写真でイスラーム  

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2006年 07月 18日

礼拝用絨毯…手の文様&文字・数字

礼拝用絨毯には心のこもった落ち着いた文様が多い。
charsuqさんの『旅と絨毯とアフガニスタン』で味わいのある絨毯を紹介しているが、今回は礼拝用じゅうたんについて興味あるお話が載っていた。 産地も織りも異なるが、模様の話として載せてみよう。
★手の文様
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        ↑ヤズドの独特の渋みのある赤の絨毯である。(写真は暗いが実はもっと赤い)
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 ↑ かえでのような木の葉模様に手形がくっきりとついている。祈りの形を現した文様である。
サラート(礼拝)の中で≪サジダ≫は6つめの型である。ひざと額を床つける。シーア派の場合はモフル(素焼きの土器)をおきそれに額をつける。そのとき「スブハーナ・ラッビヤル・アッラー」を唱えながら行う。五指を揃え、鼻・額の順位床に付けるのだ。そうやって祈る気持ちをそこの表したとも思えるし、実際に手を置いてみるとしっくりとしたので実際にそこに手を置くように位置を決めて織ったとも考えられる。

≪追記1≫
 caffetribeさんから詳しい解説をいただきました。
 「ヤズド周辺はイランでもロナス(西洋茜)産地で、深みのある赤い色を出す染料は有名ですね。デザイン的にはバルーチ系のカウダニなどの祈祷用絨毯に時々見られるようです」
 また、手形についてはcaffetribeさん、charsuqさんからご意見いただきまして大変深められました。ファティマの手と見えるし、はっきりしないとされている本もあり、またイスラームの五行と関係あることも考えられるということです。

 
★文字・数字
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これは、練習じゅうたんだろう。今から十年以上前にふとカラチ空港で見かけた。見た時に、これは反転している・・・と思った。誰が作ったのだろう。子どもか?これは自分が買うしかないと思った。
 こんなわけで反転している文字入り練習絨毯は持ち帰ることになった。
日本で紹介するイスラームのものに反転写真を使った間違いが多いことを以前に述べたが、実はこのような織物にも時々間違いがある。ただし、一つの織物に正しい文字と反転した文字が見出せる場合は、間違いとはいえない。モスクのクーフィー書体と同じにデザインとして反転したものを置いて左右対称にする場合も考えられるからだ。

≪追記2≫
 反転文字について、charsuqさんよりコメントをいただき、とうとう読み方までわかりました。2006-07-23絨毯の反転文字の記事にまとめさせていただきました。

★今回のこの記事については、本文よりもこの下のコメント欄のほうががcaffetribeさんとcharsuqさんによって充実していて本文より断然おもしろいです。ご覧ください。

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by miriyun | 2006-07-18 23:05 | 絨毯・キリム | Comments(7)
Commented by caffetribe at 2006-07-18 19:42
手形文様の祈祷用ラグと反転した文字入りの絨毯のご紹介、興味深く拝見しました。この上の絨毯はヤズドで入手されたのですか?たしかヤズド周辺はイランでもロナス(西洋茜)産地で、深みのある赤い色を出す染料は有名ですね。デザイン的にはバルーチ系のカウダニなどの祈祷用絨毯に時々見られるようです。この手形モチーフはバルーチなどにも時々見られるようですが、逆さにすると良くご存知のファティマの手として、やはりお守り=魔よけになりそうな気もしますが・・・。どうでしょう?
下のパキスタンのシングルノットと呼ばれた典型的なマットも確かに面白い???。子供の手によるかもしれませんね。裏からみるともっとはっきり読めるのでしょうが・・・。
Commented by miriyun at 2006-07-20 15:44
深みのある赤はロナスという染料なんですか。知らなかったです。教えていただけて嬉しいです。この色はとても気に入っているんですが、染料のことはあまり知らないのです。ヤズドの町ではほとんどこの色がメインのように感じました。
 また、柄は星や木の葉のような模様がくっきりしていて見ていてとてもすっきりした柄で好きなんです。手形モチーフ礼拝の手とファティマの手両方の意味を持つ可能性は大きいですね。シーア派でもあるし、意識をしているかも知れません。
 パキスタンの方の小品は、気になっていてPCを触れるようになってから画像を反転して見てみました。でも意味が分からないのです。調べ方が悪いのか、クルアーンのアラビア語ではなく、ウルドゥー語でかいてあるとしたらお手上げです。でも反転していることだけは確かです。同じに絨毯を織るにしても文字の形がわかっていて織るのと模様としてみておおよそまねるのとでは文字の特徴の捉え方が異なります。そういう意味で文字の特色もとらえていないので紛らわしいという可能性もありますね。
Commented by charsuq at 2006-07-22 14:33
ヤズドでこのような絨毯が織られているのですね。驚いています。トライブさんご指摘のように、この文様はカウダニと呼ばれる西部アフガニスタンでよく織られています。手については「hand of Fatima」と呼ばれ、ファーティマに由来するものだそうですが、詳しくは調べきれていません。イスラームの五行(シャハーダ、ハッジ、サラート、ザカート、ラマダーン)を常に意識するために、この5本の指を手の置く位置にデザインされたとも言われています。
パキスタンの絨毯は・・・。読めそうで読めないのですが、意味があるとするなら、祝福するような文句ではないだろうか、と想像しています。一度知人に聞いてみます。
Commented by charsuq at 2006-07-22 21:39
「ファーティマの手」と書きましたが、今日別の本で調べていると色々な説があり、はっきりとしてことはわからないとありました。それについて簡単にまとめたものを投稿しましたので、よろしければご覧下さい。レバノンの記事に関しては共感をもって読ませてもらってます。
Commented by miriyun at 2006-07-23 07:41
charsuqさん、どの地域でどの柄があるとすぐわかるところがtribe さん、 charsuqさんとも、さすがですね。カウダニというのは今回はじめて聞いた言葉です。パキスタンのは今度反転して載せてみますのでご覧ください。
 レバノン記事読んでくださってありがとうございます。
Commented by charsuq at 2006-07-23 17:22
やはり反転している(裏から読む)ようです。「ダステ(手)バーフテ(織る)マハムーデ・カシミーリー」であり「カシミールのマハムードの手織りのもの」と書かれている。ダリ語でもそのいいように言います。ウルドゥ、カシミーリーでも同じ表現なのだと思いますが、そこは未確認です。反転した写真をお貸しいただければ、手で書いた文字と対比させていただきます。
なお数字の書き方ですが、右から書くと聞いたのですが、誤解がありました。つまり「37」という数字を書くときに「7」を書いてその左に「3」をあとで書くことを右から書く、と知人は言っていたことがわかりました。よって「73」というような表記方法は彼の知る限りないとのことでした。
Commented by miriyun at 2006-07-24 08:05
写真は、裏からのと表を反転したものと2点本文に載せましたので、コピーしてお使いください。
 こんな小さな小品でだいぶお騒がせしましたが、読みかたがわかってうれしいです。ありがとうございます。読めるかどうか本文に載せてみました。
 数字の書き方はやはりインド方式から変わったことはないのでしょうか。そうすると1338年はやはり反転して入れてしまったという、こちらの小品と同じようなりゆうになるのでしょうか・・・。



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