2011年 07月 18日
イスラーム地域を見つめて イスラーム地域は、かってはアラビア半島の乾ききった砂漠地帯の町から始まった。 そこからアラビア半島に広がり、すぐに地中海を渡ってチュニジアに入り、北アフリカ全体に広がっていった。 また、インド洋をめぐる交易ルートが古代から発達し、アラビア半島のアデンやドバイにホルムズといった海に面した地域と東アフリカもインドもすぐにつながってきた。現在人口で最も多いインドネシアや多民族のマレーシアなどにも広がって、その気候も風土・習慣も多彩になってきている。 その広いイスラーム地域に接点を持ち、心に引っかかってきたものが写真とカリグラフィーを通してこの文化と深く接点を持つようになった。 写真だけであったら、おそらく自分はイスラームに限定はしなかったかもしれない。 ところが早くからアラビア文字の世界に魅了されたために、自ずとイスラーム地域の文化と自然をライフワークとしていった。それを見える形にしたのがこのブログだったが、それも1500話になった。 今見直すと、アラビア書道を最初から大事なライフワークとか言いながらほとんど自分の作品は載せていない。載せる自信がないのだ。 ~~~~~~~~~~ 先ほどのニュースで見た。女子W杯。ワールドカップで優勝したなでしこジャパンのリーダー、澤さんは英語もわからないで20歳で契約書と辞書を持ちながら単身アメリカに乗り込んでチーム契約をした。この人を中心とするチーム、オーラがあった。最後にはドイツも応援してくれて、被災した日本に最高の勇気を与えてくれた。そのおこぼれで私も勇気づけられた。 フィギュアスケートの高橋大輔選手は怪我をしても、転んでも気持ちを曲げずに4回転ジャンプを飛び続け、曲想をオリジナルになるように表現し続ける。とくに苦しかった世界ジュニア優勝後の修業時代。コーチと二人で世界修行の旅で苦しくて大変な時期を過ごしたという。今、その話が出るとコーチと高橋選手は互いの顔を見合わせて苦笑いするだけだが、そういう時を経て、いま、自然体で自分を語る大輔選手を見ることができる。 自信は最初からある人なんていない。積み上げて行かなければ何もスタートしない・・・。 スポーツ選手ばかりではない。ブログ仲間の方の刺繍の先生も絵画をされる方も、編み物をする方も着々と自分らしさを出し人前に発表しながら溌剌とした作品を発表し続けている。本当に素晴らしい進展ぶりをつぶさに見ることができる。その進まれる過程を見させていただいているだけですごく刺激を与えられる。 ~~~~~~~~~~~ なんだか、写真に逃げていて、アラビア書道作品はもちろん、カリグラフィー解説からさえも遠ざかってしまっていた自分を発見した。何かを変えるきっかけが必要なときになでしこジャパンを見たのかもしれない・・・。 アラビア書道であらわすイスラーム地域* 『川のほとり』 イスラーム地域の範囲は広がったが、その思考の原点には常に乾燥地帯の風土とそこに芽生えた文化があった。 イスラームにおいて天国は川が流れるか、噴水があり、そして、花が咲きみだれ、鳥もやってくるようなところをいう。更に大河ユーフラテスやオロンテス川、さらにナイル川・ヤムナー川・・・。イスラームの人々は荒れ地を歩き、砂漠を越えて灼熱の地獄を抜け出たとき、こうした川を目にした時、何を思ったのだろうか。 そして、ムスリムとして正しく生きた後に、川のほとりの館にある自分を想像したのであろう。 そういった川のほとりを自分のイメージであらわした。 夕日の名残の色が残るブルーモメントの空とそれを写す川面 イスラームの国で愛される月が中天に浮かび、そっと文字を照らす 文字も川の流れに合わせて静かに流れ連なる (『川のほとり』2010年ジャりー・ディーワーニー体) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 月は一昨日満月だった。今は欠けはじめて、あと10日と少しで、新月になる。 イスラーム地域ではもうすぐラマダン月に入る・・・。 ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります ↓
by miriyun
| 2011-07-18 14:42
| アラビア書道
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Comments(22)
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ぺいとん
at 2011-07-18 17:24
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1500話、千一夜よりずっと長い記事をありがとうございます。2000話いえいえ10010話も楽しみにさせていただきます。
いつの日かこの青い川面と満月に会えますように!
