun at 2006-09-20 21:03
マリリンさん、ヨルダンの砂漠にいたはずだったのですが、質問をいただいたことから、シリア~イラン~インドとミラーワークを見る旅になってしまいました。しりとりのようにテーマが少しずつと変化しながら風の吹くまま・・・、それもおもしろいものです。


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