写真でイスラーム  

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2010年 10月 09日

ストゥク・オルチャル氏と宝珠(チンタマーニ)文様でつながる

お久しぶりです。
PCの前になかなか座れない日々が続きました。
以前にコメントをいただいたのですが、作品づくりと仕事に忙殺されて見ることができなくて気になっていたことがあります。

ようやくそこを見てみると、陶芸と文様の世界が広がり、つながりました。
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 船の大皿からつながる 

まず、先日9月30日に載せた大皿。背景はイスタンブル、ガラタの塔を背景とした海。
ストゥク・オルチャル氏と宝珠(チンタマーニ)文様でつながる_c0067690_7483263.jpg

伝統の花柄のほかに、こういう海を題材としたものもあるということで載せた。そして文様がチンタマーニが多用されていると紹介したのだった。

そこへ、タイル・陶器に目がなくて、最近はご自分でもイスラーム風絵付けをはじめられた
イスラムアート紀行のorientさんから同じころにチンタマーニを載せている方がいらっしゃると情報をお寄せいただいた。

ようやく、そこを訪れることができて驚いた。
こちらで5回も載せていたチンタマーニ文様について、こちらで詳しく解説されていた。
-イスタンブル発ートルコタイル通信
スルタンの象徴 Çintamâni / チンタマーニ
トルコの先生から、チンタマーニはとサンスクリットから来ていて仏の教えからと教わったということだ。調べると意ののままに願いをかなえる宝とわかったという。

ストゥク・オルチャル氏と宝珠(チンタマーニ)文様でつながる_c0067690_7483581.jpg


さらに読み進むと、海や船を描くお皿が出てきた。
Sıtkı Olçar / ストゥク オルチャル
その職人さんは、トルコを代表するストゥク オルチャルさんだという。しかもその業績を讃え、9月末にシンポジウムが開かれたというではないか。
 ここで、オヤッ、聞き覚えのある名前?!

そこで、ここからさらにページリンクされていた
イスタンブル的陶芸生活にお邪魔した。

すると、ストゥク・ウスタ(おそらく、アラビア語ウスターズからきていると思われる先生の意、ここでは尊敬される職人・親方のような意味だろう)の工房見学という価値あるページに行きついた。
解説図まで載った好きな方にはたまらない詳しさである。
ストゥク・ウスタ
キュタヒヤのストゥク・オルチャルさんの作品群も目にすることができた。

しかも、ストゥク・オルチャルさんはユネスコの無形重要文化財だという。

ますます身近に感じる船の絵、帆の張り方も流れる雲も似ている。
ストゥク・オルチャル氏と宝珠(チンタマーニ)文様でつながる_c0067690_7483896.jpg

                         ↑ こちらは自己所有の皿の船

もう、あとは確認作業だ。
大皿をもう一度出してきて裏を見ればトルコ語でSitikとある。買ったころはこれがスと読めなかったが今はわかる。確かにストゥクとあり、記憶違いではなかった。これを売っていたアリさんはトルコの有名な職人の手によるものだと力説していた。しかし、話半分に聞いていたのだったアリさん、いまごろだが、ゴメン!!
 
 実はこの大皿、先日の作品づくりのために大がかりに模様替えしようとしていて、忘れていた大きな包みがでてきたもの。そして、ぶつかって落としたためにもろくも隅が割れてしまったのだ。とっておくべきか廃棄か悩んだが、チンタマーニが載っているのでひとまず写真にとって文様として生かそうとしたものだった。

 いや~、捨てていたら、この大皿が、そんなすごい職人さんの手によると知ることもできなかった。
そして、
 『イスラムアート紀行・・・・・-イスタンブル発ートルコタイル通信・・・・・イスタンブル的陶芸生活』
という繋がりも得ることができなかったということだ。

 もののつながり・知のつながり~そして、インターネットの中でのつながり、 
                  また大事にしていきたいと思った。みなさん、ありがとう!     

