写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2009年 01月 05日

豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)

 モザイクは丈夫な石さえ手に入ればあとは注文に応じて様々な絵柄が描かれていった。ローマ帝国にはモザイクの絵柄の種類もあまりにも多様であるため、どういった傾向があるのかを見ていこう。

 地中海に面しているギリシア・ローマではモザイクの題材にしばしば海の生物が登場してくる。
豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)_c0067690_1213627.jpg

                         ↑ スベイトラ遺跡

 幾何文様と魚をデザイン化してその中で自由に動かさせた。 

豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)_c0067690_122344.jpg

                                ↑バルドー美術館

巨大な海の生物モザイクがここにはある。壁一面にけっして芸術的ではないが大きいだけにすごいと当時の人も驚いたことだろう。中央に何とタコがいて、その上のほうにはクラゲも漂う。こんな時魚の名も鳥の名も詳しくないのが残念だ。鳥たちは水面で魚を取る。一羽はすでに獲物を捕らえている。

豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)_c0067690_1232518.jpg

 それと同じ画面をよく見るとよく太ったエビがいる。
豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)_c0067690_123403.jpg

         ↑ バルドー美術館

  海の中の女神とともに泳ぐのはイルカウツボのような大きな生物が泳ぎ回る。

豊かなる海の生物…モザイク紀行(14)_c0067690_1241433.jpg

                          ↑ブラレジア遺跡
 二枚貝・巻貝・もしかしてウニ?と思われる右上に見える。
 手前に泳ぐのはウナギだろうか?
 ブラレジアの住居群の中の魚はこれまでとはことなって深い色の輪郭があるためにいっそういっそう生き生きと活動しているように見えてくる。

◆ これだけの海の生物を詳しく描けるということはこれらの海の恵みが身近にあり、それを食糧として大いに楽しんでいたということがいえる。イカ・タコも当時は喜んで食していた可能性も高い。

 文様からローマ人の豊かな食生活が浮かび上がってきた。

                                            応援クリックお願いします。  

by miriyun | 2009-01-05 01:34 | Comments(8)
Commented by yumiyane at 2009-01-06 00:21
海の幸が結構リアルに描かれていて、豊かな生活を思わせますね。
しかし、タコの描き方が魚に比べるといい加減で、あまり好きではなかったのなかあって思っちゃいました。
そういえば、アレキサンダー大王の顔は、どこかのモザイクの顔しか残っていないそうで、その絵が度々使われるようですね。
Commented by kiwidinok at 2009-01-06 08:21 x
こちらでの挨拶は今年初めてなので...

明けましておめでとうございます。

さて、一番上のスベイトラ遺跡のモザイクですが、穴に入っているように見えるのですが、何か目的があってそのように作られたのかなと、疑問に思いました。この周囲はどのようになっているのでしょう?

上のyumiyaneさんのコメントを拝見して、タコの描写に笑えました。私にはタコをあのようにデザインするセンスがないなと、いまだ解放されていない自分の想像力にちょっとガッカリもしました(笑)

また、バルドー美術館の展示ですが、モザイクの縁取りの部分はどうなっているのでしょうか?実際には天井の縁取りと、モザイクの手前に「縁取られた白い壁」があるのかななどと、想像してみたのですが、違和感を拭いきれずにいます。
絵の方は、日本で言うと「竜宮城」でしょうか... (笑)

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

Commented by horaice at 2009-01-06 09:16
miriyunさん
明けましておめでとうございます!
モザイク紀行~充実されていますネ;-) お魚のモザイク、楽しいですね~♪
うねりのあるお魚の動きが重なって、海の中の流れが感じられますね。
ギリシャのローマ遺跡見てみたいです☆
モザイクのキューブ↓見れてうれしいです!!
色々珍しいものをmiriyunさんの研究とともに見せて頂けること、感謝です!! 繋がりを持たせて頂き、ありがとうございます☆
これからもよろしくお願い致します;-)
2009年、miriyunさんにとって素敵な年でありますように・・・☆
Commented by miriyun at 2009-01-07 01:01
yumiyaneさん、タコの姿、ほんとに笑えます♪
好きでないものはじっと見ることさえしないですものね。たしかにあの姿でうねっていたらだめかも~!
 アレクサンダー大王のモザイク・・・大変有名ですよね。あとはサイダの王の石棺に大王の戦うレリーフがあるのですが、いずれも大王を知っている人が作っているのかどうか大事なところですね。
Commented by miriyun at 2009-01-07 01:13
kiwidinokさん、新年おめでとうございます。
 やはり、物を作られるかただから視点が違いますね。スベイトラは沐浴状のような形になっていました。
 モザイクの縁取りというと完成時のでしょうか。もし完成時としたら床一面の場合は縁取りもない場合もあります。また、幾何学文様で周辺を飾っている場合もあります。バルドーは床材であったモザイクを壁に飾っているのですが周辺部分が掛けてしまっているものもあります。つくりについてはまたおいおい書いていきますね。
Commented by miriyun at 2009-01-07 01:18
horaiceさん、新年あけましておめでとうございます。
モザイク紀行楽しんでいただけて嬉しいです♪ 見ているとローマ遺跡の広がり共通性、生活観・・・・色々なローマが見えてくるんですよ。これからも楽しんでいってくださいね。
 では、今年もよろしくお願いいたします。
Commented by さらさ at 2009-01-07 15:29 x
出遅れましたが、あけましておめでとうございます。
モザイク紀行、嬉しく拝見しています。
バルドー美術館はモザイクで有名ですよね。いつか行ってみたいと思っています。床モザイクをこのように展示しているのですね。
ギリシャにもイルカやタコのモザイクがありますが、こちらは種類も豊富で見ているだけでも楽しいですね。
下の記事にもあるように不揃いな石を組み合わせるところに独特の味わいが生まれるような気がします。それと大理石という天然の色彩ですね。
私も大理石を一つ一つカットして制作しました。

今年もどうぞよろしくお願い致します。
様々な視点で広がるイスラームの記事、期待しています!
Commented by miriyun at 2009-01-09 02:05
さらささん、新年明けましておめでとうございます。
 モザイク見れば見るほどこれをつくっていった人はすごいものだと感嘆しました。さらささんも現地で制作されたのですね。時間もかなりかかるでしょうし、色の配置もかなり悩むようではありませんか?
 最初は簡単な文様だったのでしょうが、これが芸術的な絵にまでなっていくのです。一つ一つカットした石から2000年の時を超えて伝えてくれるもの・・・これを受け止めていきたいものです。
 では、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 


<< 現在のラニア王妃      モザイク片の形と大きさ・・・モ... >>