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2018年 04月 06日

ダーダネルス海峡

1.海峡というもの
海峡と言えば、これまでボスポラス海峡は良く取り上げてきたが、世界のどこの海峡も歴史の上では新航路をめぐる船長の思いや貿易航路の問題、そして国益を争う国家間の戦争に至るまで色々な場面で登場してくる。マラッカ海峡など日本の貿易ルートとしても安んじていてはならないところである。
また、源平合戦の最後の戦場で義経が采配した壇ノ浦の戦いは関門海峡の最も狭隘な海域で、汐の流れを読んでこその戦いであった。
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 このように海峡というのは、戦いでも交易でも大変重要な所として歴史に登場してくる。


2.黒海から地中海へ
 このところ、撮りためておいた銀河チャンネルの歴史ドラマをまとめてみている。ドラマであるから視点は様々で、史実に正確とは限らないが、それを承知で見ていればそこに出てくるものは実に興味深い。
 オスマン帝国のスレイマン大帝の物語の配信の続編がまだ来ないので、「クイーンメアリ」(今週から水曜の夜に続編が始まった)やロシアの女帝「エカテリーナ」(最終回まで終了)なども見ていくと、それぞれの国が時代は違えど、どれほど互いに対峙しどこを要としておさえようとしていたのかはそれぞれの国の視点で抑えてあるので、それが一致するところが面白い。

 かって、後進国としてヨーロッパ諸国から野蛮な国として嘲笑されたロシアに現れたピョートル大帝はけた外れの行動力で自ら船大工として弟子入りするなどして、部下たちも学ばせて海軍の創設に至る。
 その悲願はロシアから世界へと発展するために海に出るということだった。しかし、ロシアが面しているのは凍ってしまう海。凍らない海は黒海だ。黒海から欧州やトルコと肩を並べ力を持っていくには地中海に出たい。そのために、近世・近代にいたるまでずっと見続けたのが黒海から地中海への航路だった。
 エカテリーナらは黒海沿岸の土地を抑えるために戦い、海軍を強いものとしてトルコ軍にも勝利したことがあるのでエカテリーナ大帝と称された。

 ロシアがめざし、オスマントルコが死守した海峡がボスポラス海峡とダーダネルス海峡だった。
そして、これはロシアだけではなく、オスマントルコと戦ったすべての国にとって、これらの海峡はキーワードになり続けたのだった。

3.ダーダネルス海峡
ダーダネルス海峡はボスポラスと同じようにトルコ領域内にあり、ヨーロッパ側とアジア側にはさまれた海峡である。狭隘な海域は幅1200mほどで対岸が見える。ヨーロッパ側の地域はガリポリ半島という細長い半島であり、そこから対岸へはフェリーが出ている。
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ヨーロッパ側を出航して、
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庶民の生活に密着したカーフェリーは庶民の脚として毎日役立っているものだ。
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そしてわずか20~30分で対岸のアジア側につく。チャナッカレという地域である。ここから古代の古戦場トロイは近い。
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手書きの地図は見やすいように海峡の幅を広めに書いたが、実際はもっと細い。
このような近さなので当然、要衝としてどちら側にも砦や城が築かれる。
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上の写真では左右にヨーロッパがとアジア側を見ることが出来る。そこをイスタンブル方面へと行く船が点のように小さく見える。その船を左右のどちらからでも狙うことが出来るのが写真からでもわかるだろう。

こういう場所であるから、ここを通る権利をロシアがトルコと交渉したり、戦争の要衝になったりするのも必然だった。

 近代での大きな戦いとしてはガリポリの戦いがある。
第一次世界対戦のとき、連合国側の英仏軍はこの海峡をにらむガリポリ(トルコ語ではゲルボル)半島に上陸作戦を敢行し、そこから首都イスタンブールを落とすという作戦でチャーチルが動いた。この時力の衰えたオスマントルコに突然現れたのが、ムスタファ・ケマル(のちのケマル・アタチュルク、トルコ建国の父)であり、彼の働きでトルコが勝利をおさめ、チャーチルは苦渋をなめることになった。

 海峡を注目するだけでいろいろな歴史が見えてくる。そんなよもやま話でした。 

                                                    
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by miriyun | 2018-04-06 03:29 | トルコ | Comments(0)


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