写真でイスラーム  

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2014年 02月 16日

カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様

質問があったので、抱えていた写真でお答えを。

ご質問は、カザフスタンのスピードスケートウェアの文様についてなのですが、ググっても写真が出てこないし、スピードスケートを録画もしていなかったので、開会式のウェアと同じ流れではないかと推測してお答えします。
 (でも、スピードスケートの選手のウェアの文様が写っている画像があったらおしえてください・・解決しました。下の方に記載)
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1.カザフスタン開会式のウェア  
 実は開会式で民族衣装を見るのが好きな自分は夏のオリンピックではかなり深く選手入場の行進を見ている。冬はどうかというとスキーウェアやダウンウェアのような服装でおしゃれかどうかというのはあるが、民族や国の特色をあらわすものは少なくて、録画を止めてみるものは少なかった。
 
カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様_c0067690_1285755.jpg

その中で、あれっと思ったのがカザフスタンだった。
カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様_c0067690_129875.jpg

なぜなら動物に見えたからだ。動いている人の中のピントもあっていない服の文様を見るのは難しいが、牛と判断した。
 なぜなら、カザフスタンでこの文様を見たことがあるからだった。


2.カザフスタンのタムガリ岩絵群
 今から〇〇年前、ロシアがソ連だったころ、当時のソ連の一部であったカザフスタンのアルマアタ(現在はアルマトイと都市名が変わっている)に行ったときに見たのがこれだ。
 耳から聞いたことはすぐに忘れてしまうのに、こういうビジュアルは妙に脳裏に残るのだ。それ以来、ここのことをブログに取り上げたことがないのだが、頭の片隅にこの岩絵は残っていたので、ソチの選手入場を見ながら一致した。

カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様_c0067690_1228010.jpg

 アルマアタのカザフスタン博物館で青銅器や黄金を用いたスキタイ文化の展示とともに岩絵の写しを見てきた。スキタイ文化よりもずっと前なので極端に足を折り曲げたスキタイ独特の様式化はしていない。
 もっと素直に自然界にある動物の姿をしている。
カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様_c0067690_1227591.jpg

カザフスタンの古い先史時代の誇りでもある岩絵には角の立派なうしに頭が太陽のような人に頭がごく小さい点になっている人が描かれていた。
自分の印象では牛の頭にのった形で描かれている人が牛を仕留めるような英雄なのであろうと感じたものだ。(こういう博物館はキリル文字でしか解説がないので、そうやって想像するしかなかったのだ)
 しかし、後に調べてみたらこれがsun-headと呼ばれる太陽神を表していた。

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◆ところで、最初のご質問のスピードスケートのウェアの絵について、
早速コメントで教えてくださった方がいて、ず~っ探していったら、ようやく文様が鮮明に見える写真を探すことができた。感謝です!
 
カザフスタンのウェアと世界遺産の動物文様_c0067690_149745.jpg

カザフスタンのスピードスケーター
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きれいな空色はカザフスタンカラー。そして、黄色で描いている線描は、まさしく岩絵。そしては私がかってみてきたのと同じsun-headの太陽神が大きく描かれている。また、狩猟民・鹿・戦う人など、人類の歴史を刻んだ岩絵からの絵だった。太陽神からしっぽがでているようだが、これについては何らかの研究資料を見ないとわからなそうだ。 
 尚、国旗は空を表す空色に中央に太陽と鷹があらわされている。
イスラームの国は一般的には月や星を使って国旗を表すことが多い。ところがここでは太陽を中心に置いている。これはイスラームが入る遥かに昔からのこの国の太陽信仰と関係があるのかもしれない。


 これで疑問は一応解決。私が開会式で見たウェアも、ご質問いただいた方のみたスピードスケーターのウェアも一貫して岩絵という文化遺産でトータルデザインされていたのだった。

3.世界遺産登録・・・カザフスタンの誇り
 これは紀元前14世紀以降に描かれた岩絵であった。場所はアルマトイから北西180kmのところにあるタムガリ岩絵群で、なんと5000もの線刻の岩絵が残されているのだ。
 世界中に実は岩絵はあり、有名なところではアルタミラやラスコーの岩絵は誰もが知るところだが、リビアやアルジェリアにも大規模なのがある。中央アジアにもたくさんある。しかし、ここは中央アジアで最も規模が大きく研究が進んでおり、そしてsun-headを持つ太陽像という特徴を持つ遺跡であった。そして、周辺に残る住居や祭祀場の跡とともに中央アジアの傑出した文化遺産であると認められ、2004年に世界遺産に登録された。

 ◆今回、この動物文様を入れたウェアをきてきたのには、世界遺産を誇りに思うカザフスタンの気概が含まれていたのだった。
 そしてカザフスタンは、このソチでデニス・テンがフィギュアで銅メダルを得たことで、
岩絵以外にもカザフスタンの誇りを一つ増やしたことになった。

                                                                                                                                                                                                           
                                       
                                                    
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by miriyun | 2014-02-16 12:29 | 中央アジア | Comments(4)
Commented at 2014-02-16 13:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2014-02-16 14:50
鍵コメさま、もしかするとURLのhttpがひっかかるのかもしれません。
コメント認証式でない分、ものすごくセキュリティを厳しくしていたので、
時々どうということないもので引っかかってしまうことがあります。
お手間をとらせてしまい、失礼しました。
 おかげさまでカザフスタンのウェアの文様がはっきりした写真に行きつくことができて、
質問者の方へも答えることができました。
ありがとうございました!!
Commented by uvmama at 2014-02-16 16:13
miriyunさん、カザフスタンのウェアの紋様のお返事ありがとうございました。
壁画に描かれた太陽神!かっこいい!!!
それをユニフォームに取り入れるセンスもすばらしい。
開会式のときは、カザフ国旗を持ってる選手と民族衣装に釘付けになっていたので、ジャケットには目が届きませんでした。
明瞭、かつ写真つきの詳しいご説明(しかも速答)、感謝です。
デニス=テンの銅メダルも、もちろんうれしいです:)

Commented by miriyun at 2014-02-20 08:04
uvmamaさん、疑問点が解決してよかったです。
本来がこういうテーマで書くブログなので、久しぶりに自分でも楽しみながら書けました。ご質問をいただいたので、眠っていた写真もようやく日の目をみました。
カザフスタンはこれからが楽しみな国ですね。^ - ^


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