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2006年 04月 29日
NHKの「探検ロマン・世界遺産」という番組で、エジプトのカイロを中世においてすでに通商で榮え、社会のしくみが整った都市として紹介していた。 では、テレビ解説の中から、いくつか列挙してみよう。 * キリスト教の聖なる日にコプト教会に近所のムスリムが共に祝うために立ち寄る。 ![]() * アラブ社会を十字軍からまもった英雄としてサラーフ・アッディーンを誇りに思っている。 * サラーフ・アッディーンは高さ20m長さ2km、広さが野球場20がはいるほどのシタデル(要塞)を十字軍に備えて築いた。そのときに用いたのが、古代からのエジプトの得意とするi石切りの技術であった。現在も昔ながらの方法・・・すなわち手仕事で石切り場から石灰岩を切り出している。 * 14世紀のスルタン・ハサン・モスクを築いたマムルーク朝の君主が君主がサダカとして夫を亡くした未亡人や孤児救済のため土地を無償で提供したことなど、サダカに関する記録が羊皮紙に18mにもわたって記録されていた。(写真はハーリスという村を寄進したという文をあらわしている。着色した部分がハーリス) ![]() ≪注≫番組では終始サダカと解説していた.喜捨をザカートと解説する本も多い。では、サダカとザカートはどこが違うのか。自主的な喜捨がサダカであり、義務としての喜捨がザカートというのだが、それも時代によっては混同して使われているという。(参考:平凡社『イスラム事典』) * 現在でも犠牲祭(イード・ル・アドハー)では町の中で余裕のある人はサダカとして羊肉などを貧者に気前よくふるまう。 ![]() イスラムの教えでは、例えば羊を1頭買ったなら、肉の三分の一は家族で食べ、親戚・友人に三分の一を分け、さらに三分の一は貧しき人々に分け与えるのが良いとされる。今年の犠牲祭で、水タバコ屋のユースフさんは30人の人に分け与えることができたという。 * 持てるものが持たざるものに分け与える。そのことが絶えることなく行なわれていたからこそカイロは発展した。 * 学校や病院・モスクなどの公共施設の運営はサダカによった。なんと小学校と病院は無料だったという。カイロはサダカの町といってよい。 * 助け合い支えあいながら生きることを大切にするイスラームの心が日常的に体現されている。 ![]() (以上の5点の写真はNHKテレビ映像より引用) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 相互救済の社会のしくみや異なる宗教にも寛容な町の様子がイスラームになじみのなかった人にもよくわかったのではないだろうか。 エジプトというと日本ではまずエジプト文明であり、テレビや書籍・旅行案内などでもその取り上げ方がほとんどである。テレビ番組としてはほんとうに珍しくイスラーム都市としての扱いをしていたことが印象的だった。 ☆イスラーム理解のために思う。 日本で一番知られているイスラームの国はエジプトである。しかし、現在、国際化とは言いながら、世界の国についての教育を怠っている日本では古代エジプト文明だけ、もっと簡単に言えば、ピラミッドだけのイメージになりかねない。古代ばかりを見て、現代のエジプト・イスラームの生活と人々を見なければ理解につながらない。 だから、こういうふうにわかりやすく興味深く扱ってくれる番組が登場することはいい傾向だ。 ☆ この拙ブログ・『写真でイスラーム』もめざすところはイスラームを知らない人へのアプローチであり、またイスラームの諸分野に詳しい方とは共に学ばせていただきたいという思いをもって続けている。 イスラームについて戦争やテロという分野のみが詳しい背景の解説なしに報道がなされてしまうことに憂慮していた。でも自分はその分野で声を嗄らす事よりも、イスラームの人々の温もりを伝え、そして建築・工芸・カリグラフィーなどの素晴らしさに触れてもらうことによってイスラームを身近に感じとってもらいたいと思ったのだ。 このブログも昨年開設して以来、原稿数200を越えた。写真たちもここに載せて初めて生きた!という感じとなった。よくやったかなという思いの反面、当初の目的に近づけているのだろうかという疑問もある。イスラームのことを知らない人の目にも触れるようにという思いでランキングにも参加したのだが、そういう人からのコメントは少ないのでどう感じているのか、現在のような解説でわかるのか疑問は残る。 しかし、おかげさまで多くの読者・友人が見守ってくれて、またブログを通しての素晴らしい感性と研究心をお持ちの方との出会いがあって、教えられ励まされたので続けてこれたのだと思うし、この出会いは自分にとって何よりも宝だと思う。 皆様、これからもよろしくお願いします。初めての方も、よかったらご意見・ご要望をどうぞ。目標めざしてがんばりますね・・・・。 興味をもったら一日一回ポチッとお願いします。
