2012年 04月 21日
国別対抗戦2012・・・高橋は歴代SP1位の得点 フィギュアスケートでの成績を基に上位6各国の選手が集まってメダルを争う国別対抗戦。 体操競技ではこの国別の団体戦はものすごく盛り上がり、緊迫する。フィギュアではソチオリンピックからいよいよ正式に始まるので、その前の実力国の様子がわかる一戦。 シングル男子・シングル女子が各国二人、アイスダンス・ペアが各国一組が出場している。順位が点になり合計得点で競う。 キスクラのまわりに6か国の席がしつらえてあり、自国の選手が出るとキスクラに詰めかけて応援が行われている。ある意味、お祭り気分でいいのだが、各選手これがISUの公式戦としての今シーズンの最後なので自分の出走順が近づくと裏では厳しい表情で駆け込んだりジャンプの確認をしたりする。 ソチオリンピックでは国の威信をかけての団体戦になるのでかなり緊迫感が伴ってくるだろう。 世界選手権での力がおおむねそのまま出ているが、同じようなところで失敗するものやずっとリラックスしてとてもいい演技をしたSPのアボット選手やジュベール選手やアモディオ選手の魅力もよく見えた前半戦だった。 日本選手SP 男子 1位高橋大輔94.00 2位P.チャン89.81 3位アボット86.98 ・・・・・・・小塚7位 女子 1位コストナー69.48 2位鈴木明子67.51 3位村上佳菜子63.78 ペア 1位高橋成美・マーヴィン・トラン64.92 ダンス1位メリル・ホワイト 2位 ・・・・・・・6位リード姉弟、と好調な日本として迎えたFP。 今シーズンのシメで高橋はほんとに素晴らしい演技で締めくくってくれた。SPの得点94.00はそれまでのP.チャンの93点台の点を越えての世界最高得点を記録した。本人は自分の演技がまだ、とくにステップがだめだったと言っているが、じゅうぶん見ごたえがあった。 また、女子の鈴木明子・村上佳奈子ともこの一年間の練習の成果と伸びを示すとても良い演技で2・3位につけた。素晴らしい演技がいっぱい! ふなばたを叩いて感じたり・・・国別選手権の高橋大輔*FP ◆FP演技の後で 演技終了後キスクラに各国選手団は待ち受けていて応援しながら点数が出るのを待つのだが、高橋のときだけ自分たちの席から拍手を送るだけでは飽き足らす、キスクラの上の段にいた国の選手が集まってきて、こえをだし、テープを上から浴びせながらたたえ、キスクラのセットをダンダンと叩いて讃えまくっていた。 普通は、このようにそれぞれの国別ブースに座って応援していて、 左上には高橋が好きなアイスダンスのメリルも最初からこの位置に来て拍手し、また、キスクラの上を叩いて讃えてくれていた。( メリル&ホワイトも世界選手権で非常にいい演技をしながらも点数が出ないで2位に甘んじたダンスペアである。世界選手権のエキシビジョン中に互いにたたえあってハグする姿が一瞬見られた。) ~~~~~~~~~~~~~~ ◆ここでは、日本の大いなる物語、平家物語の一節が思い出された。 『皆紅の扇の、夕日の輝くに、白波の上に漂ひ、浮きぬ沈みぬ揺られけるを、 沖には平家、舷(ふなばた)を叩いて感じたり、 陸には源氏、箙(えびら)を叩いてどよめきけり』 これは、扇の的を射落とした那須与一を源平いずれもがたたえた一節であった。 これはただ上手であるから讃えたというのではわかりにくい。 家を重んじ誇りを大切にする武士道の文化である恥の文化を知ったうえで味わう一節だ。 陸に源氏、海に平氏があって対峙したときに、波間の揺れ動く船の上でさらに大きく揺れる竿の先の日の丸模様の扇の的を射れるものなら射てみよという平家からの誘いかけがあった。さすがの武勇をならす源氏も自分からやってやろうじゃないかと出てくるものがいなかった。結果的に若き与一が出てうごめく小さな扇の的を射るのだが、示された的を射そこなったなら源氏全体の名折れになる。したがって、与一は自らの誇りと命を懸けて臨んだであろうし、周りで見守る敵も味方も家名と源氏の名を背負っての一矢であることを皆承知で見守るのである。 そして、源平のいずれもが息をつめて見守る中、ひょうと射た矢が見事に扇の的に当たり、ひらひらとまいおち、波間に落ち込んでいったのだ。