2006年 01月 08日
中東・アフリカのインターネット普及率は低い。もちろんアラブ首長国・カタール・クウェート・バーレーン・サウジアラビアなど湾岸諸国は高い。レバノンもまあまあ高いほうだし、これからもっと伸びていくだろう。 かたや、農業・遊牧中心のイスラーム諸国は出遅れている。いわゆるデジタル・デバイトに直面している。そんなことを調べていたら、時間がまたたく間に過ぎていってしまった。これではいけない。自分の使える時間と能力をわきまえて身近な話題を取り上げていくことに徹しよう。 これから、イスラームの国でであったインターネットカフェとその国に関する雑感を述べよう。年代も場所も様々なので比較もできないのだが、各国の雰囲気が伝わればと思う。 ① インドの富裕層だけ IT 化すすんでいた(インドはイスラーム諸国ではないが、イスラーム教徒もいる関連国として取り上げさせてもらう) ![]() 2000年、一般国民の電話普及もままならなかった時に国際電話をするためにウダイプールの街中の商店2階にあるSTDに行った。当時、自分はPCもメールもさわれなかった。だから、PCもおいてあるんだという認識しかなかったがIT大国インドはインターネットの配置も早かった。 インドのマハラジャとその奥様が運営する舞踊団が2002年に日本にやってきた。その時、連絡を取り合うようになった舞踊家はWebデザイナーとして、当時の日本では見たことのないような高度な企業HPを作成していた。舞踊団の裕福そうな少女たちはメールアドレスを持っていた。 ② レバノンのキャンプの中で驚く! ![]() レバノンの中でも、社会資本の投入が全く行われず、住所がなく郵便の配達も行われない取り残された地域―――それが、パレスチナ難民キャンプである。しかし、通信が不自由であればあるほど次の方策を練るものだ。2001年当時で、キャンプ内にインターネットカフェがいくつかあった。 A:子どもたちがPCでゲームをして楽しみながらインターネットをしている。 B:ビリヤード台とPCを置いて客を待つインターネットカフェ、ただし日本へのメールを送れなかった。 C:国際電話を探してここにきた。オペレーターがPC画面の電話に番号を打ち込むのを見て驚く。IP電話だ!今でこそ、日本でもIP電話という語句が当たり前に使われているが、当時は聞いたことがなかった。それを難民キャンプで見たのは驚きだった。料金国際電話に比べて安い!音質・音量も良好、国際電話にありがちだった、高い・つながりにくい・聞こえにくいの世界とおさらばだ・・・と他国でITに目覚める。それと同時に手紙が届く場所かどうかということと、ITに接する機会があるかどうかと言うことは連動するものではないことに気付かされた。 ③ 空港の有料ラウンジにて ![]() マレーシアのクアラルンプールKuala Lumpur 空港 トランジットのため5時間待ち。その時に家に連絡するために使ったのが Plaza Premium Lounge RM75、つまりアメリカドルで18㌦で、軽食、飲み物、ソファー、マガジン、シャワー、インターネットなどが自由に使える。18ドルという安いホテルに充分泊まれる料金を空港で使うのは無駄と思うかもしれない。しかし、自分は言葉が不自由なうえに小心者で、じっくり準備して石橋をたたいて行くほうなので、安全と情報収集や家族への連絡についてはお金をかけなければと思っている。 ④ チュニジアはPUBLINET ![]() チュニジアでインターネットカフェを探す。こればかりは「地球の歩き方」にも載っていなかった。 A:奥まったところであり、表示も小さいのでしっかり見ないとわからない。アルファベットでPUBLINETとあるのは、もしかしてフランス語か?フランス語がわからないので不明。でも、一番上の行にアラビア語でインタルナートゥと書いてあったので安心した。 