写真でイスラーム  

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2019年 10月 04日

イブラヒムパシャの庭にて

1.イブラヒムパシャ

 トルコは今自分の中では16世紀がテーマになっていて、とくにスレイマン1世とその大宰相であったイブラヒムに注目している。もろにオスマン帝国外伝の影響下にあることを認める。
 現在のギリシャ領パルガに1493年に生まれ、デヴシルメにより強制徴用され、奴隷階級から大宰相まで上り詰めた人物である。最も当時のデヴシルメという仕組みは外部から連れてきたキリスト教徒の子供をイスラム教徒に改宗させ、各種の素養から技術まで徹底的に教育して、将来の官僚・官吏・軍人などに育てあげる仕組みだったので、いわゆる鎖につながれた奴隷というイメージとは異なる。
 条件は異なれど出世ぶりだけをみれば、百姓の息子日吉丸が織田信長に見いだされ羽柴秀吉(のちに豊臣)という戦国大名になっていく様を見るような痛快なほど出世した人物だ。
 
 大宰相イブラヒムパシャの家は石造りで、そのため、家の盛衰はあっても、建物としては現代まで残された。

2.イブラヒムパシャの庭園    
まずは、あまりの居心地の良さにどっぷりはまってしまった庭園から。
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オリーブの木の下に、ラベンダー
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ラベンダー通りと言いたくなるほど高さのあるラベンダー
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蝶が無数に飛び交い、蜜を吸う。
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東屋のようでもあるが、長さが廊下のような屋根つきのところにすわれば、夏の暑さの中でも心地よい。
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風が吹きわたる。

なぜなら、イブラヒムパシャの庭園は2階部分にある空中庭園。
ここにある写真は全て2階なのだ。

女性たちはむやみに見られることなく風景を眺めることができる。


 屋上かというとそうとも言えない。

この庭園の横に3階への階段があり、そこには広い部屋や小さな部屋が庭園を見おろすように連なっているのだ。
皇女ハティジェとイブラヒムパシャが愛しんだ庭園、もちろん今ある植物や配置が同じだったわけでないだろう。ドラマのように中央にあずまや、あるいは噴水が置かれたのかもしれないし、彫像を置いたのかもしれない。

 時を遡って妄想できる~そんな空間だった。
                                                                                                                                                                                                        
                                       
                                                    
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by miriyun | 2019-10-04 22:09 | トルコ | Comments(6)
Commented at 2019-10-05 07:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by スカウトチーム at 2019-10-05 13:44 x
【海外情報メディアとの相互協力・記事執筆依頼】
ブログ運営者様
先日連絡したTripPartner運営事務局です。(https://trip-partner.jp/ )
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範國(ノリクニ)宛(director@trip-partner.jp)にメール頂けますと具体的な内容等を相談いたします。(その際メールにブログのURLを記載ください。)
何卒宜しくお願い致します。
※既に返信頂いた方・ライター登録頂いた方がおりましたらご放念ください。申し訳ありません。
Commented by petapeta_adeliae at 2019-10-05 23:42
外伝を見ているとほぼ他国から連れてこられた集まり。
強制的に連れてこられたにも関わらずあの忠誠心。
つくづく生みの親より、育ての親? なのだろうか?
と考えてしまいます。
Commented by miriyun at 2019-10-08 14:41
鍵コメさま
どこの国でも詩作は素養の一つと考えるのでしょうか。平安の大宮人たちも短歌を読むことは
息をするかのように自然だったのではと思われます。
パシャの庭、本当に心地よい場所でした。
Commented by miriyun at 2019-10-08 14:43
事務局様
お返事のメールを差し上げました。
Commented by miriyun at 2019-10-08 14:46
ソーニャさん、
確かに、軍部・官吏・後宮も外部からの徴用がとても多くて、
その中で切磋琢磨していく様子が見られます。
実力も備わりますが、権力へのあくなき欲求も
すごいものがありますね。


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