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2011年 07月 05日

霊気を吐く獅子像・・・ライオン紀行(27)

鏡の中に天平期の勢いを見る  
霊気を吐く獅子像・・・ライオン紀行(27)_c0067690_7584065.jpg

 銅鏡の中に勢いのある獅子を見た。 
霊気を吐く獅子像である。ごく小さな部分を拡大しているのだが、この描写は本来のライオンの力強さをあらわすことができている。そしてとても重要な目が生きている!
 

霊気を吐く獅子像・・・ライオン紀行(27)_c0067690_801578.jpg

 瑞花狻猊方鏡(ずいかさんげいほうきょう)。(国立博物館蔵)

 方鏡(四角い銅鏡)であり、有名な海獣葡萄鏡ならともかく、名も知らぬ四角い鏡の前などあまり人が見るわけでもなく通り過ぎてしまう。重要文化財に指定されているわけでもないので、尚更だ。

 だが、ここに表された獅子と瑞花は彫が深くくっきりとしている。
 唐鏡から型どりをして、そこに青銅を流しいれて銅鏡を大量生産する「踏返し」ものではないことがわかる。
つまり、当時の唐の文化の勢いと、それを8世紀の勢いのある日本との間でこそ出てくるものだ。鋳造が唐なのか、あるいは唐の技術が日本にやってきて日本で鋳造したかもしれない。
 京都で出土し、近くには奈良時代・平安時代からの墳墓が多いと言われる。



八角燈籠の獅子&方鏡の獅子
 
霊気を吐く獅子像・・・ライオン紀行(27)_c0067690_7434910.jpg

    ライオン紀行(26)で紹介した国宝、東大寺八角燈篭にある獅子像である。この国宝紹介で、ライオン紀行を終えるつもりでいたのだが、ライオンは世界中どこにでもその姿が目に付き、続けてしまいそうだ。
  飛ぶがごとき、勢いのある姿がえがかれているが、8世紀のスタイルがこれだ。

東大寺八角燈籠は、大仏殿に合わせて作った天平期の代表作であり、大仏殿が炎上してもこれは当時のままに残ったものだ。だから、天平期の獅子像がどういうものだったのかがこれを見るとわかる。


◆それと比較してみたいのが今回の獅子。
霊気を吐く獅子像・・・ライオン紀行(27)_c0067690_7583841.jpg

 小さな方鏡の中に見出した天駆ける気を吐く獅子像。
鬣のなびく様子もさることながら、右前脚を前にだし左前脚は肉球がはっきりするほど跳ね上げ、後ろ足は駆ける姿なので後ろにずん伸びてあらわされている。胸の筋肉も肉厚に表現されている。
 
 八角燈籠と全く同じ形の天駆ける獅子の脚の表現。
これこそ8世紀の時代表現だったのだろう。

 当時、唐が大いに栄えた時代であり、唐の文化は極めて国際的でシルクロードの彼方からの文化も巧みに昇華させていったのである。
 その文化に触発された日本では、日本という国の一大プロジェクトとして東大寺や大仏を自分たちで作り、大いに意気盛んなる様子を表した時代だったのだ。この時代の遺物は、こどものころには何の感慨もなかった。しかし、今はすべての文物に勢いのある時代だったのだと感じながら見ている。
 


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by miriyun | 2011-07-05 08:41 | Comments(2)
Commented by ぺいとん at 2011-07-11 08:51
素晴らしい獅子が力強く表現されている文化は洋の東西問わず本当に勢いがあったのですね。 
夢や希望、祈り、いいものが沢山あった頃のように今また獅子が生まれてくることを願っています。  


博物館の中ではなく、やはり八角燈篭は大仏殿の前で見てみたいな~!
Commented by miriyun at 2011-08-28 18:21
ぺいとんさん、獅子についてのコメントいただいていたのに見損なっていました~、すいません!青空のもとの国宝ってやはり素晴らしいと思います。いつまでも外においておける環境だといいのですが・・・。
 文化の隆盛期はほんとに何も見ても勢いがありますね~!


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