by miriyun
| 2006-04-29 09:43
| 日本の中のイスラーム
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Comments(9)
さすがのご見識。私も同じようなスタンスだけれど、miriyunさんのストイックな姿勢にはいつも感心しています。私は、ほにゃらら、ぶらぶらと、馬鹿話でなんとなく行きますが・・・お互いがんばりましょう。
ところで、この記事をうちのブログで紹介させていただいてかまわないでしょうか? コプトとムスリムの交流、というのは、なかなか事例がないし、大変面白いので・・・よろしくお願いします。
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ちょっと考えましたが、今週木曜日配信のメールマガジンのほうで、まずご紹介させてくださいませんか?こっちは一応配信が一万あるので、より多くの人に見てもらえると思います。その後、ブログにUP・・・なんて、ずうずうしいお願いで恐縮なんですが・・・いかがでしょう。
この番組私も見ました。最近エジプト番組が続いていたので、また同じような「エジプト=ピラミッド」かな・・・って思っていたのですが、「町(カイロ)」そのものを紹介していて面白かったです。
イスラームに興味のない人でも、エジプトに旅行に行く機会が多いから、やっぱりきっかけはエジプトになるんでしょうか。。。 そう思うと、エジプト紹介のテレビがあるのはいいことなんですね・・・。
えっ?アリーマさん、こんな文章でいいのですか?載せていただくのはかまわないんです。でも、恥かしいことに”てにをは”をはじめどうもまずい日本語なんです。今夜ゆっくり読み直してちょっと手直ししますのでお待ちくだされ~。
配信は木曜で、原稿は水曜だから、ご心配なく。
でも、別に何もおかしくないですよ。 私のぐちゃらぐちゃら文に比べれば「高級」です。 しかも「あ、間違えてる」と思うだけで直そうともしない・・・こういう姿勢だからだめなのかなあ。
SuuSuuさんもご覧になりましたか。
結構わかりやすく構成していましたよね。現代のエジプトを紹介する番組がやっとできたということで、これがこののち他の国の紹介方法にも影響を与えていくのか―ー見守っていこうと思っています。
アリーマさん、テレビを見ながら書いたものであまりに散漫で見間違いもありました。イスラームでは肉をどのように分けるのが良いとされるかなどの割合をいれ、サダカについて中心になるように追記や修正を行いましたので、ご覧いただければと思います。
この番組、こちらのNHKでも見れました。miriyunさんの記事を拝見していて、見たいなぁと思っていたら、数日後に放送がありました。ラッキー。
イスラムの都市の様子がすごくよくわかる内容でしたね。イスラム都市は、異民族、異教徒とうまく共存していくことで、あれだけ繁栄できたんですよね。 中世以降、ヨーロッパ諸国が台頭して来るまでは、世界の中心はイスラムの国々にあったと言っても過言ではないと思うんです。学ぶべき点、たくさんあるように思いますね。 これからもmiriyunさんのイスラム文化紹介、楽しみにしています!
まさしくそうだと思います。バスコ・ダ・ガマがやってくるより前、町も交易もイスラームの商人によって、長く培ってきたルールや法に基づいて正しい運用がなされてきたのです。文化の点では今でも燦然と輝いています。yokocanさんも、そのいいところをたくさん味わっていらっしゃるのではないですか?日本のよさも伝えつつ、素敵なトルコ・ライフを発信してください。
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