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by miriyun | 2010-10-09 08:23 | Comments(8)
Commented by orientlibrary at 2010-10-09 09:39
わ〜、すごい展開に、、びっくりです☆
あのお皿の作者が、トルコタイル通信さんが紹介されていたあの作家さん、そして工房訪問記の方、、(船の絵が、、)。
お皿の円のような縁のつながり、、「好き」の力でしょうか。「好き」は国境とか言葉とか人種とかを超えるように思います。
私も、これからもイスラムのタイルや陶器を、「好き」でいたい。そんな「好き縁」のうれしさに気づかせてくださったmiriさん、シュクランジャジーラン!
Commented by 谷間のゆり at 2010-10-09 21:49 x
お皿の絵を見た時不思議な気がしたのです、外側のマストの上の旗が風に靡いているのですが、中心の舟は帆と反対に靡いているのです、何か謂れが有るのでしょうか?
縁を欠いてしまったようですが、漆で金接ぎが出来ないかしら。

不思議な出会いを沢山していらっしゃいますね。

お宝拝見に出品できますね。

昨日展示会に行って来ました。宮本さんが話し相手をしてくださいましたので、楽しく拝見できました。

ご本名がわからないので、ご出品作がどれか判りませんでしたが、川の流れの様な作品がそうではないですか?
Commented by ateliercinicini at 2010-10-10 04:14
こんにちは。はじめまして。
本当に不思議なつながりですね。
割れてしまったお皿、miriyunさんにとって物質としての価値以上の意味を持ち始めたのではないでしょうか?大切にして下さいね。
Commented by miriyun at 2010-10-10 07:49
orientさん、ご紹介いただき気になっていながら、しばらく何もできなかったのですが、見始めたらなんととても貴重なつながる糸だとわかりました。
 orientさん、ありがとうございます!!
 こうして時々偶然なのに必然といっていいほどの事に出会うとなんとも不思議で暖かな気分に満たされます。
Commented by miriyun at 2010-10-10 08:11
谷間のゆりさん、Web上の出会いというのは予想外の展開をすることがあって、素敵な方々と出会えるのが嬉しいものです。
 まれに風が舞うときや荒天の時には位置によって風の向きが異なることはありますが、それをわざわざ描くかなという疑問はありますね。
 大きなかけらがあってそれはくっつけて写真を撮ったのですが、金継ぎ以外は食べ物を載せることには使えません。でも飾って楽しむには外の接着方法でもいいかもとか思っています。
 慧眼をお持ちです。
Commented by miriyun at 2010-10-10 08:13
atelierciniciniさん、文様の広がり、職人さんのお話、とてもうかがいたい話に発展して、とても嬉しかったのです。
 不思議なご縁の出会い、大切にさせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
Commented by petapeta_adeliae at 2010-10-10 21:54
ヤバヤバでしたね。
ストゥク・ウスタ作品、優しい色づかいがとっても素敵です。通販あるようなので、おねだりしてみようかしら?!

本日、かなっくホールに行きました。
知らないオジサンに話掛けられ、つられて隣りの水彩画に入ってしまってすぐに出ることが出来ず、
20分ほどつき合ってしまいました(汗)
本田先生がいらして記念撮影を申し出る人後を絶たず、居なくなるのを待っていたら・・・私ひとりきり。
miriyunさんの作品は時間がなかったとは思えず、いつもの女性の柔らかさと繊細さと違って力強さ
野望!?あり、本田大先生の隣りの隣りで堂々としていました。
いろんな書体の寿の中に書かれていたもの、木彫りやらとアイディアを見るだけでも見甲斐がありました。







Commented by miriyun at 2010-10-11 11:20
adeliaeさん、ストゥクという名はみたとたんに覚えがあると思ったのですが、実は伝統的な技術にのっとっていながら、斬新な柄を次々に考えて創作されている方とは存じませんで、割れたときにはほんとにどうしようかと考えました。
 作品展へのご来場ありがとうございました。デザイン案はとても早くから作ってあったのですが、直前のアクシデントは厳しかったです。


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