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2006年 06月 18日
レンガというとどのような形と大きさをイメージしているのだろうか。日本ではガーデニングなどに気楽に使えるレンガがよく見られる。このようなレンガの大きさは、210×100×60㎜ と工業規格で決められている。積み上げて壁を作るための積レンガ はもう少し大きく、230×110×76㎜くらいだ。つまり形は直方体であり、片手で積めるようなものと考えると大きさと形が実感できる。 ところが、その幅でただ積んだなら巨大な建築物やドームは支えられない。そのため、実際はもっと大きい。シバームの高層ビルは基盤は石でその上は日干しレンガであるが1つのビルを作るのに、5種類ほどの大きさの異なるレンガを大きいものから積んでいく。上に行くほど軽くなるようにしていく。大きいものは長辺が70cmもある。 ではペルシアはどうなのか。レンガ建築の多いところであり、過去に遡るほど、レンガの大きさも大きく一辺が60cmほどもあり、しかも正方形であった。 イスラームの王朝時代になると大きさは一辺30cmの正方形で高さ6cmほどとなった。 ☆レンガの大きさや形は実は様々なのである。 ![]() イスファハーンで壁を修復中のところにいきあたり、現在のペルシアで使われているレンガを見る機会があった。上記よりさらに一回り小さいかなと思われたが確かに正方形で厚さが薄いレンガで手前にあり、これこそがペルシア伝統の正方形レンガなのだ。 奥のほうには私たちがイメージする直方体レンガもあった。場所により使い分けするのだろうか。 ![]() 薄いレンガをこれを積んで横から見れば、細い段となって見える。しかし奥行きは30センチだったり60センチだったりするのだ。 だから、日干しレンガの家は壁がとても厚くてそれだけに断熱効果も大きい。 Blog Ranking 興味をもったら一日一回ポチッとお願いします。
by miriyun
| 2006-06-18 22:29
| イラン(ペルシア)
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Comments(4)
レンガシリーズ、嬉しいです〜!ワクワク! 修復現場のレンガ、こういうのを撮ってしまう、、ずっごくわかります。手前の正方形のもの、薄さがよくわかりますね。
暑い地域の住居など、ほんとに壁が厚くて、だから中は意外なくらいに涼しくて快適。暮らしの知恵ですね。日本の住宅も昔は夏をメインに考えた風通しの良い家だったんですけどねえ、、閉め切って暑いからエアコンつけざるを得ないし、それが空気を暑くして、、って悪循環なのはわかってるんですが、日本の夏、暑い!
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miriyun さん、れんがシリーズ続いていたんですね!
私、レンガ建築についてネットで検索した時、関東大震災で、当時経費を安くする為に水増し(?)したセメントを使っていたレンガ建築が崩壊してしまった、それでレンガ造りは地震に弱いというイメージが定着した…というのに出遭ったんですよ。確かに古い洋館などで立派に残ってるのもありますよね。 で私が思うに(笑)、日本ではレンガ産業やレンガ積み職人というインフラが育ってないために、レンガ造りが高くついてしまう、という事情があるんじゃないか? 日本の陶土は焼成温度が高く(例えばスペインなどより高い)、「素焼き」のまま使う事も少ないですよね。「日干し」という事になると、普通のレンガより更に低い温度で焼かれてるんでしょうね? 日本の天気じゃ、日干し煉瓦ができるほど晴れが続かないし… でも orientlibrary さんの仰るように、たとえレンガはなくとも、日本にもも昔の土壁や、或いはお城や武家屋敷等に使われてるような漆喰の壁がちゃんとあったんですよ! それをむざむざ中途半端な和洋折衷で、新建材だらけの家に変えてしまった現状、蒸し暑い上に悲しいです。あーあ…
Orientさん、何を見ても原材料が気になってしまうほうなもので、つい芸術品でないものをこうして載せちゃいます。こんなとき、必ずj反応してくださるのは、やはりOriさま!ですね。ペルシアのうすい層が気になっていたもので、もう少し続く予定です。
ぺけさん、レンガへの思い入れ感じさせられました。土壁は今はもう高くついてしまうということもあるらしいのですが、どのくらい高いのか、それによってはこれからも使っていこうとする人は多いのではないでしょうか。
れんがという素材そのものの耐震性はどうなのでしょう。焼成煉瓦のほうがずtと強いと思うのですが、大きな地震には木材のしなやかさのほうが向いているかもしれません。 日干し煉瓦は完全に日干しだけで、一切焼いていません。だから、地震があるとくずれるし、洪水があると家がとけてしまいます。ふだんの住み心地や暑さ対策はとてもいいし、コストも安いんですが・・・自然災害で町が壊滅することもあるのです。うまくまとまりませんが、イエメンのカテゴリに日干し煉瓦の作り方があるので参考にしてください。 |
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