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2006年 06月 20日

世界難民の日

 6月20日は国連が定めた世界難民の日だ。

世界難民の日_c0067690_0414898.jpg


そこで、まずは難民について。

1、難民(Refugee)とは?
 「難民の地位に関する条約」(難民条約)では、、「人種・宗教・国籍・政治的信条などが原因で、自国の政府から迫害を受ける恐れがあるために国外に逃れた者」を難民という。いわゆる政治難民(英:PoliticalRefugee)のことである。

 近年、この定義に該当しないが保護が必要な人が急増している。
天災、飢餓や伝染病・内戦・部族対立のため、国外に逃れた人々を避難民(displaced person)という。本国の国内にあって、同様の状況に置かれた人々を国内避難民(internally displaced person)または内部難民(InternalRefugee)という。さらに現代では経済的貧困を逃れるため理由での難民も経済難民(英:EconomicRefugee)と呼称されている。

2、日本人難民
 戦争の延長線上ではあったが、満州・朝鮮に開拓団として国によって送り込まれた人々は日本が敗戦したとき、まさしく難民だった。(国内難民・政治難民かはそのときをどうとらえるかで異なる)だから。このとき命からがら食べるものも飲むべき水も得られない状態にあったのだ。だから新田次郎と藤原ていという作家夫婦とその息子藤原正彦など、難民になるということはどんな状態なのかよくわかっている人たちもいる。その反面、日本もそういう状態があり、極限状態を経験した人たちがいたことを全く知らない人もいる。

2、世界の難民
 UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)によると、2004年12月31日時点で世界の難民は923万6500人とされている。地域別ではアフリカが最大で全難民の30%が居住している。ただし、ここにはもう60年間も難民生活を強いられているパレスチナ難民は含まれていない。国連でもUNRWAが担当するところなので、各種統計に含まれている場合、含まれない場合などがあるので要注意だ。

*なにやら、定義ばかりになってしまった。
キャンプの公共水道から。
世界難民の日_c0067690_042317.jpg

 フィラスティーンの少年が手をかけているのは、難民キャンプの中にある共同の水道。アラブでは、聖者廟、町の記念碑の前などいろいろなところで誰もが自由に飲むことができる水のみ場を作って提供していることがよくある。ここでは亡くなった青年の写真とともに、水道をみんなが使えるように提供していることを書いてある。

 今年は、国連では「希望」 がテーマで、6月19日(月)から7月14日(金)まで、UNハウスにて恒例の「世界難民の日」写真展が開催されるという。

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by miriyun | 2006-06-20 00:28 | 中東について | Comments(4)
Commented by peque-es at 2006-06-21 12:33
日本人の難民状態、知らない人の方が多いでしょうね。私も詳しい事は何も知りませんが…
そういう事はヨソの世界のできごとで、今の日本がそんな事になるなんて夢にも思ってない人が、若い人に限らず増えてる気がします。
でも日本が世界に出て行かなくとも、世界が日本に入ってくるんですよね。そして日本人はそういう人たちと共に生きたり、或いは一種の競争をして行かなくてはいけない…たとえブラジル棄民や満蒙開拓団のような事はもうないとしても、です。

それから日干しれんがの話、水で溶けちゃうんじゃ、雨の多い日本では所詮無理ですね(笑)。でもコンクリに比べたら絶対っ、焼成煉瓦です(笑)
Commented by miriyun at 2006-06-22 16:38
一歩まちがえば難民なんて事は枚挙にいとまがないほどありますね。難民の日をきっかけにまたしばし考えることになると思うけれど、完全にその立場で考えることはできない。けれど世界の中で日本だけ別という考えでなく難民問題もまず背景を知ることから・・・。
  しかし、いわゆる自治区といわれるところは期待を持たせつつ、公然たる差別がある。自治区にもなれない民族はせめて自治区を目指して動くのだが、なってみるとどの立場の人も軋轢と矛盾に苦しむ。そんな様子を知ってしまうとほんとに・・つらいものがあります・・・。
Commented by SuuSuu at 2006-06-22 17:57
今の日本って、難民申請してる人にとって冷たいですよね・・・。
国に帰ったら、殺されてしまうような人も、強制送還してたりしますよね。
政治取引だけで考えるのでなく、いろいろな面から考えてあげられるようになると良いですね。。。(理想論ですが。)
Commented by miriyun at 2006-06-24 07:33
SuuSuuさん、難民申請は確かに厳しいようです。時々新聞紙上に載る事例があります。そのくらい注目される事例になると回りも支援する人がいますし、新聞に載ることで関心も集まり、許可されることが多いです。でも名も泣き人々は書類の山と厳しい言葉に翻弄されているようです。国家としてどうあるべきかということとあわせて考えなければならないので、難しい問題です。


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