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2016年 04月 28日

『ヤー・スィーンの聖板』 The Sacred Plate of Ya Sin…アラビア書道作品

A Gallery of Arabic Calligraphic Works of Fuad Kouichi Honda
   ≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集

 『ヤー・スィーンの聖板』 The Sacred Plate of  Ya Sin…アラビア書道作品_c0067690_120481.jpg

          ↑ 画像の上で一回クリックしてください。大きくして見ることができます。(You can click this photo to see a larger image.)


Web作品No.24
『ヤー・スィーンの聖板』 The Sacred Plate of Ya Sin

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・内容:Holy Qur’an ,an entire chapter of Surah Ya Sin (The Chapter of Ya Sin)
『コーラン』、ヤースィーン章 全章

「神が有れと命じられると、すなわち有る。御手で万有を統御なされるお方に讃えあれ。あなた方は神の御許に帰る。」 
夜の雲の重なりの中に「ヤーシーン章」が規則的に並んでいる姿が心に浮かんだ。

・書体:Jaly-Diwany style,
  ジャリー・ディーワーニー書体
・大きさ:縦112cm×横231cm
・材質/技法:(文字)レタリングゾル・ドローイングインク
      (彩色)アクリル絵の具
・制作年:2010年
・所蔵先: Islamic Arts Museum Malaysia
    マレーシア・イスラム芸術博物館

・撮影:M.Kobayashi
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                以上、ここまで公式。

◆ここから下は、鑑賞の参考までに個人的に書かせていただいているものです。人それぞれに異なる感性で感じ取ってイメージをお楽しみください。

 まず、非常に大きな作品であり、是非,上の写真をクリックして全体像を見ていただければと思う。


◆この作品は濃密に組み込まれた雲の上の文字空間の妙に味がある。

 あえてヌーンというつぼ型の文字が並列するように、文字を緻密に並べる。すると、もちろん文のすべての行が同じ長さにすることはできず、左右に長さの違いが出てくる。
 それが、また作者のインスピレーションに現れた夜の雲というイメージにあっている。

 ぎゅうっとまとまった雲にヌーンが縦に配列され、
時に離れたところにもぽつりとつぼ型ヌーンがおかれている。

 それがアクセントやリズムとなって飽くことなくこの美しい文字群を見つめることになる。
夜をあらわす深い青と共に遠目からまず楽しみ、そして次にはぐうっと近づいてアラビア文字をじっくりと堪能したくなる作品である。

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by miriyun | 2016-04-28 01:47 | Fuad Kouichi Honda | Comments(4)
Commented by petapeta_adeliae at 2016-05-04 22:44
いつもながら美しいグラデーションです。
同じ位置にポッチがあるので、コーランでは上がり、
下がりのポイントなのかしら?
なんか楽譜のようですね。
Commented at 2016-05-06 01:19
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2016-05-09 01:37
ソーニャさん、
同じ位置なのは、文字の形が同じになるように、わざわざ位置を考えてデザインしているからです。このデザイン過程がとても大変です。とくにこの章句のように長い言葉であると、これだけそろえるのはとても難しいことですね。
美しいグラデーションを見ると、やはり色遣いは作者のセンスが出るところだとつくづく思うのでした。
Commented by miriyun at 2016-05-12 06:40
鍵こめさま、
ヌーンの連なりをご覧いただいて、この章句についての想いと深い鑑賞眼に、ハッと目が覚めるような気がしました。
いつも新しい視点を与えてくださるコメントがとても嬉しいです。
また、しばらくweb作品展が続いていきますのでまたご覧ください。


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