2013年 04月 23日
鎌倉武士の弓馬の道 鎌倉武士の弓矢の鍛錬としては、笠懸・流鏑馬・犬追物がある。 これらは実によくできた実践に役立っていく練習方法だった。 ◆笠懸(かさがけ) 編み笠もしくは板の的をつくり、それを庭先の土手のところに備え付け早朝からでもおもった時にその場で立って過ぎに弓を射る訓練ができる。的までの距離は18~27mほどだった。 印象深い記憶がある。鎌倉のお寺の住職をされている方のところに子どものころに遊びに行った。そこの家の裏山(お寺なので裏はそのまま山をしょっている)の崖に的が常設してあり、息子さんが弓矢をいつでも射ることができるようになっていた。当時は幼かったので弓だ~と思っただけなのだったが、のちにあれこそが日常の中の笠懸にあたるものだと思い至った。 武士の家では必ずこうした的を置き、子どものころから訓練したのだろう。 ◆流鏑馬(やぶさめ) 馬を馳せながら矢を射ることから、「矢馳せ馬(やばせうま)」と呼ばれ、時代が下るにつれてやぶさめと呼ばれるようになった。 笠懸が射手も的も動かない稽古であるのに対して、流鏑馬は的は動かないが、射手は馬上にあり、馬を全力疾走で走らせつつ、5mほどの至近距離で仮想的である的を射る練習なのだ。 しかも、敵は一人ではないのが普通だから馬上で疾走しながら次々と矢をつがえなければ実践に役立たない。そういう意味で武士にとっては命を守り目的を達成するために絶対的に必要な練習でもあったわけだ。 現在は、主に神社等に於いて神事として行われている。 ◆犬追物(いぬおうもの) 竹垣で囲んだ馬場に150匹の犬を放し、射手36騎が3手に分かれて犬を射るものを「犬追物」という。これによって至近距離で集団で戦っても味方同士馬が接触して崩れ倒れたり、味方を射てしまったりせずに集団としての秩序ある動きをする訓練をした。また射手も馬上にあり、的も動くということで流鏑馬よりもさらに難しい訓練であった。 鎌倉時代最後の執権、北条高時が犬追物が好きで犬を殺して鎌倉中に犬がいなくなったということが有名になってしまったが、実際の犬追物では、犬を傷つけない。そのため矢には「蟇目(ひきめ)」と呼ばれる大型の鏑をつけた矢を用いた。 これらの中で流鏑馬は今でも人zyへの奉納神事として見ることができる。 流鏑馬その1.五色の的 4月21日、雨の中、鎌倉の鶴岡八幡宮で流鏑馬が奉納された。 馬場元で日の丸の扇が円を描くと、馬の発走となる。 的は白黒合わせて5色の輪になっている。これを約2mの位置に掲げ、馬で全力疾走する射手が射る。 約210mの間に3つも的があるので馬はあっという間に通り過ぎる。思ったよりも速すぎて、はじめは矢を射るのをレンズで追い切れなかった。 ◆流鏑馬A ◆流鏑馬B 成功しても失敗しても、それを気にしている暇はない。 1射目を射た直後に帯に挟んだ矢に手をやり引き出す。 ◆流鏑馬C 鎌倉で生まれながら一度もまじかで見たことがなかったので意を決して今回は見に行き、しっかりと目とカメラに記憶を刻み込んできた。馬の大きさ・迫力あの動く動物が疾走する中で弓をつがえ、敵を射た鎌倉武士像に少しせまれたような気になった。 ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります 人気ブログランキングへ
by miriyun
| 2013-04-23 04:40
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