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2021年 08月 17日

スルタンと妃・母后…オスマン帝国外伝

1.オスマン帝国外伝を配偶者や母后から見る    
 オスマン帝国の系譜は長く複雑だ。それにたくさんの大宰相・宰相に妃、側室、母后、が権力にかかわってくる。
 一度にその長い歴史をたどることはできないが、重厚な建物や華麗な衣装、武器に書道具まで目の当たりにできるドラマは歴史を身近に感じやすい。あくまでドラマ化しているということは前提だが、人物や時代背景・歴史的事実はできるだけ取り入れて描いているようだ。

 オスマンの支配者をスルタンというが、皇族である后や母后への尊称としてスルタン~と呼ぶこともこのドラマで知った。

さて、オスマン帝国外伝の前作と新作に描かれている時代には37年ほどの間がある。
そこで、その時代背景として、スルタンと配偶者、新作では母后が力を持つ場面が多いのでまとめてみる。

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赤字・・オスマン帝国外伝前作の時代
緑字・・新・オスマン帝国外伝の時代
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10代スレイマン1世 壮麗王     在位46年 配偶者ヒュッレム、マヒデヴラン
11代セリム2世 スレイマンの子   在位8年  配偶者ヌール・バヌ

12代ムラト3世 スレイマンの孫   在位21年
13代メフメト3世 スレイマンのひ孫 在位8年 配偶者ハリメ、ハンダン

14代アフメト1世 スレイマンの玄孫 在位14年 配偶者 マフフィルズ、キョセム 
15代ムスタファ1世 14代の弟 在位3か月 母:ハリメ
16代オスマン2世 14代の子 在位4年  母:マフフィルズ
* ムスタファ1世 (復位) 在位1年 母:ハリメ
17代ムラト4世  14代の子 在位17年 母:キョセム
18代イブラヒム1世 14代の子 在位8年 母:キョセム
19代メフメト4世 18代の子 在位39年 母:トゥルハン キョセムは祖母として強権
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2.    

 前作は圧倒的な権力のスレイマン大帝とヒュッレムをめぐる物語でそこに大宰相イブラヒムやスレイマンの妹ハティジェなど魅力的な人物が次々と登場しては消えていった。

 新作はわが子をスルタンにして母后(ヴァリデ・スルタン)にならんとする女性たちが目まぐるしく動く。
13代の配偶者ハリメとハンダン
14代アフメト1世の配偶者 マフフィルズとキョセム

スルタンと妃・母后…オスマン帝国外伝_c0067690_00194811.jpg
↑ドラマにおけるアフメト1世とアナスタシア

                           
そして新作の主人公としてのキョセムは、ギリシャノティノス島の娘アナスタシアとしてハレムに登場する。マフペイケル(美しい月)という名前を付けられた。イスラームでは月を表現されるのはうれしいことで、スルタンスレイマンの娘ミフリマーフが月の姫よと呼ばれていたことが思い出される。
スルタンと妃・母后…オスマン帝国外伝_c0067690_09461953.jpg
↑肖像としてのキョセム

 力を持つに従い、キョセム(群れの指導者)と呼ばれるようになる。アフメト1世のお気に入りの妃として力を持ち、多くの子を産むが、アフメト1世が亡くなると、旧宮殿へ追いやられた。不遇な時代を超えて、自分が生んだ皇子が即位すると圧倒的な権力を握った。

 権力の高低差は激しく紆余曲折はありながら、その力は14代アフメト1世の妃としての時代から、19代メフメト4世の治世の初期まで続いた。



                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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by miriyun | 2021-08-17 23:59 | トルコ | Comments(0)


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