写真でイスラーム  

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2012年 01月 10日

書の冒険...Globe&BSによるアラビア書道

 昨日、夜も明けきらぬうち、富士に向かう途中のキオスクで並んだばかりの新聞を買った。
朝日新聞の日曜版「Globe」を読みたかったからだ。新聞を手にバスに乗り込み、じっくりと読んだ。

1.Globeにおけるアラビア書道
書の冒険は紙面8ページのうち、実に4ページにわたっての特集だった。二部建てで、 「異分野との出会い」が一つ。そしてもう一つの表題は「海外で書は」だった。その海外の漢字文化圏でないところの書道として、西洋カリグラフィーとともに載っていたのがアラビア書道である。。
≪アラビア書道を語る・・・本田孝一教授
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西洋のカリグラフィーと、自然の流れと勢いを重視する日本の書道。アラビア書道はその中間にあたる。葦や竹のぺんで、書家の手から生み出されているが、きわめて精密。自身も10世紀以上の先人の積み上げてきた型に敬意を表すが、踏襲するだけでない。
 炎熱の砂漠の文化に基づくので、日本のように自然と一体化はできないし、自然を征服もできない。~中略~その結果、自分の内面に自然に変わる支えをみつけようとし、そこにイスラームの発生を見、またアラビア書道では抽象的な文字の中に第二の自然を見つけ出そうとする営みと言える。
 アラビア書道は単なるアートではなく神の言葉を書く文字なので神聖さを持つだけのうつくしさがもとめられ、そのために書家は一生を捧げる。
 10世紀に書法を確立したイブン・ムクラの言葉を持って言葉を締めた。
     『書道は技術である。肉体という道具で表される魂の技術である』
                                            (以上、Globeの「書の冒険」特集より新聞の一部引用)


2.BS朝日『世界は今』における書の冒険
 新聞の発行と同じ、昨夜BSで新聞とそろい踏みの特集があった。
2時間にわたる番組の中で半分近くを書に関する内容の濃いものとなっていた。

≪フォント・・・スティーブ・ジョブズ≫
 アップル創始者のスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学における有名な演説の中にもあるエピソードから取り上げており、導入がよかった。
 スティーブ・ジョブズ氏はリード大学を中退後カリグラフィーの講義を別にお受けその時に文字の美しさや文字間隔について学んだ。これが後にアップル・コンピュータ開発における美しい文字をつくって入れようということになっていった。

 *これをフォントと言っており、その後は世界各地でそれぞれの文字についてのフォントが次々と生み出されていくことになった。現在のPCでもフォントを押せば100くらいのフォントがダ~ッと出てきて選ぶのに迷うほどある。
そういえば、アラビア語の本田孝一教授もかって依頼を受けてアラビア文字のフォントをつくって提供していたと聞いている。

≪アラビア書道・・・本田教授≫
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まず、アラビア書道で「いま、世界で」と書かれたものが紹介された。
その伝統にのっとりながら革新的な作品や書き方がたくさんの映像と画像で紹介された。
全部絵11作品以上が画面に登場していたが、その一端をTV画面から拾ってみる。
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    青の砂漠
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    新作の一部のようだ。
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   祈りのピラミッド他  ・・・・イスタンブルのユルドゥズ宮殿での作品展
                                 (以上4点はTVを撮影した写真)
 (・・・・これらの画像を詳しくご覧になりたい方は、この下の作品集のタグで見ることができるのでクリックしてみてください。)

◆なお、日本の書道との共通点については・・・
 アラビア書道の技法はきっちりとしたものがあるのだが、その書く気持には書き手の気合や精神など日本の書道に通じるところがあるという。


異分野との出会い
新聞の方にもTVにもこれからの書道の方法手段に「さまざまな可能性を求めてのいくつかの事例が示されていたのでここでも紹介しておこう。
≪書×写真≫ 
 香港のベニー・アウ氏の街角の写真と漢字を組み合わせたアート。
ここでは四角い窓で口という漢字を表し、周りに他の部分をつけることでもじにする。漢
≪書×インテリア≫
 英語を現代のインテリアに合わせておしゃれに描く。キャレ文字という。確かに床の間のない部屋にあう書道は飾りやすい。
≪漢字の中に英単語が組み合わせてある書道≫
書道家、国重友美さんが考案した、漢字の中に英単語が隠れているとうアート。
≪書×パフォーマンス≫
映画に書道ガールズというのがったが、あれがドいうも全国大会をするほどに盛んになっているという。書道パフォーマンス甲子園というのが開催されている。書道のかたちをやぶって、しかし斬新で活力のある。高校生ならではの生き生きとした文字が歌や音楽とともに描き出される。

