写真でイスラーム  

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2008年 12月 12日

マレーシアの書道家

 Restu財団のアート・コンプレックスには8人のカリグラファーがいるが、その中のCalligraphy Senior ExecutiveのAbdul Baki Abu Bakarさんの話。
 メールではバキ・バカルと書かれているので、ここではそう呼んでいく。
彼のwebsiteはこちら→http://www.arabiccalligraphy.wordpress.com

マレーシアの書道家_c0067690_4245090.jpg

                           ↑ (ご本人から「写真でイスラーム」への掲載許可を受けています)

 これは、バキ・バカルさんとその作品である。いくつかの作品を紹介してくれたが、いずれもスルス・ジャリーディーワーニー・ナスヒー・ナスタリークなどを使って堂々たる作品になっている。装飾はデザイナー&カラーリング(中東ではテズヒーブを書くこと)を行なう専門家が行なう。ここにはそういった専門家が16人もいるのだ。したがってカリグラファーは純粋に文字を書くだけだという。これだけの大きな作品で文字がびっしりだとさぞ時間もかかるだろうと思ったが、4日間で書いたものだという。

 彼は、トルコのIRCICA(イルシカと読む)の第7回のInternational Calligraphy CompetitionでのIncentive Prizesを受けている。それも特に難しいJaly Thuluth(大きいスルス)書体部門である。マレーシアでNo,1ということになる。
 
 彼は、本田孝一氏の作品をさし素晴らしいといい、また本田氏のテクニックはすごいという。
                       ع
アインという文字を頭の部分をまず左から右へ書き(先端の細くなるところは輪郭を書いてなかを塗るという中東でも一般的に行なわれる方法を用いる)、そして、その次に始点のところから第2筆を継いでいくことしかできないと思っていた。しかし、本田氏は右から滑らかに弧を描きながら左へ行き、細くしたところからそのまま続いて下にと筆が続いていく。見事なものだと感嘆することしきりであった。

 また、後日その件について先生から伺うと、彼はとても素直で、アインの書き方を熱心に聞き、そしてわずか2時間ほどのちにはもうアインをなめらかに書けるようになっていたという。

 若くて、素直で柔軟、しかも同僚が「彼はいつも書いている」というほど、修練たゆまぬ努力を重ねている。

マレーシアの書道家_c0067690_4252393.jpg

マレーシアの書道家_c0067690_623145.jpg

 私たち弟子たちの作品もしっかりと見ていてくれていた。
マレーシアの気さくで努力家の書道家との出会いであった。

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by miriyun | 2008-12-12 05:35 | マレーシア | Comments(16)
Commented by ぺいとん at 2008-12-12 07:14 x
見事な作品ですね!!! 
色使いがマレーシア!という感じですよね~。 
娘は「絨毯みたい」だそうです・・・
Commented by miriyun at 2008-12-13 09:05
ぺいとんさん、書家というのがどれほど書いてどれほど誇りを持っているのかがよくわかりました。趣味で書いているものとのちがいが強く感じられました。
 ただ、この文字を愛する気持ちは変わらないので、自分でも頑張ろうと思うのです。
 色ですが、おっしゃる通りマレーシアカラーは中東カラーとは明らかに異なりました。その辺についてはまた書きたいと思っています。
Commented by joe at 2008-12-13 09:27 x
マレーシアの気さくで努力家の書道家との出会いはさわやかなものであった。
Shodouka no michi...
Tayumanu doryoku...
Subarashii desu ne.
Commented by miriyun at 2008-12-14 11:38
ジョーさん、書をやる立場からも参考になりました。
 いつも書いているということばが心に残りました。自分にはできないだけに少しの時間でも大切にしたいです。
良い週末をお過ごしください。
Commented by cocoloe-azuki at 2008-12-14 23:17
私も描かねばという気持ちになりました。
こうしたまっすぐな姿勢を見習わねばならないなと。
マレーシアカラー、早朝のような清々しさと美しさがありますね^^綺麗☆
上記のアインのようにペルシア語でも(書道ではなく普段書く文字ですが)一度に書かず手直しをするかのように線や太さを付け加えて文字を完成させています。なるほどそういうことなのかと納得しました。
Commented by miriyun at 2008-12-15 05:25
azukiさん、マレーシアの色合い、早朝のような清々しさ・・・なるほど、何と言ってよいか自分でも迷っていたのですがぴったりです。
 ペルシア文字とアラビア文字の違いはわずかですから、共通点がたくさんありますね。書き方も結構迷うところです。
Commented by zuhud at 2009-02-23 10:16 x
ogenki desu ka? watashiwa sensei.
Commented at 2009-02-23 14:55 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2009-02-24 23:17
Mr.zuhud.Welcome.
I am writing this blog.
I am Prof. Honda's apprentice.
Commented by zuhud, at 2009-02-24 23:49 x
arigato gozaimasu. very nice this blog.but i dont understand nihong go. i very astonished prof honda, i go to his exhibition in restu. very nice his calligraphy. are u calligrapher?o namae wa?
Commented by zuhud, at 2009-02-24 23:59 x
dozo yoroshiku
Commented by miriyun at 2009-02-28 12:02 x
Welcome,Mr.F
Nice to meet you.

Commented by miriyun at 2009-02-28 12:09

Mr.zuhud、You are good at Japanese.
You said that this blog was a good blog. Thank you.
I am khattatah .
Commented by zuhud at 2009-02-28 16:19 x
dozo yoroshiku, watashiwa malesia jin desu
Commented by Drimba at 2009-04-07 02:19 x
Nice blog. I love ti. Please see my blog too.
Commented by miriyun at 2009-04-08 04:13
Welcome! Mr.
Nice to meet you.
Thank you for your comment.

I am khattatah .


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