写真でイスラーム  

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2006年 04月 14日

バラ・ハウズ・モスクの天井装飾

 アーリー・ガープー宮殿のテラスを見た時、その柱の細さ・天井の豪華さという類似点から、思いはブハラにとんだ。そこには高さが12メートルもあるというのに華奢な姿の20本の柱の木造モスクがある。
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↑実に繊細な彫刻の柱        ↑格子越しに外をみる

 ブハラは1500年に、トルコ系ウズベク人が占領しブハラ・ハーン国となった。そのハーン専用のモスクとして1712年に建築されたのがバラ・ハウズ・モスクである。20世紀初頭になって木柱のたちならぶアイワン(テラス)・・・伝統的ターラールを付加した。ここの柱と天井には、複雑な彫刻がなされている。
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↑柱頭のおうとつ部にイスラームで重視し、国旗等にも使われる月と星を描いているのがかわいらしく印象的でもある。天井部分のアラベスクの構成が優れている。
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 ↑中央部の白い文様は浮いているかのように見える。遠近法を駆使して、平面部分も立体感が感じられるようになっている。実に見事なものだ。ただし、右下のアラビア文字はいまひとつ・・・。ペルシアやトルコのカリグラフィーには残念ながら遠く及ばない。。ロシア帝国の支配下ではアラビア語の使用はゆるされていなかったのだろうか。書家の引継ぎがなく途絶えてしまったのだろうか。
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↑これも色彩が優れていて、下から見上げて印象の強い装飾となっている。

 ☆おそらく、サファビー朝アーリーガープー宮殿で花開いた「豪華天井つき木造テラス」の様式は各地に伝播していったに違いない。
 ブハラ・ハーン国は1868年、ロシアの保護下に置かれ、1924年にはソ連に併合されたことで完全に途絶えてしまう。しかし、1900年代初頭、ロシアの保護下にありながらよくその芸術性を昇華してこのテラスを完成させていったのだ。

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by miriyun | 2006-04-14 21:56 | 中央アジア | Comments(0)


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