写真でイスラーム  

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2013年 01月 19日

nippon.comにアラビア書道家本田孝一

nippon.comというサイト  
 ニッポン ドット コム(nippon.com)というサイトがある。
このサイトが目指すのは、これまで不足とされてきた日本という国をきちんと知ってもらおうというものだ。
①Web上には次のように記載されている。
「民間の立場から日本の等身大の実情を世界各国の人々に知ってもらうとともに、日本文化に内在する普遍性を通じて世界のために貢献できるようにしていくことです。その底流にあるのは、人間の正直さや正義に裏打ちされた「多様性」と、困難な時代に向き合う粘り強い精神だと考えています。」(nippon.comより引用)

 何らかの公共団体・企業・個人の立場でそれぞれ日本を紹介するものは発信しているだろう。日々、こまめな発信はWeb上の新聞がある。細かい報道は知ることができても、どこまで掘り込んでいるかというと微妙なところもある。機敏な発信を使命とするもので速報性はいいが日がたつと消えていってしまうニュースだ。それぞれの団体や企業もWebsiteで訴えているものはあるが、あくまでも政府や団体・企業としての立場と利益との兼ね合いの中の発言であるから公に世界に訴えるものとはなりにくい。個人ブログは自由で多彩な発信であるので、ときおりきらりと輝くものもあるが、個人としてなので対象への迫り方に限界がある。
 そうした中で、nippon.comというサイトが立ち上がったのだ。

② このサイトは、じっくりと本質に迫る取材と撮影・そして記事を練り上げWebにオリジナルな発表をしていく。それはできそうでいてなかなかできていないことだった。
  
③ このサイトのもう一つの特色は、『多言語発信』であるということだ。
   現在・・・・日本語、英語、中国語、フランス語、スペイン語の5カ国語で発信。
         近く、ロシア語、アラビア語(すでに一部掲載)を加える予定。
   *国連公用語6カ国語+日本語の7カ国語で、世界の60億を超える人々にインターネットを通じて発信していく計画だという。


「文字の美しさを極限まで追求した芸術です」アラビア書道家・本田孝一 
その nippon.comから、本田孝一(Fuad Kouichi Honda)氏のもとに取材があったのは、ちょうど10月の砂漠の薔薇展のときであった。 さらっと通り過ぎるのではなくて真髄を見極めようとする取材には好感が持てたが、ほんとにじっくりと練られたようで、取材から長めの時を経て次の記事がアップされてきた。
 

nippon.comに掲載されたアラビア書道家本田孝一

 まず、nippon.comページをあけて、トップの写真を見ると、そこにはまだ見たことのない新作が登場してくる。うわぉ、どっしりしたジャリーディーワーニー書体の文字が丸く、巨大星雲のように浮いていた。
 新作が出るたびにこれになんという名前が与えられていくのか、とても楽しみになる。

 氏は、アラビア書道について、1000年の歴史、黄金比率、音のない音楽というキーとなる言葉で表現している。また、このような伝統の文字に日本でただ一人挑んでいった過程が書かれている。

 
nippon.comにアラビア書道家本田孝一_c0067690_13511841.jpg

                                ↑ 2009 『青の方舟』 A Blue Ark
 青の方舟や赤の砂漠もある。

nippon.comにアラビア書道家本田孝一_c0067690_15372218.jpg

 先日、クリスティーズで評価されたばかりの青の砂漠も掲載されている。
そして砂漠の色についてもここでのインタビューで言及している。

それを読んで、今更ながら思った。
    
 砂漠で暮らしたことのある人だけが、
      実際の漆黒の闇と満天の星の夜と、
           ひそかに変わっていく砂漠の色の世界を語れるのだ

             そして、そのあらわそうにも言葉にも表しきれない砂漠の世界を、
              1000年の伝統の文字と重ね合わせたのが、
              『赤の砂漠』であり、『青の砂漠』であったのかと・・・。
 
◆多言語サイトということで、早速アラビア語版がでた。
               ↓
こちらは、アラビア語版

 たくさん取材しているので、日本語版とはまた記事が少し違うところもある。そのまま読んでみるのはちょっときつい。google翻訳に任せてみて比較するのが簡単だ。 

 日本の中での異文化理解が、英語で紹介されることはよくあるが、今回は英語でなくアラビア語で紹介されることに意義がある。
 本田孝一氏という書道家の中東とのかかわりと正統派の書を学び師範となって独自の作品群を発表していること。その軌跡がこの言語で掲載されることで、これまで接する機会のなかった国にも知られてくる。
 また、日本という国には、アラビア書道という文化を通して中東を理解し身近に感じている人たちがいることが、アラビア語を公用語とする24か国に伝わる可能性があるのだ。



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by miriyun | 2013-01-19 11:23 | Fuad Kouichi Honda | Comments(2)
Commented by ぺいとん at 2013-02-01 09:55
今時になって、ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 

『青の舟形』をまた拝見できて嬉しいです。 
「音のない音楽」は聞き手(鑑賞者)によって無限の音色に広がる魔力ともいえる魅力があると思います。 
今年もまた本田先生の素晴らしい作品をご紹介いただけますように!
Commented by miriyun at 2013-02-02 10:18
ぺいとんさん、今年もアートに敏感なぺいとんさんの目で見ていただければ幸いです。よろしくお願い致します。
青の方舟がお気に入りでしたね。私も大好きな作品です。
音のない音楽作品は、今、多くがクアラルンプルにあります。
イスラムアート美術館の新館があと1年くらいでオープンされるかもしれないので楽しみです。


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