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2006年 01月 07日

車事情・・・日本と中東、そして中国・韓国

  各国の車事情はどんなものだろう。それは、傷だらけのシバームの車からはじまった疑問だ。
★タイ・・・まずA.K.さん協力による画像から。協力に感謝。
  タイでは、急速な車社会の発展で都市部は渋滞も激しい。日本車の販売店がずらりと並び、走っている車の画像でわかるように日産・いすず・トヨタ・写真はないが本田など日本車は次々と目に入る。ただし、他国の車を意識していないのでその点は不明。
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 このように、日本の輸出産業の花形である自動車は各社とくに大きな差はなく売り込んでいるようだ。

★イエメン
 ①まずはどんな車が走っているか?
イエメンでは車の90%は日本車である。2002年イエメン大統領アリ・サーレフも日本車を絶賛している。中東調査会の中の現地報告の中に次のような一文がある。 

アリ・サーレフ大統領が車を運転。私は助手席、英、独、仏の大使が後部座席に座って、ソコトラ島巡回の旅が始まった。日本製ジープのハンドルを握った大統領は、「やっぱり車は日本製に限る。この間はハドラマウトでランドローバーを運転したが2日で故障した。」英大使は苦笑してノーコメント。「大統領閣下、メルセデス・ジープをご存知ですか」と独大使。大統領曰く、「知っている。しかし日本車にはかなわない」
   (駐イエメン特命全権大使 大木正充氏のイエメンだより引用)


 更にそのうち80%はTOYOTAである
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↑ *左上:大人も子どもも大勢で乗りあわせる。座れないほど乗り込んだり後ろにしがみついているのはよくあること。ただし、自分がこれまで見た範囲ではしがみつき度が高いのはインドだった。クーフィーヤで顔を隠している様子を見ると、この人はなんで顔を隠しているのかと思う人もいるかも知れない。実は土ぼこり舞うところや日差しの強いところではどんな布でも巻きつけたほうが賢い。自然環境次第で服装は変わる。

 *右上:ライトエース。舗装していない道路ではほこりがもうもうとなる。日本なら霧で見えないときがあるがここでは土埃で視界50mかというときもある。後ろのガラスのアラビア語は「アッラーは唯一、ムハンマドはアッラーの使徒である」 ムスリムの国ではよくこのように車に書き込むことがある。そういえば、日本ではお正月に車に安全祈願のお札を飾ることがある。あれは神社でもらうから神道によるわけだ。

 *下:ジャンビーアダンスをしている運転手さんたちの後ろにランドクルーザーが並ぶ。イエメンは山岳と無舗装道路が多い。砂漠もある。なんといっても4WDがもっとも有用であり、しかも多くがTOYOTAである。

 ②では、その他のメーカーはどうなのか?
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↑ *左:三菱のトラック(ただし、①ナンバープレートがない ②車の装飾に関心のない
    イエメンらしくない装飾がある。だから、パキスタンあたりから入ってきた車かもしれない。
 
  *右:いすゞのトラック・・・ビニール関係のものを運んでいたが、積載量や積み上げの
    高さや幅制限はないのか?と疑問がでてくる。
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↑この車はどこのメーカーか不明。なぜならエンブレムを注目!
  ライトの間にはSのスズキのエンブレム
  その上のほうを見るとTをデザインしたトヨタのエンブレム
         「エンブレムを飾りに使ってないかーッ!?」

 ③イエメンの中古車
 ここでは、中古車の流通ルートも確固としたものとしてあるようで、相当な数の中古営業車が入っている。多くの車がほこりだらけなのに、どうして中古とわかるのか?
 イエメンには、ここは日本かと思うほどに「**幼稚園」「**商事」「**温泉旅館」なんていう名前や絵が入っている車が走っているからだ。
 どういうルートで入ってくるのかはわからないが、一つわかるのはイエメン人は家を飾るほど車には気を使ってないということだ。

 ④パトカー↓ 
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 イエメンではいっせいに新車を購入したらしい。しかし、少々気になるのは、最近導入したパトカーはすべて韓国のヒュンダイであることだ。 

    
★アフガニスタンの車情報
       ・・・『アフガニスタン駐在日記』のkentaさんからいただきました。
           ご協力に感謝いたします。             
  kentaさん曰く、
「アフガニスタンではトヨタ車が圧倒的に多いですね。一番多いと思います。 国連、NGOなどはランドクルーザーが多く、一般の人は、カローラ、 カローラワゴンに乗っている人が多いと思います。」    


* 期せずして、アフガニスタンもトヨタが圧倒的という貴重な情報をいただいた。4WD人気ということもあるが、それにしてもくここまでTOYOTAが普及するには並大抵のことではなかっただろう。
  もちろん、国や地域によって需要が異なるわけで、日本のどのメーカーも、得意とする地域を持っている。そして、世界の多くの国で日本車を売り込むためにプロジェクトX並みの営業マンの努力があったに違いない。

  しかし、最近の国際情勢で日本人の商社マンやメーカーの営業マンもやや中東への進出を抑え気味なのに対して、前述したように韓国車が強力に売り込み、日本の市場だったところに食い込んできている。この事実と、04年に中東を歩いたほんの少しの日数でさえ各地で中国人ビジネスマンが闊歩するのが目に付いたこと、この2点から、今後も日本という国が貿易面で優位にたち、資源の不足する点を補っていかれるのかいささか不安を感じた。 
 
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by miriyun | 2006-01-07 01:33 | 中東について | Comments(2)
Commented by kenta at 2006-01-09 00:10
おーっ、自分のコメントが載っている!とっても嬉しいです。引用していただいてありがとうございます。それにしても車に関する深い洞察ですね。韓国車が各地で進出していることは知りませんでした。こっちでも要チェックですね。そういえば、カブールでも「○○温泉」とか「××工務店」とかの中古トラック・バスをよく見ます。どういうルートで入ってきてるんですかね。面白いもんですね。
Commented by miriyun at 2006-01-09 04:07
kentaさん、見ていただいたとおり、とても貴重なコメントでありがたく使わせていただきました。御礼を申し上げます。そのうちkentaさんが日記で車のことを書かれたらこことページリンクさせてください。
アフガニスタンとイエメンは山岳地帯だし共通点が出てきますね。○○温泉、やはりありましたかー。それから、アフガニスタン人はもしかして器用ですか?前にTVで空き缶で作ったパラボラアンテナがでてきて、感動していたんですが・・・、どうでしょうね。


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