5台ほどPCがあり、デスクトップからフランス語になっていた。チュニジアでは何度このフランス語に悩まされたことか!ここから英語を想像してたぶんこことか思いながら何とか家にメールを打つ。当然日本語サイトにはならないからローマ字として打つ。一時間かかった。しかし、どうやったのか覚えていないので同じことは二度とできない。 B:ホテルでどこにあるか地図を出して聞くが、地図もおおざっぱであるし、教える側も地図をよく使えない。だからわかったつもりで探してもなかなか見つからない。そんな中で周囲のチュニジア人に教わりながらたどり着いた。 わかったことーーチュニジア人はすご~く親切だ。公衆電話と一緒に経営。看板が目立たないが、ここはアラビア語と珍しく英語で表記されていた。・・・店主が来ないので結局つかえなかった。 *チュニス新市街はフランス化したオシャレな町だ。でも通信面はまだまだ弱そう。そういえば、ここから出した葉書3通は結局届かなかった。 ⑤ イエメン…ホテルのビジネスセンター&町のインターネットカフェ ![]() A:イエメンの中で一番高級だったアデンのホテル。このくらいだとビジネスセンターがあって 使える。表記はアラビア語と英語。ただし高い、そして何とかSDカードのデータをUSBディスクに移したくていろいろ触ってみたが無理だった。 B:サナアの街を散策中に見つけた。ガラス越しにアラビア語表記が見えた。店の名前はザフラ、その名前がデスクトップに書かれていた。 ⑥ U.A.E.のドバイ・・・リビエラホテルのIT度 きれいな調度のビジネスセンターがあり、2台のピカピカの高速インターネット回線のPCがあった。ただし、FAXはすごく高い。シリアに1枚送って1500円くらい。いっぱいになったカメラのSDカードの中身を移すのはできない。仕方ないので、ホテルのすぐ裏が電気街なのでSDカードを買いに行く。日本製ではないが購入してみたら日本で買うのと同じくらい。今でも使っているので品物も確かだ。 ⑦ シリアのあるホテルの場合? 最初から最後まで上手く行かなかった。それどころか見覚えのあるgoogle/ yahooにも届かなかった。いろいろさわって、あるリカバリソフトがあればというところまでわかったがホテルの従業員が何もわからなくてソフトもわからなかった。 この後、忙しくて町のインターネットカフェには行かなかったが、使えるのが数軒あることがわかっている。旅をしながら、次々と日本語環境を作っている達人がいるらしい。 ★雑感 こうしてみると旅行者もホテルやインターネットカフェを使えばどこの国でもそこそこ情報をやり取りすることができる。また、日本から青年海外協力隊員や商社マンとして住みついても必要なネット回線をつないで交信できている。(二ジェールとかは厳しいらしいが・・・) ただし、だからと言って一般の国民まで普及しているかと言えば、そうではない。 ★ 現在、インターネット普及率が低い国もいつかは普及してくる。 しかし、ビジネスでは違う。世界は狭くなり、世界の資源を食いつぶしながら先進工業国がばく進している。 相手がどんなことを考え、世界がどうなろうとしているのかを知ることは必要だ。そのビジネスの中でインターネットがほぼ全面的に使える国と10%ほどの企業しか使えない国とでは歩み方が違ってしまう。 その辺を考え機敏に動いている国、動かない国、別の価値観を持ってゆったりとすすむ国に分かれているように見える。 blogランキング参加中、一日一回ポチッとお願いします
by miriyun
| 2006-01-08 23:01
| 中東について
|
Comments(4)
![]()
イエメンのネットカフェは、日本語が使えるところが多くてビックリした記憶があります。私は使っていませんが、友人が「日本語のネットが使いたければ、あそこと、あそこと、、、」と教えてくれたので。バックパッカーさんたちが開拓してくれてるのでしょうか?
