写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2015年 06月 03日

渡辺謙 in New York

渡辺謙 in New York_c0067690_6501113.jpg


1.「王様と私」Shall We Dance

マーガレット・ランドンが1944年に発表した小説『Anna and the King of Siam』(アンナとシャム王)を原作として、1951年に初演されたミュージカル作品である。そしてこの話の中の主題歌とも言える楽曲がシャルウィダンスだった。


このエキゾチックで、ロマンスあり、アメリカからは不可思議な王様の権力と生活と異文化を味わえる。夢のようなものがたりに酔いしれることが出来るミュージカルとして数々のリバイバル公演あり、映画ありという物語で自分も大好きで何度も見たものだ。

 主演した役者は多い。しかし人々の記憶に残っているのはユル・ブリンナーとデボラ・カーであり、これを基準で見ると気品と野性味と王様の威厳とがユルブリンナーによって確立されていて、常に新しい王様はこのユルブリンナーと比較され語られることになるのだ。

Yul Brynner and Deborah Kerr perform "Shall We Dance"


*参考までにその他の王様と私の一部リンク
The King and I | Sydney | Shall We Dance - Lisa McCune & Teddy Tahu Rhodes



https://www.youtube.com/watch?v=O17XJ7-Nh4A



2.渡辺 謙の挑戦 
渡辺謙 in New York_c0067690_6505828.jpg

渡辺謙は今や日本を代表とする風格のある俳優で、海外で活躍している俳優である。大河ドラマの独眼竜政宗の主演で一気に注目を集め、その後も大作を次々とこなしている。海外への進出は、「ラストサムライ」で、トム・クルーズ主演だが、その相手役の助演男優として、深みと威厳とで、サムライという言葉を体現する俳優となりきっていた。
 
 これまで、サムライ・武士・大名とかは、戦いの場面、又は地位と権力をあらわす上座に座り号令を下す場面でばかり見せられてきた。しかし、この映画の中で、渡辺謙は寺の中に家臣も連れず一人静かに座す、目を閉じ黙想する、桜の木の下で歩く、そういった日常の姿の中にさえ、あたりを払うような威厳と清廉さをあらわしきった。
 トム・クルーズという世界的スターを見るためにこの映画を見たというのは自分だけではないだろう。しかし、渡辺謙は日本の侍というものの考え方・立ち居ふるまい、更には精神性までも伝えた。トム・クルーズの剣を本気で習い、修練してのかっこいい演技にしびれるとともに、渡辺謙という役者の存在感にしびれた。

 その渡辺謙がその後もアメリカで活躍を続けている。
「王様と私」という舞台、それもミュージカルというものの中で、渡辺の挑戦とはどんなものなのか、NHKの番組で先日紹介していた。ただのセリぬでなく、歌で、英語で、普通に歌うよりも一語一語をくっきりと分けて歌わなければ聞こえない。それを気にするといきおいのある動きにならなくなってしまう。そういうジレンマに悩みながら日々成長していく渡辺謙。

 すごい気迫で、全力、いや120%の力で取り組んでいる。
渡辺謙 in New York_c0067690_657851.jpg

一か月以上続くレビューでNYの目の肥えた観衆の目にさらされ、ようやく初日。恐ろしくもある舞台評価が、新聞で紹介された。

渡辺謙 in New York_c0067690_6563685.jpg

ワタナベ王様の人間らしさ、個性の出る大事な一コマが新聞に!
流石に抑えるべきところを掴んだ写真といえる。

渡辺謙 in New York_c0067690_6564660.jpg

そして、この言葉、
「ユル・ブリンナーの影を脱して、愉快で威厳のある王様を自分のものにしている」
これは、ユル・ブリンナーを知っている世代の人にはわかるすごい賛辞だ。



Show Clips: THE KING AND I on Broadway Starring Ken Watanabe, Kelli O'Hara, Conrad Ricamore and More


3.すべてを捨て去ってからでないと次に進めない!!

白血病から2度も這い上がり、この病を直すぞ、直して、役者として生き抜くぞという魂で打ち込む。なんという役者魂!
 彼は言った。
「すべてを捨て去ってからでないと次に進めない!!」

-----この言葉を聞いた時、高橋大輔の考え方、生き方がかぶって見えた。
名声も提供を申し入れられた地位も投げ打って、自らの成長と挑戦のために渡米した姿。選手の時も苦闘する方の道を選んで作品としての完成度を目指していた・・・・。

 渡辺謙さんもすでに世界での名声を得ていても、全ての名声も讃美も自分の経験や自信さえもすてて、新しいミュージカルという世界で王様を演じきる。日々の努力研鑽、そして工夫、それが彼を生かしている。

 その結果、トニー賞の候補になった。本人は候補になったということに感謝しつつ自分の演技には満足はしていない・・・。

                      一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります   

                                  


by miriyun | 2015-06-03 07:00 | Comments(4)
Commented by hinagesi-k at 2015-06-03 11:07
プロフェッショナルの渡辺謙を見損なってしまって残念でした。
きっと再放送になると期待していますが。
幸いな事に、フラワーデザインの勉強にアメリカ滞在中に、ニューヨークに行きユル・ブリンナーの王様と私を見る機会が有りました。FDの先生の仕入れに同行したからだったのです。
今でも王様と私の事が話題になるとユル・ブリンナーの王様を見た事を自慢してしまって居ます。
渡辺謙さんの舞台が放送される事有ると好いなと思います。
Commented by shintaromaeda at 2015-06-03 16:54
お久しぶりです。
「プロフェッショナル」の渡辺謙さんの回は私も見ておりました。
渡辺さん自身は「かっこわるい者になるかもしれない」と冒頭でスッフに話をしていましたが、私は渡辺さんが苦闘し、努力する姿が輝かしく見えました。

ちなみに「王様と私」で登場する国王と王子は実在のシャム(タイ)王国の国王ラーマ4世とその王子ラーマ5世がモデルで、ラーマ5世は即位後にシャムの近代化を進めて植民地化を防いだという話を聞いたことがあります。
Commented by miriyun at 2015-06-07 23:44
谷間のゆりさん、
ユル・ブリンナーご覧になっていたのですね。
彼の演技がこの王様の雰囲気を定義づけましたよね。
渡辺さんの演技や風格がますます楽しみになってきています。
Commented by miriyun at 2015-06-07 23:47
前田さん、
舞台をつくるというのは、こんなにも激しいものだと初めて知りました。
実在の人物だけになおさら、気になりますね!


<< 笑顔を集めるD1skチャレンジ...      クジャクの羽根 >>