 日本の書道を学ぶ成人が160万人もいるそうだ。その中心はなんと60代。このままで行くと若者の書道離れがはげしい。学ぶ費用の他に書の段が上がるほどに作品展の出品料から謝礼など費用も上に行くほど大変だ。書離れを食い止めようと費用の低減などいろいろな工夫をしはじめているという。

 いずれにしろ書の世界はPCの時代にあってもまだまだ大事な精神性を表すものである。
これからもその精神性を伴いながらも旧習を破っていかなければならないのだろうと感じさせられる特集であった。
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by miriyun | 2012-01-10 05:50 | Fuad Kouichi Honda | Comments(8)
Commented by Cisibasi at 2012-01-10 15:12
我々が、日常使っている数字も、
元を正せば、アラビア数字。
アラビア文化のレベルの高さを感じますね。
ギリシャ文化も、
実は、ヨーロッパで伝承されていたわけではなく、
イスラム圏で保存され受け継がれてきたものが多いと言います。
つまり、ギリシャ文化を直接受け継いだ国は無いのというのが真実。
対して、キリスト教の歴史は略奪の歴史です。
特に十字軍の酷さは有名で、
イスラム文化が略奪の餌食になった。
その時に、ギリシャ文化がヨーロッパに伝承されたと言うのが真実に近いですね。
日本も、長い時間を掛けて、
漢字を使いやすいものに変えてきた。
コンピューターの世界で使われる漢字は
所謂簡体漢字で、ルーツを探ると、
中国の識字運動の一環で、
日本語の真似をしたと言うのが真実の様です。
○一つが書道に成る日本は、
在る意味、文字の意匠化の極地を極めた文化と言えます。
世界的には日本の漢字が、日本語として人気ですね。
アラビア語の最大の問題は、
近代になって拡散し、発展が無くなった事ですね。
文字のアートはそれに対する発展要因に成るのでしょうかねぇ。
Commented by at 2012-01-10 23:47
私もこの記事読みました。よかったですね。
本田先生の作品は、クルアーンの朗誦が聞こえてくるようです。
砂漠で、先生の作品をまぶたの向こうに想う時、その時はメッカに向かって祈りを捧げてしまうかもしれないと思います。
…思うだけですが。(いいかげんでも根っこが仏教徒な者で)
とにかく引き込まれます。
Commented by petapeta_adeliae at 2012-01-11 12:52
日曜日にそんなに濃いことがあったんですね。
夕方から出掛けていましたが、テレビは全くつけていませんでした。
テレ朝の小松アナの言葉に、いつも今の典型的な若者だなぁ
と感じ、彼はアラビア書道にどうコメントしたのかなぁと
ちょっと聞いてみたかった。
私の回りで定年を迎えた方は、大学院に行く、聴講生と再度
勉強する方が多く、その次に多いのが書道です。
無趣味だと言われると、シルバー派遣だとひと文字¥50になる
から始めたらとススメています。(^_^)
お箸すらきちんと持てない人が多いので、団塊の世代以降は
書道人口がガクンと減るでしょうね。
Commented by shintaromaeda at 2012-01-11 18:19
お久しぶりです。
そしてあけましておめでとうございます。
テレビでここまで大々的にアラビア書道の番組が放送されていたことを知り、大変びっくりするとともにためになりました。
本年もよろしくお願いいたします。
Commented by miriyun at 2012-01-12 07:38
Cisibasiさん、文字はそれぞれの国や地域に文化を広め
共感し学び合い大事なものですね。
この混沌とした時代に古き良きものも、新しい試みがなされ、
携わる人たちも生き生きと活動していることが映像および記事で知らされた特集でした。書道についてこれだけ大きな特集はなかったので、今後の書道のために良いきっかけになるように感じました。
Commented by miriyun at 2012-01-13 07:06
碧さん、中身の濃い特集でしたね。
書道については、日本書道も含めてなかなかおもてだって話題になることがなかったのでいい機会になりました。
アラビア書道もいろいろ見ていただいてありがとうございました。
Commented by miriyun at 2012-01-14 08:49
ソーニャさん、新聞とTVとで同じ日にあったので大きな特集だったのだとおもいます。今、メディアはBSが一般的にみられるようになり、番組をどうするのかペーパーの日刊紙との関係はどうなるのか試行錯誤し始めているように思います。先日はBSのいくつかの局が合同でフィギュアスケート番組をつくって順繰りに放映しています。そういうのも含めて変わりつつある。書道の道も広がりを持ってきているのが頼もしいです。
Commented by miriyun at 2012-01-14 08:53
shintaromaedaさんも文字を介しての文化を担われている立場で
いろいろ思われることがあるのではないでしょうか。
これまで知らなかった分野のことも知ることができて興味深い番組でした。
今年もよろしくお願いいたします。


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