(この辺は覚えている印象で書いているので、言葉遣いは正確ではない) そうしたときに、馬の背にいる源氏はもちろんたたえて、えびらを叩いて讃えた。 とうぜんだが、この時敵である船の上の平家方も武士としての与一の技もこの挑戦に挑んだ武士としての心を含めてふなばたを叩いて讃えたのである。 この物語は、日本人の心を表す素晴らしい文で、情景と音をありありと脳裏に浮かばせることができる場面である。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ これがすうっと思い出された。人は感極まると手近なものを叩きたくなる。拍手だけでは表せない気持ちをもっと大きく表現したくなるのかもしれない。それがここでみられた。 なお、世界選手権のFPの素晴らしい演技で最後のジャンプが終わってステップに入るとき、感極まったパスクァーレ・カメレンゴ氏はバンバンと壁面のヘリを叩きと歌子コーチが一瞬であるが叩いていた。それほど喜びが大きかったのだ。実は自分もTVを実ながらであるのにテーブルをバンバンやりたい気分だったので、現地会場ならばなおさらだろう。 ファンの方やカメレンゴさんが叩いていたのは、『箙(えびら)を叩いてどよめきけり』の方だったが、 今回のキスクラの上でフランス・イタリア・アメリカなどの選手が来てくれていたのは平氏の『ふなばたを叩いて感じたり』の讃えを思い出させるものだった。 それにしても、素晴らしすぎて驚いた! SPもFPも大きなミスなく、高橋大輔の世界を表し切った。最後の公式戦、見事だった。 FPについては世界選手権・国別対抗戦と2回続けての完璧な演技だった。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2012-04-21 13:32
|
Comments(8)
Commented
by
ジョー
at 2012-04-21 16:32
x
凄かったみたいですね。 適時的に開眼出来、実力を出し切ることができる集中力。 頼もしい存在ですね。 まさしく、スターですね^^。
0
Commented
by
えるだーおばば
at 2012-04-21 22:22
x
こんばんわ、おばばです。
最高でしたねえ、気だるさも感じさせつつ、ジャンプをを成功させ、曲のイメージ、ブルースを表現してて素晴らしかった! 終わり良ければ、全て良しと言う言葉どうりでした。 そして、世界の選手達にも分かるんですね、彼の素晴らしさが。 選手だからこその彼のレベルの高さ、技術の凄さがわかるのかもしれません。 ほんと、愛されてますねえ、miriyunさん、大ちゃんは。
Commented
by
tsurukame_ko at 2012-04-21 22:30
ほんとうに、ほんとうに!!素晴らしかったですよね泣!!!
そして、あのキスクラ!! 高橋選手だからこそ!各国の選手が集まり、応援してくれたあのキスクラだったのだと思います。 見ていて本当にたのしかったし、いつもは見られない選手たちの仲良しップリもよかったー!感激 そして、ここで「平家物語」になぞらえるmiriyunさんのセンスに脱帽です。あしたも楽しみです。うふふ
Commented
by
なな
at 2012-04-21 22:32
x
Commented
by
miriyun at 2012-04-22 10:56
ジョーさん、たまたま、ここのブログで知っていただきましたが、数あるスポーツの中で現在最も世界1ないしそれに近いのは体操とフィギュアスケート・女子サッカーなど数少ないです。日本の誇りとする選手がたくさん出ているフィギュア界、これからも紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
Commented
by
miriyun at 2012-04-22 11:01
えるだーおばばさま、おどろきですよね!あれだけ完璧な演技をした世界選手権で観客には認められてもジャッジに認められなくて、それでも腐ったりせずに向上心を持ってさらに手直ししてきました。
また、彼は無意識のうちに世界選手権以上の演技をしたいと思ったようです。 認められなかった悔しさはより自分が納得できるよう向上させた演技を持って表現したわけです。 感無量です!!
