写真でイスラーム  

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2011年 08月 05日

雑誌pen「今こそ知りたいイスラム」

penの「今こそ知りたいイスラム」完全保存版 
雑誌pen「今こそ知りたいイスラム」_c0067690_13131085.jpg

 雑誌コーナーを通ったら、とてもなじみのある青の色に目が吸いつけられた。
イマームモスクだ。(ここでは以前の呼び名のまま、王のモスクになっていたが・・・・。)
 雑誌penが「今こそ知りたいイスラム」という特集を載せたのだ
他の物を見るつもりだったのにそれのことは忘れてこちらを、買ってみた。イスラーム地域の特集は久しぶりなので楽しみだ。

 イスラームについて基本的なことを知りたいというところを美しい写真とともによくまとめている。まだざっと眺めただけだが、ミスもない。実はこうした本や雑誌では写真の製版が逆になり、アラビア文字が左右逆の写真が掲載されてしまうことが多いものだが、今回はそういう写真の間違いはは見当たらなかったのでほっとしている。

 図表で気になったのはムハンマドの系譜ぐらいか。
クライシュ属系譜を詳しく載せたのはいいが、詳しく乗せた割にその関係がわかりにくい表記になっている。
 ◆実線が直接の親子関係を表し、
 ◆点線が数代の人を省略したことを表している。
と、思われるのだが、その線の使い方が中途半端であるために、わかりにくい。
例えば、初代カリフのアブー・バクルは点線なので何代かあとであると読めば、それで意味は通じる。
ところが2代ウマルは実線で預言者ムハンマドの7代前の人から繋がっているので、まるでムハンマドよりもずっとご先祖のように書かれているのだ。
 系譜というのは一定のルールにのっとって書かないと時代や関係があやふやになってしまうので気を付けたいところだ。

 東大寺もと管長の話
 かねがね、宗教界の人はほかの宗教に接する機会はあるのだろうか。自分の宗教を大切にしつつ、他の宗教の存在意義を認める人はいるのだろうか。とても気になるところだった。
 時にいろんな人に意見を聞いてみたくなる自分だが、さすがにそんなことを聞ける身近なお坊さんの知り合いはいないので疑問のまま残っていた。

 そうしたら、今回の特集に森本公誠さんという、もと東大寺別当、華厳宗管長を務め、またイスラム学者でもある方の話が2ページにわたって載っていた。 まだ、発売中であるので、詳しいことは書かない(発売が終わったら若干引用させていただくかもしれない)が、なるほど、やはりそうだよねとうなづける。両方を知っている人の静かな説得力というものを感じる。


64ページにわたる特集
 イスラムの歴史の網羅から現代に活躍する人々の紹介までも網羅している。また、今最も気になっているドバイの首長シェイク・ムハンマドも現代のリーダーとして欠かせない人であるように思ったが載っていなかったのは残念。
 だが、このブログでもよく使う建築用語ミフラーブ・イーワーン・ムカルナス・ミンバルなどをわかりやすく解説する図版は見やすいし、ムスリムの日常生活は日本では興味深いだろう。文化面ではミニアチュールも美しい写真とともに紹介されている。アラビア書道はあまり詳しくないのが残念だ。
 
◆今回の「知りたい」というテーマに則して、全64ページにわたるイスラーム特集は「特集」という名に値する。最近のイスラーム地域の動向もある程度まとめられており、いわゆるニュース報道とは別の『知りたいイスラム』というテーマに即した良い特集であった。

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by miriyun | 2011-08-05 07:12 | Comments(12)
Commented by petapeta_adeliae at 2011-08-05 22:06
時間調節で書店に入って、表紙で思わずPenを手にとり、
早速購入しました。
明日、いつものアクアビクスから帰ったら読む予定です。
Commented by miriyun at 2011-08-05 23:36
ソーニャさん、青のモスクの表紙目立ちますよね。
他にもいろいろな本があってもすぐにわかる青、色の力はすごいなと改めて思います。
Commented by 霧のまち at 2011-08-06 06:51 x
イスラムに関しては 日本人は一番未知の世界ですよね。
阿刀田氏などが 掴みやすいような本を出されましたけど 取っ付くまでになかなかネ・・・。
美しい青ですね。  私も早速購入して読んでみたいと思います。
Commented by asiax at 2011-08-06 07:38
これはちょっとびっくりしましたね。
PENは好きで、よく手にする雑誌の一つですが、和のものと西洋志向が強いので、今回は斬新なテーマですね。
表紙デザインからぐぐっときてます。
Commented by なな at 2011-08-06 09:17 x
私の習った歴史の教科書では(今は知りませんが)チグリス・ユーフラテスが出てきた後はとサザン朝ペルシャがちらりだったような記憶です。
扱われないからこそ好奇心がわき惹かれるのかもしれませんが
こういった雑誌の特集はうれしいですよね
本屋で探してみます!
Commented by えるだーおばば at 2011-08-06 13:18 x
こんにちは、おばばです。
思わず、目凝らしました。
綺麗な、魅惑的なブルーのモザイク模様、さすがイスラムのデザインですね。
おばばも買ってみようと思います、が、岡山の書店にあるかな?
Commented by miriyun at 2011-08-06 15:01
霧のまちさん、阿刀田さんのもわかりやすいものでしたが、
やはり写真いりは理解しやすいですね。
イスラーム地域が不安定で、いまだエジプト航空でさえ
日本に就航していないような状態なので、ちょっと情報が欲しいところでした。
Commented by miriyun at 2011-08-06 15:09
asiaxさん、和洋中心でであまりイスラームを特集するとは思って
いませんでしたので、今回驚きました。
表紙はとても目立ちますし、好評です。
イスラームへの理解が進む一歩になると思います。
Commented by miriyun at 2011-08-06 15:18
ななさん、イスラーム地域は寸断されて何のつながりもないような知識になっていましたよね。
ときにこういう特集があるとまとまったものとして
再確認できるのがいいです。
Commented by miriyun at 2011-08-06 15:21
えるだーおばばさま、イマームモスクの美しさならではのインパクトですね。
やはりイスラム文様の青の力は強いです。
Commented by CROKO at 2011-08-09 21:12 x
久しぶりにネットサーフィンです
読む量が多くて大変です(笑)
Penはすぐ買いに行きます。

Commented by miriyun at 2011-08-09 23:11
CROKOさん、ネットサーフィンも時間がないとなかなかできないですし、
ためると、その間にたくさん読みたい記事がたまっていたり((@_@;)
結構忙しいものですよね。


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