ドバイは、ビジネスマンが多いからでしょうが、シンガポールほどではないですけどホテルのお部屋に回線が引かれてたりFAXが置いてあったりして結構助かりますよね^^
0
知っている人は知っている、けれど知らない人はネットを使えるかどうかも知らない・・・というところだと思うので、今回こんな特集をしてみました。結局、行った人の情報をできるだけ集めておくに限りますね。また、カフェの具体的情報がありましたらよろしくお願いします。
リビエラホテル」あたりでもじぶんのPCを持っていればROOMでつなげられますね。ほんとは超軽いのがあれば持って行きたいところです。
お久しぶりです、huiの大統領!お出かけでしたか?また、いろんな情報をいただきに伺わせていただきますね。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。 |
アバウト
![]() *写真を使って、イスラーム地域や日本の美しい自然と文化を語ります。日本が世界に誇る人物についても語ります。フィギュアスケーター高橋大輔さんの応援ブログでもあります。 by miriyun カレンダー
記事ランキング
タグ
高橋大輔・フィギュアスケート(345)
季節の風物・日本の光景(334) ★アラビア書道(161) ◆イスタンブル歴史紀行(143) UAE(ドバイ・アブダビ・シャルジャーなど)(140) シリア(86) ◆料理とお菓子と(86) イエメン(85) 本田孝一氏Web作品展(70) トルコ(64) Fuad Kouichi Honda(63) ◆時の話題(62) チュニジア(51) ◆ラクダ(50) マレーシア(49) ◆砂漠・砂漠化・砂・蜃気楼(48) ヨルダン(44) イラン(ペルシア)(44) サハラの情景(43) アラビア語のカリグラフィー(38) ペトラ遺跡(37) ◆各地のモスク・廟・メドレセ(35) 文様の話(植物文様・動物文様・組紐文様など)(34) 港ものがたり(34) ◆子どもたち(32) 鳥(クジャク・ハト・カモメ・シラサギ・ダチョウなど)(32) アラブ・チャリティー・バザー(30) オスマン帝国外伝(29) イスラームの工芸(エブル・テズヒーブ・金彩・装丁)(29) ◆砂漠の植物・その他の植物(28) ◆衣生活*民族衣装(27) ★ライオン紀行(27) 植物の話(葦・ザクロ・綿花・桑・オリーブ・ひまわりなど)(27) サラディン(26) モザイク紀行(26) 王ヶ頭ホテル・美ヶ原(25) ◆世界の家のつくり・材料(25) アル・マハ・デザート・リゾート(25) ◆人々と暮らし(24) 日食・月食・星・虹・幻日・ブロッケン現象・サンピラー(24) ウズベキスタン(サマルカンド・ブハラ・タシケントなど)(23) 桜(23) アブダビ(23) 絨毯・キリム(23) ◆国際協力(JICA・青年海外協力隊・NGO)(23) ◆象嵌(貴石・大理石・貝・金属など)(22) ◆ペトラ特集(22) クローズアップ人物(22) 東京ジャーミー(モスク)(21) ◆古代エジプト(21) レバノン(21) ◆馬・牛・ロバ・ヘビ・家禽(21) タイル(21) オリンピック開会式・他(20) シェイク・ザーイド・モスク(19) ナツメヤシの話(19) ◆光の技・朝景・夕景(19) 映画と史実・撮影地・エピソード(18) ◆ワディ・ラム特集(18) クイズ(18) 水生植物(睡蓮・蓮など)(17) 世界のフルーツの話(17) ローマ帝国(17) イマーム・モスク(16) ◆レイクパレス(16) 京都(15) 東日本大震災(15) 猛禽類(鷹・ハヤブサ・梟・鷲)・鷹狩(15) ◆飲み物(お茶・コーヒーなど)(14) エジプト(14) ◆ミニアチュール(14) カンボジア(14) 航空写真(14) ミマール・スィナン(シナン)(13) デーツ(13) アヤ・ソフィア(12) サウジアラビア(12) ◆ウマイヤドモスク特集(12) トゥーラ・トゥグラー(11) ◆トプカプ宮殿(11) ブルジュ・ハリファ(11) アラビアン・オリックス(11) ◆結婚式・割礼式など(10) ◆水の話・水道橋・貯水池(10) アラビア書道の年賀状・カード(10) 佐竹史料館(10) ペトロナスツインタワー(10) ★刺繍・布・織りの世界(10) ◆古代文字(ヒエログリフ・楔形文字・ローマ・ナバテア文字他)(10) パピルスの話(9) ◆日本との関連(9) ◆暦・古天文・科学(9) 熱気球の旅(9) ダマスカス(9) 浴場・風呂の話・テルマエ・ハンマーム(9) ミナレット(マナーラ)(8) 武士の文化(8) モスクのつくり(ドーム・天井・ミフラーブ・ミンバル・絨毯他)(8) コンスタンティノープルの陥落(8) ◆オアシスとその周辺(8) 最新のコメント