Commented
by
miriyun at 2012-04-22 11:04
tsurukame_koさん、あのキスクラは感激でした。
他の国の選手たちがあのように讃えてくれるなんて、なんて素敵なことでしょう。 まず高橋選手の演技そのものへの讃嘆、そして高橋選手の人柄、 そして、ほんのすこし、ジャッジそのものへの批判も含まれていたように思えました。
Commented
by
miriyun at 2012-04-22 11:05
ななさん、キスクラのあの心地よい華やぎの中へ、カメラは吸いつけられていましたよね。
それにしてもあの時讃えてくれた選手の名前をみんな書き出したいくらい嬉しいことでした。 |
アバウト
カレンダー
記事ランキング
タグ
高橋大輔・フィギュアスケート(345)
季節の風物・日本の光景(317) ★アラビア書道(153) ◆イスタンブル歴史紀行(142) UAE(ドバイ・アブダビ・シャルジャーなど)(139) シリア(86) イエメン(85) ◆料理とお菓子と(85) 本田孝一氏Web作品展(63) トルコ(63) ◆時の話題(62) Fuad Kouichi Honda(58) チュニジア(51) ◆ラクダ(50) マレーシア(49) ◆砂漠・砂漠化・砂・蜃気楼(47) イラン(ペルシア)(44) ヨルダン(43) サハラの情景(43) アラビア語のカリグラフィー(38) ペトラ遺跡(37) ◆各地のモスク・廟・メドレセ(35) 港ものがたり(34) 文様の話(植物文様・動物文様・組紐文様など)(34) 鳥(クジャク・ハト・カモメ・シラサギ・ダチョウなど)(32) ◆子どもたち(32) アラブ・チャリティー・バザー(30) イスラームの工芸(エブル・テズヒーブ・金彩・装丁)(29) オスマン帝国外伝(29) ◆砂漠の植物・その他の植物(28) ◆衣生活*民族衣装(27) ★ライオン紀行(27) 植物の話(葦・ザクロ・綿花・桑・オリーブ・ひまわりなど)(26) モザイク紀行(26) サラディン(26) 王ヶ頭ホテル・美ヶ原(25) ◆世界の家のつくり・材料(25) アル・マハ・デザート・リゾート(25) ◆人々と暮らし(24) 日食・月食・星・虹・幻日・ブロッケン現象・サンピラー(24) アブダビ(23) 絨毯・キリム(23) ウズベキスタン(サマルカンド・ブハラ・タシケントなど)(23) ◆国際協力(JICA・青年海外協力隊・NGO)(23) ◆象嵌(貴石・大理石・貝・金属など)(22) ◆ペトラ特集(22) クローズアップ人物(22) レバノン(21) ◆古代エジプト(21) タイル(21) ◆馬・牛・ロバ・ヘビ・家禽(21) 東京ジャーミー(モスク)(21) 桜(21) オリンピック開会式・他(20) ◆光の技・朝景・夕景(19) シェイク・ザーイド・モスク(19) ナツメヤシの話(19) 映画と史実・撮影地・エピソード(18) ◆ワディ・ラム特集(18) クイズ(18) ローマ帝国(17) 世界のフルーツの話(17) 水生植物(睡蓮・蓮など)(16) ◆レイクパレス(16) イマーム・モスク(16) 猛禽類(鷹・ハヤブサ・梟・鷲)・鷹狩(15) 東日本大震災(15) エジプト(14) ◆ミニアチュール(14) 航空写真(14) ◆飲み物(お茶・コーヒーなど)(14) カンボジア(14) デーツ(13) ミマール・スィナン(シナン)(13) サウジアラビア(12) アヤ・ソフィア(12) ◆ウマイヤドモスク特集(12) ◆トプカプ宮殿(11) トゥーラ・トゥグラー(11) アラビアン・オリックス(11) ブルジュ・ハリファ(11) 佐竹史料館(10) ペトロナスツインタワー(10) ◆結婚式・割礼式など(10) ◆古代文字(ヒエログリフ・楔形文字・ローマ・ナバテア文字他)(10) ◆水の話・水道橋・貯水池(10) ★刺繍・布・織りの世界(10) アラビア書道の年賀状・カード(10) ダマスカス(9) 熱気球の旅(9) 浴場・風呂の話・テルマエ・ハンマーム(9) ◆暦・古天文・科学(9) パピルスの話(9) ◆日本との関連(9) モスクのつくり(ドーム・天井・ミフラーブ・ミンバル・絨毯他)(8) プロカメラマンの話&写真展(8) ◆オアシスとその周辺(8) ミナレット(マナーラ)(8) 武士の文化(8) ◆タージ・マハルとアグラ城(8) 最新のコメント
お気に入りブログ
