写真でイスラーム  

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2024年 11月 30日

153歳の夢・・・ボスポラス海峡トンネルとマルマライ鉄道

1.ボスポラス海峡を渡る地下トンネルの歴史   

 ボスポラス海峡下を通る鉄道トンネルの建設は1860年、スルタン・アブデュルメジト1世が海峡海底下を通る交通を提唱したときまで遡る。
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↑1860年に作成されたスルタン・アブドゥルメジドのオリジナルの地下鉄通路計画





事業はアブデュルハミト2世の治世下、1892年にフランス人技術士が同様のトンネルを計画し、再度提唱されることとなった。
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 ↑スルタン・アブドルハミットの地下鉄通路プロジェクト計画


しかし、計画が現実の物となることはなかった。



2.現実のトンネル計画は日本の企業とともに    

1997年、10年前に遡る実現可能性の調査結果をもとに提唱され、1999年には必要資金が保証された。計画の準備は2001年に開始された。建設は2004年5月に着工された。トンネルは大成建設率いる日本=トルコ共同企業体によって建設された。トンネルは2008年10月20日に完成し、2009年に線路が敷設された。事業の竣工はシルケジ駅付近で8000年前の発掘品を含む考古学的発見により延期され、予定が伸びに伸びて日本側はやきもきしたところだ。それでも完成に向かってじわじわと進んでいった。

◆この「写真でイスラーム」ではそのころのことを何度か取り上げている。



 当時から、潮流の激しさ・むずかしさに脅かされながらの難工事を、大成建設はそれでも着々と進めてとうとう対岸まで2008年にトンネルが通ったというところまで書いていた。
現在ではあちらこちらの道路や地下鉄工事で当たり前のように使われている巨大なシールドマシーンを海外に持ち出して、マルマライの沈埋トンネルとしては最新の水面下60mに位置するトンネルを作った。

2013年に正式開業 全長13.5km。単線トンネル2本を45km/hで走る鉄道がとおったのだ。


3.153歳の夢
 
マルマライ鉄道の駅でこの言葉を見つけたとき、イスタンブールの歴史を見つめてきた私の心が震えた。
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「153歳の夢は叶えられた」

スルタン・アブデュルメジト1世から始まったボスポラス海峡を鉄道で渡るという夢は、153年という月日を経てかなえられたのだった。

                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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by miriyun | 2024-11-30 17:33 | トルコ | Comments(2)
Commented by jasmine-boo at 2024-12-03 11:39
プロジェクトXで見て、すごい大きなプロジェクトだったことを知りました。
夫は以前から注目していましたが、いつかトルコへ行こう!の動機が増えました(^-^)
Commented by miriyun at 2024-12-10 09:07
jasmineさん、
トルコへ行こうの動機・・・いいですね。
ぜひ海底トンネル建設の歴史を胸にマルマライにのってみてください。
新プロジェクトXで小山さんや木村さんを通して、ほんとうに困難だらけだったことが伝わってきました。やはりこういう仕事は人と人の結束こそが大事だと思わされました。


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