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2006年 03月 01日

現在のパルチーン・カーリー(貴石の象嵌)

 インド、アーグラーにはタージ・マハルで最高の技術までいった貴石の象嵌技術が生きている。現在はみやげ物中心だろうが、世界の富裕層はシャー・ジャハーンの頃をおもい、特別注文で邸宅をこの技法で飾っているところもあることだろう。
 
① 大理石の表面に色を染める。
② その上に図案を描く。
③ 図案にきっちりとそって一定の深さに削る。ここを雑に行うと緻密な作品はできない。
④ 図案にあわせた色の貴石を幅・長さ・カーブ・厚みに気をつかいながら機械で削る。けずる  機械といっても砥石代わりであって、どんな厚み・カーブというのはすべて手作業であり、よい目とよい腕と勘がなければできない。↓
現在のパルチーン・カーリー(貴石の象嵌)_c0067690_1615748.jpg


⑤ 大理石の彫ったところにこの貴石を張りつけていく。接着は何でやっているのか質問したが、「これだけは企業秘密で、答えるわけにはいかない」ということだった。
現在のパルチーン・カーリー(貴石の象嵌)_c0067690_162627.jpg

張りつけると、やや表面より浮き出るくらいに作ってあるので、それを大理石部分と水平になるまで削っていく。
⑥ 全部できてから、さらに仕上げの削りをして、最初の染を落として出来上がり。
現在のパルチーン・カーリー(貴石の象嵌)_c0067690_1621626.jpg


*こうして、貴石を象嵌する技術をパルチーン・カーリー(貴石の象嵌)という。




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by miriyun | 2006-03-01 14:02 | イスラームの工芸 | Comments(0)


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