ヒンズー語ではありません。 中東イベント情報 アフガニスタン/パキスタ... イスラムアート紀行 はなももの別館 部族の絨毯と布 caff... Over the Blue アジアⅩのブログ 旅と絨毯とアフガニスタン トルコ~スパイシーライフ♪ にっと&かふぇ ギャラリーもっこ堂 アートなD1sk 前田画楽堂本舗 森の釣り人 アトリエサフラン トルコ... ツルカメ DAYS ソーニャの食べればご機嫌 - イスタンブル発 - ... わんわんぶー *********
・・・・・・・・・・
イスラームの自然や文化の写真はすべて自分の撮影したものです。ご利用になりたい方は非公開コメントにしてコメント欄に連絡用メアド等記入してください。 ▼△▼Ranking▼△▼ *応援ありがとうございます ◆It is prohibited to use the photograph, the image, and the illustration published in this blog without permission. ▼リンク集(エキサイト以外)▼ ◆こよみのページ ◆茉莉千日香 luntaの大きい旅小さい旅 いち子ばーばのお針箱Ⅱ 旅のミラクル 風と花を紡いで Kの庭 CROKO NOTE 地球散歩 エジプト大好きAnnyのひとりごと エジプト旅行カバン 中東ぶらぶら回想記 Asian Memories ETHNOMANIA 優しい世界の作り方。 のぶヒろぐ~漆喰について日々考える~ シンガポール熱帯植物だより+あるふぁ 実りのとき The Japanese Dubai ************* ☆日本アラビア書道協会(JACA) ☆アラビア書道とその周辺 ▼▼▼▼▼▼ ▲自己紹介▲ ☆写真・・・カメラを通すと新しい視点が与えられます。 ・TV番組や書籍に採用されています。(使用をご希望の方はコメント欄にご記入ください。) ☆文字・・・ヒエログリフ・楔形文字・マヤ数字・トンパなどにはじまった文字への思いは、アラビア書道に昇華しています。 ・アラビア書道 IRCICA国際競書大会 第4回・第5回・第6回いずれも Incentive Prizes 入選 ☆自然・・・イスラーム地域や日本の自然のささやきをひろってきます。ただし、最近はアジア・ヨーロッパなども含めて幅広く書いています。 ☆文化・・・いろいろな地域の文化比較や相互の関連を見ていきます。 ★これらが一つに重なって大きなライフワークになっています。 ☆また、スポーツの世界で稀有の芸術性を体現するフィギュアスケーター高橋大輔選手の魂の演技を見つめ応援しています。 ◆アクセス数(2006年5月ネームカード導入後のカウントで表記) 2017年 700万アクセスとなりました。 ご訪問ありがとうございます! ◆Welcome!! (2009.03.28より設置) ☆最新の来訪国等 ようこそ!(^_^)/ 183か国目マン島 182か国目セントルシア 181か国目マリ 180か国目バヌアツ 179か国目トンガ 178か国目バルバドス 177か国目キュラソー(オランダ領) 176か国目ジブラルタル 175か国目モーリタニア 174か国目ジャージー 173か国目セイシェル ▼▼▼▼▼▼ ◆こちらは自然と文化を一個人が自由に語るブログです。内容に関係のないコメントおよび販売を目的としたコメント、各種中傷、政治的発言等はこちらで削除させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。 ブログパーツ
カテゴリ
全体 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) アラビア書道 カリグラフィーを読もう サラディン紀行 Fuad Kouichi Honda ヨルダン イスラームの工芸 トルコ 絨毯・キリム シリア 東京ジャーミー(工芸) イラン(ペルシア) 日本の中のイスラーム 食べ物・飲み物 中東について レバノン イスラーム全般 写真館 中央アジア 数字・文字 チュニジア エジプト その他 インド U.A.E. 文様の伝播 マレーシア サウジアラビア 日本 動植物 カンボジア 空・太陽・月・星・雲 未分類 以前の記事
2023年 10月 2023年 09月 2023年 04月 2023年 03月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 08月 2022年 06月 2022年 05月 more... 検索
外部リンク
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||