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2020年 10月 03日

スレイマニエ・ジャーミィ―とその手前

1.ガラタ橋からの風景    

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霧のスレイマニエ・ジャーミィ(モスク)。絵のような風景だ。
象徴的な4本の塔が見える。しかし左下にも塔が1本のジャーミィある。

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夜景。丘の上のスレイマニエジャーミィ(1550年着工、1557年完成)に対して、丘のふもとにあるので近くから見ると1本の塔が重なる位置にある。

左下はスレイマンの大宰相リュステム・パシャ・ジャーミィ(1561年着工-1563年完成)。
よく言えば、スルタン・スレイマンのもとに控えていますよとも見えるが、この近さで塔を備えると景観を邪魔しているように見える。
「オスマン帝国外伝」でのずるがしこく、陰謀をたくらむリュステムの印象が強すぎるせいかもしれないので割り引いて考えなければいけないが、このドラマを見る前から、「なぜこの位置?」と思っていたことは明確に覚えている。



2.違う位置からも見てみよう    

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1本の塔がスレイマニエのドームに重なっている
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船着き場から。右下に見えるが、まるでスレイマニエの塔の延長のようになる。

このモスクは、スルタンスレイマンが亡くなっても力を持ち、莫大な財産を蓄えていたリュステムが建てたモスクで、外は地味だが、中は最高のイズニック・タイルをふんだんに使った豪勢なモスクである。この場所はリュステムの思惑なのか、妻であったミフリマーフ皇女の願いだったのか興味深いところだ。
 世界の帝王、パーディシャー、スルタン・スレイマンが生存していたら、この位置に建てることを許しただろうか。


3.遠景   
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船で遠ざかっていくとスルタン・スレイマンの大モスクだけが見えるようになり、なぜか安心する風景となった。
                                                                                                                                                                                                      
                                       
                                                    
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by miriyun | 2020-10-03 18:32 | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2020-10-04 18:50
指摘されなければスレイマンモスクの前に
もうひとつモスクがあるとはわからないほどです。
オスマン帝国外伝の小物なイメージでしか
ないリュステムでずが、スレイマンモスクの前に
自分のモスクを作ったということは、
スレイマンの最後まで大宰相として、
またミフリマーフの夫として一生を終えたということですね。リュステムにちょっと興味が湧きました。
Commented by miriyun at 2020-10-05 13:48
リュステムは莫大な財産を抱えるほどの成功者です。
リュステムパシャジャーミィは、下はバザールで2階部分にモスクの形なので,
そうまでして、この位置にこだわったのかもしれないと思ってしまいます。
モスクの修繕費等をバザールの収益から積み立てられるので、効率はいいのですが、真相はわかりません・・。


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