お気に入りブログ
ヒンズー語ではありません。 中東イベント情報 アフガニスタン/パキスタ... イスラムアート紀行 はなももの別館 部族の絨毯と布 caff... Over the Blue アジアⅩのブログ 旅と絨毯とアフガニスタン トルコ~スパイシーライフ♪ にっと&かふぇ ギャラリーもっこ堂 アートなD1sk 前田画楽堂本舗 森の釣り人 アトリエサフラン トルコ... ツルカメ DAYS ソーニャの食べればご機嫌 - イスタンブル発 - ... わんわんぶー *********
・・・・・・・・・・
イスラームの自然や文化の写真はすべて自分の撮影したものです。ご利用になりたい方は非公開コメントにしてコメント欄に連絡用メアド等記入してください。 ▼△▼Ranking▼△▼ *応援ありがとうございます ![]() ◆It is prohibited to use the photograph, the image, and the illustration published in this blog without permission. ▼リンク集(エキサイト以外)▼ ◆こよみのページ ◆茉莉千日香 luntaの大きい旅小さい旅 いち子ばーばのお針箱Ⅱ 旅のミラクル 風と花を紡いで Kの庭 CROKO NOTE 地球散歩 エジプト大好きAnnyのひとりごと エジプト旅行カバン 中東ぶらぶら回想記 Asian Memories ETHNOMANIA 優しい世界の作り方。 のぶヒろぐ~漆喰について日々考える~ シンガポール熱帯植物だより+あるふぁ 実りのとき The Japanese Dubai ************* ☆日本アラビア書道協会(JACA) ☆アラビア書道とその周辺 ▼▼▼▼▼▼ ▲自己紹介▲ ☆写真・・・カメラを通すと新しい視点が与えられます。 ・TV番組や書籍に採用されています。(使用をご希望の方はコメント欄にご記入ください。) ☆文字・・・ヒエログリフ・楔形文字・マヤ数字・トンパなどにはじまった文字への思いは、アラビア書道に昇華しています。 ・アラビア書道 IRCICA国際競書大会 第4回・第5回・第6回いずれも Incentive Prizes 入選 ☆自然・・・イスラーム地域や日本の自然のささやきをひろってきます。ただし、最近はアジア・ヨーロッパなども含めて幅広く書いています。 ☆文化・・・いろいろな地域の文化比較や相互の関連を見ていきます。 ★これらが一つに重なって大きなライフワークになっています。 ☆また、スポーツの世界で稀有の芸術性を体現するフィギュアスケーター高橋大輔選手の魂の演技を見つめ応援しています。 ◆アクセス数(2006年5月ネームカード導入後のカウントで表記) 2017年 700万アクセスとなりました。 ご訪問ありがとうございます! ◆Welcome!! (2009.03.28より設置) ☆最新の来訪国等 ようこそ!(^_^)/ 183か国目マン島 182か国目セントルシア 181か国目マリ 180か国目バヌアツ 179か国目トンガ 178か国目バルバドス 177か国目キュラソー(オランダ領) 176か国目ジブラルタル 175か国目モーリタニア 174か国目ジャージー 173か国目セイシェル ▼▼▼▼▼▼ ◆こちらは自然と文化を一個人が自由に語るブログです。内容に関係のないコメントおよび販売を目的としたコメント、各種中傷、政治的発言等はこちらで削除させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。 ブログパーツ
カテゴリ
全体 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) アラビア書道 カリグラフィーを読もう サラディン紀行 Fuad Kouichi Honda ヨルダン イスラームの工芸 トルコ 絨毯・キリム シリア 東京ジャーミー(工芸) イラン(ペルシア) 日本の中のイスラーム 食べ物・飲み物 中東について レバノン イスラーム全般 写真館 中央アジア 数字・文字 チュニジア エジプト その他 インド U.A.E. 文様の伝播 マレーシア サウジアラビア 日本 動植物 カンボジア 空・太陽・月・星・雲 菜園・ガーデニング スペイン フランス 未分類 以前の記事
2025年 04月 2025年 02月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2023年 10月 2023年 09月 more... 検索
外部リンク
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||