写真でイスラーム  

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2010年 09月 03日

直径5cmの眼球・・・ダチョウその3

大きい・重い・羽根が充分発達していない・・・・鳥にとってこれは”飛べない”ということであり、これは種の存続に重大な欠陥となり、滅亡の道をたどることになる。 しかし、人類が現れてから随分とダチョウは人が狩ったり、捕らえたりしているのに、存続している。

 飛べない鳥を走鳥類といい、エミュー・レアなどそういう鳥はいるものだが、特にダチョウは大きく獲物としても魅力に富んでいる。それなのに生き残ってきたのには何らかの理由があるはずだ。


1.直径5cmの眼球で草原を見渡す

直径5cmの眼球・・・ダチョウその3_c0067690_22254449.jpg

                             ↑ クリックすると大きい画像がでます
ダチョウは大きいものは身長2.8mにもなる。そして顔が小さいわりに目がとても大きい。直径5cmで、陸の脊椎動物の中では最大といわれる。(ゾウは??ゾウの目はダチョウにかなわないほど小さいのだろうか、資料がなくて不明)
 顔を中心に撮影した写真を見ると遠くから見たのとは随分と印象が異なる。透明感のある大きなガラスだまのような目がきれいなので驚いている。そしてまつげの長いことにも驚く。まつ毛の影は大きな眼球に影をなし、なおさら印象深い目になっていた。 

草原に暮らすダチョウはその背丈とこの大きな眼球で視界が開けている。そして3km以上先の敵ですらとらえることのできる視力をほこる。敵がやってくることを察知するのが早いことは野生の動物にとって重要なことであった。

2.疾走、草原の覇者 
直径5cmの眼球・・・ダチョウその3_c0067690_22435859.jpg

                 ↑ 2本指のダチョウの足
敵が来た時に飛べない鳥はどうするのか。すばやく逃げるか、隠れるかしかないだろう。大きな体のダチョウはとても隠れることはできない。
 そこで、いち早く外敵を察知して走って逃げる。これが走鳥類なのだ。
この足先を見てみると、珍しいことに2本指なのだ。地面との摩擦を最小にして、ヒズメのように進化している。それも見るからに頑丈そうな指で、そこには細い足首がある。その上には意外なほど筋肉が盛り上がった発達したモモがある。このモモはおそらく陸上選手がうらやむような筋肉でできている。
 これによって、鳥の中でもっとも走ることに徹した姿になっている。最速時は時速70kmにもなる。
*陸上で最速の動物はチーターであり、時速100kmといわれる。ただし、全力走行は数秒しかできない。サラブレッドは騎乗で最高時速75km出せるがせいぜい200mの距離だ。時速60kmで3.6km、時間にして3分半程度走ることができる。
 半日くらい走る持続力のあるアラブ馬で時速25km、ふつうの馬は時速十数キロといったところなのだ。

 ダチョウの特色はその持続力である。
 時速50kmの速度で30分間、つまり25kmを走り続けることができる。これはすごいことだ。想像してみよう。信号のない道路を時速50kmで車を運転している。その脇をダチョウが涼しい顔で走り続けて30分は軽く駆け続けているということだ。これでは肉食獣でもあきらめざるを得ないわけだ。


3.ラクダとダチョウは似ている
 なお、サバンナで暮らすダチョウは砂地でも走れるように足裏は肉布団のようにやわらかい部分がある。これもラクダと似ている。
 まつげの長さなどラクダとの類似点が気になっていたが、次々と気になる点がでてきた。耳は砂嵐の時には自ら閉じることができるという。これもまるでラクダの鼻のしくみのようなのだ。


4. 卵を守る・雛を守る集団形成 
 どんなに走るのが早くても、卵や雛を守らなければならないときは危機になる。
ダチョウはどうして来たのだろうか。
 ダチョウの卵は大きい。いいえさになるのでいろいろな生物に狙われる。一羽のオスと3羽以上のメスからなるこのチームは全てのメスの生んだ卵を積み上げてまとめて守る。昼夜をメス・オスで分担して卵を温める。雛が生まれる。ダチョウのの雛は一般的な鳥たちの雛と異なって、生まれてすぐに完全に機能を果たすよく見える目と断熱保温のための羽と筋肉のついた脚を持って生まれる。生まれた翌日にはしっかりと歩き、親について歩くがなんと自分でえさを調達するという。巣の中で 木の上の巣で口を開けて待っている雛とは全く異なるのだ。たちかに穴の中にも木の上にも隠れ場所のないダチョウであるからこそこのような機能を持って生まれるように進化したのだろう。なお、この雛は成長も驚くほど早く7ヶ月にして成鳥となるという。


5. ダチョウのキック力 
 雛がいるうちは保護集団をつくり、オスが守りながら移動する。それでも肉食獣などに追いつめられたらどうするのか?
 そのときは100kgの重さと跳躍力による強烈なるキックで戦うのだ。では後に立たないようにしなければいいと思うのは間違いで、馬のように後脚でけるのではなく、前方に向かって正確にキックする。したがって、相手が人であろうとライオンであろうと、キックボクサーのように強烈なキックを繰り出すのだ。


◆生き残る生物には、なるほどと思えるしくみが備わっているのであった。
  ただ、残念なのは比較的猛獣の少なめな中東のダチョウは絶えてしまっているということだ。これは人間による乱獲が原因として考えられる。

                                       
                                                    
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by miriyun | 2010-09-03 23:24 | Comments(4)
Commented at 2010-09-04 09:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2010-09-04 23:16
足が速いということの実例を見たいと思っていたのですが、adeliaeさんは見られていたとは!
それにしてもダチョウ、想像しただけでも迫力がありますね。
Commented by 谷間のゆり at 2010-09-05 17:33
駝鳥をしみじみ見せて頂きました。駝鳥はまつげの長さで、眼球を守っていますが、このはず句は瞼が2枚有りました。鳥の瞼は下から上に上がるのですが、駝鳥は如何でした。このはず句は目の傍に遺物が近ずくと下の薄い瞼が閉じて、それから上の瞼が人間と同じ様に閉じるのです。だからこのはずくを見ていると、思わず「可愛い」と口にでます。
Commented by miriyun at 2010-09-06 06:57
谷間のゆりさん、駝鳥はこのとき下まぶたは見えなくてひたすらまん丸な大きな目が目立ちました。
でも寝るとき・休む時はどうなるのでしょう。
外の写真も見て見てみますね。


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