写真でイスラーム  

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2006年 01月 18日

Arabic map を読む(1)

① アラビア語の地図はもちろんアラビア語だがその中で国や湾など大きい地域をどのように書いているか――
下のArabic map(シリア発行)をみてみよう。その中にひときわ長く伸びた文字が目立っている。

 これはアラビア文字の特色をうまく地図に使った例である。アラビア語は、文字を連結する場合にいくらでも横線を延ばすことができる。(もちろん書体によっては認められないものもある) 
 長くのばすことによって、他の都市名などと混同しないで見分けることができるわけだ。
たとえばオレンジ色の国の中には斜めの文字がある。この「アルムマッリカトゥ・アルアラビーヤトゥ・アルサウディーヤトゥ」とあるのがサウディアラビア王国をあらわしている。
Arabic map を読む(1)_c0067690_2250894.jpg

② 地図の右上の湾を見よう。
 日本の地図で、ホルムズ海峡の内側の湾を見るとペルシア湾となっている。ペルシア湾の海も沿岸の国も石油の埋蔵量の多い土地として新聞やテレビでもたびたび使われる地名である。 
 この地図でペルシア湾を探して次の文字のうちどちらを発見できるだろうか。   
             ≪↓下記の文字を参照↓≫
              الخلیج العربی ・・・・・・・・・アラビア湾

              خلیج فارس  ・・・・・・・・・ペルシア湾

 ★この地図ではアラビア湾となっている。
 
 ☆ イラン・イラク・クウェート・カタル・バーレーン・サウディアラビア・アラブ首長国連邦・オマーンに囲まれている湾である。それぞれの国が自分の国の前の海としての思い入れや歴史的な経過もあるだろう。その結果、当然イランがペルシア湾と呼び、アラブ諸国がアラビア湾とよぶのだ。

 ☆ このように、日本でこれが万国共通と思っている地名が、実は異なる呼び方がされているという例は数多い。

 (地図は国家の主張と思惑が関連し、実は数多くの難しい問題もはらんでいる。しかし、ここではあくまで地図の見方として文化面からの取り上げ方だけにとどめておく。)

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by miriyun | 2006-01-18 22:40 | 中東について | Comments(0)


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