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at 2011-07-18 19:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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petapeta_adeliae at 2011-07-18 20:59
1500話おめでとうございます
>自信は最初からある人なんていない。積み上げて行かなければ何もスタートしない・・・ miriyunさんてとっても自分に厳しいくて、緻密で常に前を見つめていて、 武将だったら・・・どれだけの戦で名を馳せていたかと思ってしまいます。(笑) 川のほとりはかなっくホールで展示されたものですね。 右カープにmiriyunさんの充実感だし、書体が川と色彩を一層鮮やかにしています。
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miriyun at 2011-07-18 21:19
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miriyun at 2011-07-18 21:27
鍵コメ様、。すてきな言葉で応援していただきうれしいです。ありがとうございます。
やはり素敵な方々との出会いや影響を受けることって、とても貴重なことですよね。mさんの挿絵デビューもさすがです。当然です! つながりのある皆さんの活躍を祈ってくださっている鍵コメ様の存在と、そのブログこそは目指したいところです。
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orientlibrary at 2011-07-19 00:15
素晴しいです。大好きな絵とカリグラフィー。見せていただいたことに感謝!静謐であたたかい。やさしさを感じます。思いが伝わってきました。
乾燥地帯でみる川はまた格別ですよね。自然の中でおおらかでもあり、神聖さも感じたり、、いろんな川を今思い浮かべました。旅がよみがえります。
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miriyun at 2011-07-19 01:53
素晴らしい作品、ありがとうございます。もっと見せていただきたいです。綺麗な青・悠久の流れを感じるカリグラフィーと川のイメージ・遠くにかすむモスク・・・魅了されてしまう作品でした。イスラムアートや絨毯、遊牧民、騎馬民族、砂漠にモスク、アラビア文字が大好きで色々検索して、こちらにたどり着き、その時の記事がペトラの夕暮れでした。すっかりファンになり毎日携帯からチェック・PC開いた時まとめてまた見ています。(イスラムアート紀行さんも)私はトールペイントをやっていますが、バラやお花ばかりの世界より、幾何学文様や砂漠にラクダの絵の方が好きで異端児的なことやってます(笑)すごく素晴らしいカリグラフィー作品でした。ぜひ、自信を持ってどんどん発表してください。ちなみに私のすべてのルーツはNHKの「シルクロード」でした。
もう1500話なんですか。
川のほとりの作品ってmiriyunさん作ですよね。 お部屋に飾って来客に見せたい位、お上手です。 書道って芸術なんだなと改めて思いました^^ 次回作も楽しみにしています
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miriyun at 2011-07-22 19:39
oriemtさん、旅の中で出会うそれぞれの川はその地ならではの格別なものですね。
各地の川のイメージとリンクして感じ取っていただけてとても嬉しいです。自分なりに感じたイスラームをいろいろな場面で表現できたらいいなとおもっています。
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at 2011-07-22 20:17
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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なな
at 2011-07-23 00:30
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1500話おめでとうございます
miriyunさん謙遜しすぎ!! 言葉にしなくても誰もが誰かに勇気をもらって誰かに影響を与えているのではないでしょうか? 一生の間に地球上の人口のごくごくわずかな人としか知り合うことができませんが こうしてblogを通じてmiriyunさんに出会うことができて本当に感謝しています カリグラフィーだけでなく背景もすべてお描きになってるのでしょう?白い光の中に浮かび上がるモスク、ミナレット!川面に映るその姿! 絵だけでもすばらしいです! 月のクレーターまでもがカリグラフィー! そして川を流れる文字、本当に流れるような文字だからぴったりですね 素敵な詩にであうと それをビジュアル化したいという想いがつのりますが こうして実現されているmiriyunさんの作品もっともっと世に出て欲しいです
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miriyun at 2011-07-24 23:58
yayaさん、ようこそ!!
いつも見ていただいているとのこと、とても嬉しくよませていただきました。 不調が続いたのでお返事遅くなりすいません。ルーツはシルクロード・・・わかります。あの映像は狭い日本から出て悠久の道を歩いてみたいと思うに十分な影響がありましたね。 これからもイスラームの地をお楽しみいただければ幸いです。
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miriyun at 2011-07-25 00:25
CROKOさん、イスラームの地を訪れるとそれをきっかけにその地と文字とをあらわしていきたいという思いが高まります。
なかなか進まないのですが、応援していただいて力が湧いてきます。 ありがとうございます。ちょっと不調でお返事遅くなり失礼しました。
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miriyun at 2011-07-25 00:34
Hiroe さん、目だけは肥えてしまうので、困ったことに自分の作品はあらが見えて仕方がないのです。
わずかにしか自分の作品は載せていないのですが、ようやく一つ増やしました。 楽しんでいただいて、嬉しいです。
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miriyun at 2011-07-25 00:53
鍵コメ様、1500話は本当に自分のやりたいことが、写真を生かし、アラビア書道を知ってもらい、そして、イスラームの地域を知っていただくということがすべてまとまりその居場所にツボを得たという感じの中でいつの間にかそうなっていました。
いつも応援していただいてありがとうございます。
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miriyun at 2011-07-25 01:04
ななさん、あたたかい言葉をありがとうございます。
ふだんからお訪ねしては刺激を受けています。 モノづくりはやはり周りからエネルギーをもらいますね。 それが自然であったり、他のモノづくりの方であったりします。 この川面の色を塗っているとき、作品に対して純粋でいい気持ちでした。 いろいろなこと表現したいと思いつつなかなかできないのですが、 自分の中のそういった気持ちは大事にしていこうと思います。
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yumiyane at 2011-07-25 13:09
1,500話達成おめでとうございます。
私は2007年から始めたのですが、ひと月に32話書いた時があるようですが今はそれの半分です。 miriyunさんの記事は、詳細なリサーチもなさっているし、とにかく情報が正確で、イスラムの世界とはいえ、多岐に亘っていて大変興味深くいつも拝見しています。 このカリグラフィの構成と、空の色がなんとも言えませんね。 川のほとり という言葉、今の私にもとても響きます。 これからも楽しみにしています。
お久しぶりに伺いました。
大変遅ればせながら、1500話のご達成おめてとうございます。 お元気でご活躍何よりと存じます。 アラビア書道の美しさには素人ながら惹かれています。 イスタンブールの宮殿やモスクでたくさん目に触れる機会があります。 コンヤにもしばしば行きますので、メヴラーナ博物館などでもよく・・・ ライフワークをお持ちのmiriyunさんの、遠く足元にも及びませんが、 いつかアラビア文字が読めるようになりたいと思います。
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miriyun at 2011-07-29 13:18
yumiyaneさん、ありがとうございます。
カリグラフィーの流れのある文字は、書いていてもとてもきもちがいいのです 同時に空の色などもたのしみながら書きたいとは思っています。 空の色や砂漠や自然を見ることと書くことがいつもひとつ合わさってくることがあるととてものってくることもあります。 ものづくりって苦しいときもあるけれどやはりたのしいですね。
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miriyun at 2011-07-29 13:21
madamkaseさん、イスタンブールは現在はアラビア書道の随一の場所ともなっています。日常でアラビア文字をつかわないのに書家はすごい人がたくさんいます。
もっと巡り歩いて見たいといつも思っています。 おすまいの方がうらやましくなる文化環境ですね。 |
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